『League of Legends(LoL)』を運営するRiot Gamesは6月12日、競技シーン「LoL Esports」における2025年の再編計画を発表した。
新たな3つ目の国際大会の追加や、世界で開催されている各リーグ間でのスケジュールの統一などが発表されている中で、プレイヤーからの注目を特に集めている項目がある。
それは「APAC(アジア太平洋)とAmericas(南北アメリカ)における、複数地域にまたがるリーグの変更計画」だ。
これについて『LoL』プレイヤーや配信者などから、日本の『LoL』の競技シーンの行く末を危惧するものをはじめ、様々な意見が飛び交っている。
APAC(アジア太平洋)の国際リーグが新設する「LoL Esports」
「LoL Esports」は2025年、日本も所属するAPAC地域に、昇格/降格モデルを採用した8チーム構成の国際リーグを設立する。
『LoL』国際大会での各地域の出場枠
日本の国内リーグ「League of Legends Japan League(LJL)」など各地域リーグのチームはAPACリーグの下部リーグとして扱われ、所属チームはAPACリーグへの昇格を目指して戦うこととなる。
さらに、年3回の国際大会への出場権を獲得するためには、APACリーグで上位の成績を収める必要がある。
「LJL」チームも戦った「PCS」の様子
つまり、国際大会へ出場までの道のりが遠いものになる。
加えて、APACリーグに所属できず「LJL」に所属することになる多くのチームにとっては、Riot Gamesからの収益の分配が減少することも意味する。
こうしたリーグの再編について、Riot Gamesは同社が運営する『VALORANT』の競技シーンの構造を参考にしたと説明。
収益の分配を受けられるチーム数の減少は、目指す未来を達成するための意図的なものであると認めた。
そのトレードオフとして、収益を分配する先を減らすことでチームごとの収益を増やすことができると、メリットを強調した。
日本だけでなく、ブラジルなどでも『LoL』再編計画に賛否
この発表を受けて、『LoL』プレイヤーや配信者、プロゲーマーからの反応は様々だ。
元プロゲーマーとして、「LJL」で活躍したhachamechaさんはXで「LJL頑張ってほしいな。本当になくなると流石に寂しい」とコメント。
「LJL」に参加しているプロゲーミングチーム・Burning Core Toyamaのオーナー・堺谷陽平さんは「"未来のEsports"を考えるとLoLに限らず、きっと価値のあるトライになると思う」と前向きな姿勢を見せている。
また、南北アメリカとして一つの地域にまとめられることになるブラジルでは反対運動も。
ブラジルのWebメディア「Mais Esports」では「A morte do CBLOL(CBLOLの死)」と題した記事を公開(外部リンク)。
ブラジルではもともと地域リーグ「CBLOL」の人気が高かったこともあり、国際リーグの導入による悪影響を危惧する声が大きいようだ。「Mais Esports」の公式Xの投稿には多くの賛同が寄せられている。
国際大会で強豪とも戦ってきた国内リーグ「LJL」のプレイヤーたち
もともと日本の「LJL」は2014年に非公式のリーグとして始動。
2016年からは公式化され、『LoL』の国際大会である「MSI」や「Worlds」などへの参加権を獲得できるリーグとなり、一時は国際大会で韓国や中国の強豪チームとも戦う機会もあった。
一方、2024年シーズンからは競技シーンの再編に伴い、台湾・香港・マカオのチームが戦う「PCS」の下部リーグという扱いとなった「LJL」。
「LJL」のチームが国際大会に出場するためには、「LJL」で上位の成績を残した上で、「PCS」のチームとのプレイオフを戦い1位の成績を残す必要がある形となった。
新しい『LoL』競技シーン構想では年3回の国際大会が開催される
シーズン初期はミス頻発も……苦しい状況が見て取れる「LJL」の配信
この「PCS」の下部リーグとなった2024年シーズンの「LJL」は、お世辞にも視聴者にとって良い体験を提供できるシーンとは言い難いものがある。
