死後、マッチングアプリで推しと結婚? 芦沢央のSFミステリー集『魂婚心中』刊行へ

死後、マッチングアプリで推しと結婚? 芦沢央のSFミステリー集『魂婚心中』刊行へ
死後、マッチングアプリで推しと結婚? 芦沢央のSFミステリー集『魂婚心中』刊行へ

『魂婚心中』の書影/画像はAmazonから

小説家の芦沢央さんのSFミステリー集『魂婚心中』が、6月19日(水)に早川書房から刊行される。

死後に結婚できる制度とマッチングアプリを題材に、推し文化を描く表題作などを収録する。定価は1870円。書店、Amazonなどで予約を受け付けている。

近未来のRTAを描く短編など収録 伴名練らによる解説も

『魂婚心中』に収録されるのは、表題作を含む6篇。

近未来のRTA(ゲームのクリア時間の早さを競う競技)を実況解説形式で描く「ゲーマーのGlitch」や、関係各所から大絶賛を受けているという大正時代が舞台の超能力もの「九月某日の誓い」など。

これらの収録作を作家の青崎有吾さん、赤野工作さん、今村昌弘さん、斜線堂有紀さん、伴名練さん、宮内悠介さんが解説する企画も決定した。

6月25日(火)発売の雑誌『SFマガジン』8月号や、書店用リーフレットで展開される。

【表題作「魂婚心中」のあらすじ】
ここ数年で死後結婚のイメージは大きく変わった。KonKonというマッチングアプリが社会に広まり、若者たちの間で登録者が激増したのだ。そして、私の推しである神宮寺浅葱がKonKonのリア垢を持っていることを、私だけが知ってしまった。このままでは私は、死ねば推しとマッチングして結婚できてしまうかもしれない──。早川書房のnoteから

『罪の余白』でデビュー 受賞歴多数のミステリ作家・芦沢央

芦沢央さんは、1984年東京都生まれの小説家。

出版社勤務を経て、2012年に『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。以来ミステリーを中心に多くの作品を手がけており、同ジャンルにおけるフロントランナーとして知られている。

2015年に映画化された『罪の余白』をはじめ、代表作に『悪いものが、来ませんように』『汚れた手をそこで拭かない』など多数。

2018年に『火のないところに煙は』で静岡書店大賞を受賞。2022年に『神の悪手』で第34回将棋ペンクラブ大賞文芸部門優秀賞、ほんタメ文学賞2021年上半期たくみ部門(ミステリ)を受賞。

2023年には『夜の道標』で、第76回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門を受賞している。

この記事どう思う?

この記事どう思う?

注目の新刊情報とポップなインタビューを読む

カンザキイオリの小説『あの夏が飽和する。 』文庫化決定 梶裕貴らが朗読する完全版単行本も刊行

カンザキイオリの小説『あの夏が飽和する。 』文庫化決定 梶裕貴らが朗読する完全版単行本も刊行

アーティスト/音楽家/ボカロPとして多方面で活躍するカンザキイオリさんの小説家デビュー作『あの夏が飽和する。』が、河出書房新社より文庫化されることが決定した。価格は858円(税込)、発売日は6月27日(木)。さらに文庫化を記念して、オーディオブックも制作。...

kai-you.net
邪神“クトゥルフ”を怪獣図鑑風に紹介『クトゥルフ神話生物解剖図鑑』が面白そう

邪神“クトゥルフ”を怪獣図鑑風に紹介『クトゥルフ神話生物解剖図鑑』が面白そう

コズミックホラーの代名詞「クトゥルフ神話」に登場する生物を怪獣図鑑風に紹介する書籍『クトゥルフ神話生物解剖図鑑』が、5月28日(火)に秀和システムから刊行される。海底都市に眠る邪神・クトゥルフ、シュブ=ニグラスの落とし仔・黒い仔山羊、冷気を操る旧支配者...

kai-you.net
「アイデアは古典的でも、小説として古くあってはいけない」SF作家・伴名練インタビュー.jpg

「アイデアは古典的でも、小説として古くあってはいけない」SF作家・伴名練インタビュー

その小説家の名は、伴名練。兼業作家であるため、完全に覆面を貫き表舞台には一切姿を見せない。SNSなども現時点ではやっていない。 しかし、2019年、初の単著となった作品集『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)は、いち早く手に取った関係者が一様に絶賛したこともあって発売前から重版がかかるほどに。刊行後も…

premium.kai-you.net

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。