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今回は、膨大な対象作品から『同志少女よ、敵を撃て』をはじめとした国内のオススメ17作品をピックアップ。
簡単な説明と共に紹介しているので、参考にどうぞ! なお、海外の作品はこちらの記事にまとまっています。
敵を打つために狙撃手となった主人公が、血と硝煙にまみれた世界で何を思うのか。復讐に生きることで何かを得られたのか。真の敵とは何なのか。ぜひ読んでみてください。
彼が謎の人物を追うなかで、人間に眠る、殺戮の引き金になる「虐殺器官」の存在を知り、大きな決断を下す……いや〜記憶を消して読みたい! 未読の方はぜひこの機会に!
もちろん健康に暮らせるのに越したことはありません。しかし、極端な環境に馴染めなかった人々もいて、そんな2人の女性の葛藤が描かれています。
並行世界を行き来する少女たちの青春を描いた表題作や、たった2人の卒業式からはじまる未曾有の災害を描いた全6編を収録。いずれも素晴らしく、文句なしにおすすめ。
円城塔さんらの作品を収録した[恋愛篇]と、同時刊行の[怪奇篇]はそれぞれのテーマに併せて構成。残り3冊は中井紀夫さん、新城カズマさん、石黒達昌さんの作品からセレクトされています。
新世代の作家たちがAIやポストコロナなどのテーマで書いた作品に加え、そのほかにSF入門コラム14本と、「新しいSFを読みたい/書きたい人のためのガイド」も収録。大ボリューム!
急進的な政策でカンボジアを激変させ、国民の大量虐殺を招いたポル・ポト政権下を下地にした上巻。そこから一気に時計の針を進めて物語を転回させる下巻。巧みな構成に圧倒されます。
このほか、時を超えるタイムトラベルに執念を燃やすマジシャンを描いた「魔術師」など、どれもこれも面白い6編を収録しています。
テクノロジーの進化で誰もが莫大な情報を処理できる社会で、謎の少女の逃避行が描かれます。エンタメ性抜群である一方、“知る”をテーマにしており、頭を一捻りさせられる作品でもあります。
「くねくね」や「きさらぎ駅」といったネット上の怪談を相手に、命を張って対峙する2人の異世界サバイバルが描かれています。百合や怪異が好物という方はぜひ。
純粋な恋愛ものからSF色が強いものまで、個性豊かな作家陣の百合SFを楽しむことができます。参加作家それぞれの“百合解釈”も興味深い、一度で二度美味しいアンソロジーです。
宇宙船に乗る漁師の女性2人が主人公。宇宙船で漁をするのは男女という決まりを無視し、女性同士でタッグを組む2人は異物。しかし周囲の目をよそに、わが道をゆく2人がかっこいいのです。
全10巻・17冊を1冊にまとめた合本版で、日本のSF作品のなかでも随一のスケール感。致死率が極めて高い疫病が引き起こすパンデミックや、謎の多い怪物などワクワクする設定も盛り盛りです。
彼が運命を変えるため、戦地でバタバタと倒れていく歩兵・ヤキトリに志願するという物語。5月からNetflixでアニメが配信開始。なかなか出ない3巻の刊行も待ってます!
