早川書房の電子書籍2000点以上が最大50%OFFとなるセールが、Kindleストアで11月7日(木)まで開催されています。
『同志少女よ、敵を撃て』『三体』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』などなど、話題作や古典的名作に手を付けるもよし。目につくものを買って積読するのもセール中の醍醐味でしょう。
この記事では、定番の名作から今話題の一冊まで10点ピックアップしています。購入の参考になれば幸いです。
目次
逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』
逢坂冬馬さんのデビュー作にして代表作となった『同志少女よ、敵を撃て』。
時は独ソ戦が激化する1942年。ロシアの田舎に暮らしていた少女・セラフィマが、母や村人を虐殺したドイツ軍の兵士、そして自分の尊厳を踏みにじったロシア軍の女性兵士・イリーナに復讐を誓い、戦場へ赴く物語です。
余談ですが、漫画好きとしては連載中のコミカライズを追っていまして、12月11日(水)刊行の第1巻の書影公開が楽しみです。
伊藤計劃『虐殺器官』
日本産のSF作品を代表する一作『虐殺器官』。人間の憶測に眠る虐殺を司る謎の器官・虐殺器官を巡る物語です。
個人的に初めて読んだSF作品で、SFの面白さを教えてもらいました。
SFの特徴の一つである設定の難解さが適度にありつつ、エンタメとして成立。さらに現代社会の課題を映す社会派な側面もあります。SFに馴染みのない方にもオススメです。
伊藤計劃『ハーモニー』
直接的ではないものの、テーマ性に『虐殺器官』との繋がりを感じさせる『ハーモニー』もオススメしたい作品です。
超高度の医療福祉社会が病を根絶し、人々が安寧にまどろむ世界観。その中で自由を感じられなかった主人公たちが起こす命がけの反抗が、やがて世界を揺るがす大波へと発展していきます。
コミカライズも傑作なので、ぜひとも併せてどうぞ。
宮澤伊織『裏世界ピクニック』
『裏世界ピクニック』は、何が起こるか全くわからない、危険だらけの“裏世界”を征く2人の女性主人公の旅路を描きます。
作者の宮澤伊織さんは、インタビューで「百合が俺を人間にしてくれたと言えるかもしれません」と話すほどの百合愛好家。百合SFと言えば本作を挙げる方も多いでしょう。
恐怖と冒険と百合が詰まった盛りだくさんな一作となっています。
竹田人造『AI法廷の弁護士』
時に間違いを犯す人間ではなく、AIの裁判官に判決を委ねるのはどうか?
そんな想像を物語として描く『AI法廷の弁護士』。主人公は、AI裁判官の導入によって訴訟件数が爆発的に増えても不敗の凄腕弁護士。実はAIの問題点を利用して勝訴の山を築き上げた彼が、厄介な相棒と共に難事件に挑んでいきます。
軽快な読み味でエンタメ性も抜群です。
劉慈欣『三体』
日本を含め世界的ベストセラーとなった『三体』。近年最も話題になったSF作品と言っても過言ではありません。
結構難解ですが、徐々に盛り上がり超展開を見せるエンタメ性が多くの人の「面白い!」を誘ったのではないでしょうか。
ただし、長い! 本屋で手に取ったハードカバーの分厚さには慄きました。電子書籍であれば場所もとらないし、どこでも読める。積読も楽。未読の方はセール中が買いです。
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
今回紹介する作品の中で、“SF作品に馴染みがなくてもなんとなく聞いたことのあるタイトルランキング”1位が『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』でしょう。
展開が異なりますが、SF映画『ブレードランナー』の原作でもあります。
人間と判別のつかないアンドロイドと人間が生きる未来において、両者の違いを問う内容を通し「人間とは何か?」との命題を追求。日本においてはアーティストの土井宏明さんによるスタイリッシュな表紙も印象的です。
グレッグ・イーガン『祈りの海』
現代の名SF作家の一人であるグレッグ・イーガンさんによる短編集が『祈りの海』です。
新海誠監督の『君の名は。』に影響を与えたことで日本でも話題になった「貸金庫」や、表題作の「祈りの海」など全11編を収録。
作者のらしさが詰まった難解なハードSFも、胸があったかくなる物語もあります。短編集の醍醐味である“いろいろ楽しめる”を全うした一冊。
ダロン・アセモグル/ジェームズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』
10月にノーベル経済学賞を受賞した時の人、マサチューセッツ工科大学のダロン・アセモグル教授とハーバード大学のジェームズ・A・ロビンソン教授による国家論です。
「ローマ帝国はなぜ滅びたのか?」「ソ連が崩壊した理由は?」等々をテーマに、国家がなぜ栄え、衰退していくのか。経済学者の視点から各国の状況を分析して、議論を巻き起こしました。
熊代亨『人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造』
“自己家畜化”というキャッチーな言葉を用いて、過去から現代に至るまでに、人々がいかに自己を飼いならす生き方を獲得してきたかを論じています。
社会性の獲得と共に勢力を拡大してきた人類が、その道程で失ったもの、内面に押し込めてきた破壊的衝動を概説。それが現代にどのような問題を引き起こしているのかを語っていく、刺激的な内容です。
カイ・バード/マーティン・J・シャーウィン『オッペンハイマー』
原子爆弾を開発したことで、“原爆の父”と呼ばれた物理学者のロバート・オッペンハイマーさんの評伝。日本では3月に公開された、クリストファー・ノーラン監督による映画『オッペンハイマー』の原作でもあります。
原作のこちらは2人の作者による膨大な取材と調査に裏打ちされた情報量が、上中下巻に渡って凝縮。凄まじいことになっています。執念の結晶。
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