知能は人間の独占物ではない。そんな視点から「人間以外の知性」について論じた書籍『Ways of Being 人間以外の知性』が5月22日(水)、早川書房から刊行される。
自動運転車もチンパンジーもタコも木も菌類も独自のあり方で知的と言えるが、ではそれらが体感する「世界」とはいかなるものなのか。
認知科学やAIが専門のアーティスト/ジャーナリストであるジェームズ・ブライドルさんが執筆。解説は、書籍化されたことで知られる読書会『闇の自己啓発』の発起人・江永泉さんが担当する。
「新しい暗黒時代」を論じたジャーナリスト、ジェームズ・ブライドル
ジェームズ・ブライドルさんは、認知科学やAIを専門領域とするアーティスト、科学技術者、ジャーナリスト。
自動運転車を自作して“罠にかける”映像作品の展示など、科学技術自体が持つ危険性に対し警鐘を鳴らすような作品を制作。美術展「あいちトリエンナーレ」などにも出展し、2015年には『WIRED』誌の「ヨーロッパで最も影響力のある100人」にも選ばれた。
2018年には初の単著『ニュー・ダーク・エイジ テクノロジーと未来についての10の考察』を刊行。クラウド、アルゴリズム、自動運転、機械学習などのトピックから「新しい暗黒時代」の予兆を論じた。
AIにタコや粘菌……非人間の生態学を追究
今回刊行される『Ways of Being 人間以外の知性』は、2022年にイギリスで刊行されたものの邦訳。
AIチャットボットや自動運転車だけでなく、タコや木、粘菌、ネアンデルタール人などを取り上げ、非人間の生態学を追究する。
ChatGPTはじめ、急速な進歩を果たした人工知能。同時に動植物の知性にも、動物倫理学などの側面から意識を向けられるようになった現代において、注目の一冊となりそうだ。
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