歴史
初期のコンセプト
メタバースの概念は、1992年に発表されたニール・スティーヴンスンのSF小説『スノウ・クラッシュ』に端を発する(KAI-YOUの記事)。この作品では、「メタバース」と呼ばれる仮想世界が登場し、人々がアバターとして参加する姿が描かれている。
オンラインゲームと仮想世界
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、メタバースの初期形態として、マルチプレイヤーオンラインゲーム(MMORPG)が登場。代表的なものに『ウルティマオンライン』や『セカンドライフ』がある。これらのゲームは、ユーザーが仮想空間で自由に活動し、他のプレイヤーと交流することができるプラットフォームを提供した。
テクノロジーの進化とメタバースの再興
2020年代に入り、VRやAR、ブロックチェーン技術の進化により、大企業の投資などによってメタバースの概念が再び注目を集めるようになった。Facebookが社名を「Meta」に変更し、メタバースへの本格参入を発表したことも、この領域への関心を高めた。
主要な要因は以下の通り。
テクノロジーの進化
VR/ARの進化: Oculus RiftやHTC Viveといった高度なVRヘッドセット、MicrosoftのHoloLensのようなARデバイスが市場に登場し、ユーザー体験が大幅に向上。よりリアルで没入感のある仮想空間が実現された。
5Gと低遅延通信 5Gネットワークの普及により、高速かつ低遅延の通信が可能になり、メタバース内でのリアルタイムなインタラクションが向上。
AIと機械学習 AI技術が進化し、仮想世界内のアバターの動きや表情がより自然になり、ユーザー体験が向上。さらに、コンテンツ生成やデータ分析にもAIが活用されている。
代表的なメタバース関連サービス
代表的なメタバースサービス
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Horizon Worlds(Meta)
Meta(旧Facebook)が提供するソーシャルVRプラットフォーム。ユーザーは自分で仮想世界を作成し、他のユーザーと交流、ゲーム作成、イベント開催が可能。VRヘッドセットを利用して没入型の体験を提供。 -
Decentraland
Ethereumブロックチェーン上に構築された仮想世界。ユーザーは仮想の土地を購入し、その上にコンテンツやアプリケーションを作成できる。NFTを使って土地やアイテムの所有権を証明し、取引が行われる。 -
Roblox
ユーザーが自分のゲームを作成し、他のユーザーと共有できるプラットフォーム。特に若年層に人気があり、教育的なコンテンツや社会的な交流の場としても利用されている。メタバースの初期形態と見なされることが多い。 -
Fortnite(Epic Games)
バトルロイヤルゲームとして知られるが、仮想イベントのプラットフォームとしても活用されている。トラヴィス・スコットやアリアナ・グランデなどのアーティストが仮想ライブコンサートを開催し、数百万人のユーザーが参加。 -
The Sandbox
Ethereumブロックチェーン上に構築された仮想世界。ユーザーはデジタル土地(LAND)を購入し、ゲームや体験を作成できる。NFTを利用してデジタル資産の所有権を管理し、マーケットプレイスで取引が行われる。 -
VRChat
VR空間で他のユーザーと交流できるソーシャルプラットフォーム。ユーザーはアバターを作成し、仮想世界内での会話、イベント参加、ゲームプレイなどが可能。VRヘッドセットを利用して没入型の体験を提供。 -
Rec Room
ソーシャルVRプラットフォームで、ユーザーはゲームを作成・共有し、他のユーザーと交流できる。クロスプラットフォーム対応で、VRヘッドセットだけでなく、PCやモバイルデバイスでも利用可能。
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