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伊藤計劃

いとうけいかく

SF作家。武蔵野美術大学美術学部映像科卒。Webデザイナーとして働く傍ら小説の執筆を行う。

2007年に作家デビューしてからわずか2年ほどで早逝したが、遺作となった『ハーモニー』は2010年代の日本SFのベストに挙げられている。

概要

Webディレクターのかたわら執筆した『虐殺器官』が、2006年第7回小松左京賞最終候補となり、ハヤカワSFシリーズ Jコレクションより刊行され、作家デビュー。同作は『SFが読みたい! 2008年版』1位、月刊プレイボーイミステリー大賞1位、日本SF作家クラブ主催の第28回日本SF大賞候補となる。

生前はゲームデザイナー小島秀夫の熱狂的なファンであった。学生時代にプレイした『スナッチャー』から小島の作品にのめりこみ、「小島原理主義者」「MGSフリークス」を自称するほどであった。特にメタルギアソリッドの二次創作を中心に手がけており、後にゲームの公式ノベライズを担当した。

全く同じ経緯でデビューした円城塔と共に、期待の新人として脚光を浴びる。

相当な映画通としても知られ、黒沢清の映画から受けた強い影響を度々口にしている。映画評も多く執筆している。

2008年12月に第二作『ハーモニー』を刊行後、2009年1月よりブログの更新が途絶えファンを動揺させる。冗談で「ブログは生存報告」と言う人がいるが、彼の場合それが洒落にならないことをファンは周知していたからである。

2009年3月、肺ガンのため死去。

死後に作品が与えた影響

2009年12月6日、『ハーモニー』が第30回日本SF大賞を死後受賞。

「特別賞」枠を除き、故人が同賞を受賞するのは初。2010年に同作の英訳版が出版され、アメリカでペーパーバック発刊されたSF小説を対象とした賞であるフィリップ・K・ディック記念賞の特別賞を受賞した。

未完の原稿が約30枚あり(この部分は絶筆として河出文庫の大森望責任編集『NOVA1』にも収録)、遺族に承諾を得た円城塔が書き継ぐ形で2012年8月に『屍者の帝国』として刊行された。

発売された『メタルギアソリッド ピースウォーカー』では追悼として、エンドロールラストに
「このPEACE WALKERを伊藤計劃氏に捧ぐ」 と綴られた。

2010年3月、個人サイトで発表した映画批評論や、完成・未完成を含めた短編などを収めた『伊藤計劃記録』が刊行。

2012年3月9日、神林長平が『ハーモニー』へのファーストアンサーとして『いま集合的無意識を、』を発表。

2012年8月24日、円城塔が伊藤計劃の遺した冒頭30枚の原稿を元に『屍者の帝国』を発表。

「伊藤計劃以後」という言葉がSFシーンの言説で多用されるなど、その作品が与えた影響は大きい。

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