2作に登場する人物は大方共通しているのですが、その生い立ちや関係性は異なっており、どちらを先に読むかで感じ方・考え方も変わってくるというわけです。
『君を愛したひとりの僕へ』のヒロインだった栞が主人公。あまり多くは語れないので、ぜひ3冊あわせてどうぞ。
そんな作品を手がけた柞刈湯葉さんによる短編集がこちら。読者を嘲笑うような奔放さと、「その発想はなかった!」と思わされる展開で読ませる6つ物語が収められています。
粘菌を組み込んだ自動人形を生み出す奇天烈な発想とは裏腹に、人間の意識とは何かを問う哲学を内包している絶妙なバランス。同時にエンタメとしても楽しめる軽やかさ。読むべし。
今回は、膨大な対象作品から『同志少女よ、敵を撃て』をはじめとした国内のオススメ17作品をピックアップ。
簡単な説明と共に紹介しているので、参考にどうぞ! なお、海外の作品はこちらの記事にまとまっています。
目次
- 1. 逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』
- 2. 伊藤計劃『虐殺器官』
- 3. 伊藤計劃『ハーモニー』
- 4. 伴名練『なめらかな世界と、その敵』
- 5. 「日本SFの臨界点」シリーズ
- 6. 『新しい世界を生きるための14のSF』
- 7. 小川哲『ゲームの王国』
- 8. 小川哲『嘘と正典』
- 9. 野崎まど『know』
- 10. 宮澤伊織『裏世界ピクニック』
- 11. 小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』
- 12. 《天冥の標》合本版
- 13. カルロ・ゼン『ヤキトリ』
- 14. 乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』
- 15. 乙野四方字『僕が君の名前を呼ぶから』
- 16. 柞刈湯葉『人間たちの話』
- 17. 柴田勝家『ヒト夜の永い夢』
逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』
逢坂冬馬さんのデビュー作であり、2022年本屋大賞を受賞した本作。戦争で母を喪(うしな)った少女が主人公の復讐譚です。敵を打つために狙撃手となった主人公が、血と硝煙にまみれた世界で何を思うのか。復讐に生きることで何かを得られたのか。真の敵とは何なのか。ぜひ読んでみてください。
伊藤計劃『虐殺器官』
KAI-YOUでもたびたびプッシュしている伊藤計劃さんの名作。頻発する虐殺を扇動している謎の人物を追う、アメリカの軍人が主人公です。彼が謎の人物を追うなかで、人間に眠る、殺戮の引き金になる「虐殺器官」の存在を知り、大きな決断を下す……いや〜記憶を消して読みたい! 未読の方はぜひこの機会に!
伊藤計劃『ハーモニー』
同じく伊藤計劃さんが執筆した、高度な医療が発達した管理社会が舞台となる作品です。ユートピアともディストピアとも似つかない、でも息苦しさは確かにある世界の物語。もちろん健康に暮らせるのに越したことはありません。しかし、極端な環境に馴染めなかった人々もいて、そんな2人の女性の葛藤が描かれています。
伴名練『なめらかな世界と、その敵』
ぜひ『ハーモニー』と一緒に読んでほしい、2019年に年間ベストSFに選ばれた短編集です。印象的な表紙のイラストは漫画家の赤坂アカさんが担当。並行世界を行き来する少女たちの青春を描いた表題作や、たった2人の卒業式からはじまる未曾有の災害を描いた全6編を収録。いずれも素晴らしく、文句なしにおすすめ。
「日本SFの臨界点」シリーズ
『なめらかな世界と、その敵』の伴名練さんが、有り余るSF愛を1冊に詰め込んだシリーズです。全5冊がセール中。円城塔さんらの作品を収録した[恋愛篇]と、同時刊行の[怪奇篇]はそれぞれのテーマに併せて構成。残り3冊は中井紀夫さん、新城カズマさん、石黒達昌さんの作品からセレクトされています。
『新しい世界を生きるための14のSF』
八島游舷さんによる、衝突事故直前の車載AIが最後の審判を繰り広げる「Final Anchors」など、14篇を収録した伴名練さんによるアンソロジーです。新世代の作家たちがAIやポストコロナなどのテーマで書いた作品に加え、そのほかにSF入門コラム14本と、「新しいSFを読みたい/書きたい人のためのガイド」も収録。大ボリューム!