特にシーズンの初期は、試合の配信画面に映るチームのロゴが別チームのものになる、選手のカメラ位置が逆のチームの場所に表示されるといった基礎的なところや、試合の状況を説明するインターフェイスが間違った情報を案内するといったミスが頻発。
ウォッチパーティーを配信するストリーマーたちがツッコミを入れてなんとか成立する──国内最高峰の戦いの場であるにもかかわらず、プロゲーミングチームが主催するイベントの方が高品質と言える状況だ。
背景にあるのかは定かではないが、Riot Gamesは2024年1月、従業員の約11%に相当する人数のレイオフを敢行。
その影響か、現在も「LJL」は専任のインタビュアーが稼働せず、通訳担当者がインタビュアーも兼任するなど、苦しい予算がうかがい知れる状況が続いている。
日本の『LoL』運営陣は、再編計画にどのような姿勢なのか
『VALORANT』と同じ形式にリーグを再編するという趣旨は理解できる。
しかし、当時上り調子にあった『VALORANT』と、円熟期にある現在の『LoL』とでは、同じリーグ形式の発表でもまったく別のメッセージが伝わってくる。
なぜ、プレイヤーたちはe-Sportsと呼ばれるゲームに打ち込むのか。それは「より強くなりたい」からであり、競技シーンは「より強いプレイヤー」を称賛する場所だ。
2024年は配信シーンで『LoL』のイベントやライブ配信を行う配信者が増加し、明るい話題も取り上げられた一方で、「より強いプレイヤー」を称賛する日本の競技シーンである「LJL」が変革を求められている。
この苦境は日本語圏のプレイヤーのモチベーションにも関わる部分であるし、各ゲーミングチームはもちろん、『LoL』をメインにする動画投稿者や配信者の動向も気になるところだ。
「MSI 2024」で優勝を果たしたGen.Gのメンバー
しかし何よりも気になるのは、今回の発表を受けた「LJL」自体やRiot Gamesの日本支社がどのように考えているのかである。
今回の発表は、Riot Games本社からのリリースの日本語訳のみ(外部リンク)。日本語圏のプレイヤーからの反響に、日本の『LoL』運営がどのような回答を用意しているのか、動向を追いたい。
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5件のコメント
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匿名ハッコウくん(ID:10388)
正直なところLoLが廃れて他のゲームやなんやらに日本人の余剰時間が使われた方が長期的に得なんじゃないか
配信者のフルパとかLJLは好きだけど、ソロランクは地獄でしかない
匿名ハッコウくん(ID:10381)
CBLOLの話出しておきながら「より強いプレイヤーを~」に落とすのは無理でしょ
興行的成功に求められるのは「世界で戦えること」よりも遥かに優先して「馴染のある自国選手が活躍すること」だよ
3KRチームより0勝V3のほうがマシまである
匿名ハッコウくん(ID:10379)
選手を貶したいわけではないよ
LJLの方針か知らんがお笑いリーグにすらなれずず~っとヨチヨチ運が悪い相手が上手いすごいすごいしてるのがもう乾いた笑いすら出ないぐらい悲しいだけ
そうだね
例えばLoLのプロシーンに興味があったり実際にプレイしている日本人に強いLJLプレイヤーを聞けば何人も挙がるだろ?
それは君の言ってるラテンアメリカやブラジルでも全く同じ事が言える
でも、じゃあそのLLAやCBLOLで大体上から3番目ぐらいのチームで強いプレイヤーを挙げて下さいと言われると日本人なんて99.9%がまず答えられない
逆も然り
もう一つ例えるとFakerやChovy、Bin等を知ってますかと聞けば国籍関係なく誰もが 何言ってるんだこいつ? と呆れるし
Bjergsenあたりだと いや知ってるに決まってるだろ と笑われる
そういう世界レベルで考えるとEviさんですら あー…あの…し、知ってる知ってる 何かで1回名前見た事ある!(適当) ってなるって話。
で、その世界に出ると有象無象と言わざるを得ないEviさん一人に蹂躙されるんだからLJL選手は ふーん誰?え、LoLに関係ある人? っていう有象無象以前なのが現実だよ