小川哲『ゲームの王国』
1月に『地図と拳』で直木賞を受賞した作家・小川哲さんの傑作が『ゲームの王国』です。急進的な政策でカンボジアを激変させ、国民の大量虐殺を招いたポル・ポト政権下を下地にした上巻。そこから一気に時計の針を進めて物語を転回させる下巻。巧みな構成に圧倒されます。
小川哲『嘘と正典』
こちらも傑作。小川哲さんによる初の短編集です。誰もがうなる表題作は、共産主義の消滅を目論むCIAの歴史改変SF。このほか、時を超えるタイムトラベルに執念を燃やすマジシャンを描いた「魔術師」など、どれもこれも面白い6編を収録しています。
野崎まど『know』
作家・野崎まどさんの軽快な筆致とセンスが合致したこの作品は、鬼才を知るにはうってつけ。テクノロジーの進化で誰もが莫大な情報を処理できる社会で、謎の少女の逃避行が描かれます。エンタメ性抜群である一方、“知る”をテーマにしており、頭を一捻りさせられる作品でもあります。
宮澤伊織『裏世界ピクニック』
ちょっと捻くれたメガネっ娘とミステリアスな美人、2人の女子大生が主人公となるこのシリーズ。「くねくね」や「きさらぎ駅」といったネット上の怪談を相手に、命を張って対峙する2人の異世界サバイバルが描かれています。百合や怪異が好物という方はぜひ。
『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』
百合SFを大特集した『SFマガジン 百合特集2018』に寄稿された作品を中心に収録したアンソロジーがこちら。純粋な恋愛ものからSF色が強いものまで、個性豊かな作家陣の百合SFを楽しむことができます。参加作家それぞれの“百合解釈”も興味深い、一度で二度美味しいアンソロジーです。
小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』
上記のアンソロジーに収録された短編を、長編として再構成した『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』。宇宙船に乗る漁師の女性2人が主人公。宇宙船で漁をするのは男女という決まりを無視し、女性同士でタッグを組む2人は異物。しかし周囲の目をよそに、わが道をゆく2人がかっこいいのです。
《天冥の標》合本版
『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』の小川一水さんによる、日本SF大賞を受賞した代表作のシリーズを一気読み!全10巻・17冊を1冊にまとめた合本版で、日本のSF作品のなかでも随一のスケール感。致死率が極めて高い疫病が引き起こすパンデミックや、謎の多い怪物などワクワクする設定も盛り盛りです。
カルロ・ゼン『ヤキトリ』
『幼女戦記』で知られるカルロ・ゼンさんによるSFで、異星人に支配され植民地化された地球の青年が主人公。彼が運命を変えるため、戦地でバタバタと倒れていく歩兵・ヤキトリに志願するという物語。5月からNetflixでアニメが配信開始。なかなか出ない3巻の刊行も待ってます!
乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』
離婚する母と父のどちらに着いていくかで、まったく違う人生を歩む主人公を描いたこの2作。2作に登場する人物は大方共通しているのですが、その生い立ちや関係性は異なっており、どちらを先に読むかで感じ方・考え方も変わってくるというわけです。
乙野四方字『僕が君の名前を呼ぶから』
映画も同時公開された上記2作のスピンオフとなる『僕が君の名前を呼ぶから』。スピンオフとして刊行されましたが、本作を含めてシリーズ三部作といってもいいでしょう。『君を愛したひとりの僕へ』のヒロインだった栞が主人公。あまり多くは語れないので、ぜひ3冊あわせてどうぞ。
柞刈湯葉『人間たちの話』
横浜駅が増殖する突飛な作品『横浜駅SF』をご存じですか?そんな作品を手がけた柞刈湯葉さんによる短編集がこちら。読者を嘲笑うような奔放さと、「その発想はなかった!」と思わされる展開で読ませる6つ物語が収められています。
柴田勝家『ヒト夜の永い夢』
不世出の天才学者・南方熊楠をはじめ、歴史に名を連ねる偉人がほいほい出てくる型破りな物語が痛快な本作。粘菌を組み込んだ自動人形を生み出す奇天烈な発想とは裏腹に、人間の意識とは何かを問う哲学を内包している絶妙なバランス。同時にエンタメとしても楽しめる軽やかさ。読むべし。
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