バーチャルYouTuber(VTuber)シーンの盛り上がりは、ここ数年のネットカルチャーにおける代表的トピックスだ。
コロナ禍で生活様式がドラスティックに変化する中、YouTubeでの長時間配信やTikTokのショート動画などがユース世代を中心に刺さったのだ。
ネットカルチャーに親しみのある人々の心を打つ才能に溢れるVTuberは、いまや一定の層に向けて訴求できるインフルエンサーへと成長。企業広告やタイアップに起用されるほどの“タレント”(才能)を有した「バーチャルタレント」となっている。
そんななか、運営会社の上場も話題を呼んだ“企業勢”の筆頭であるにじさんじ・ホロライブ以外で、明確に支持層を広げているプロジェクトがある。「次世代Virtual eSports プロジェクト」を掲げる「ぶいすぽっ!」だ。
2018年10月20日に配信デビューした花芽すみれさん、花芽なずなさんをきっかけにし、2019年には小雀ととさん、一ノ瀬うるはさんがデビュー。彼女たちによって結成された「Lupinus Virtual Games」に始まり、その後徐々にメンバーが増加していくなかで現体制へとシフトチェンジしていった。「ぶいすぽっ!」新ロゴアニメPV
ゲーム実況を中心に据えた「ぶいすぽっ!」は、コロナ禍でゲーム実況が盛り上がる中で存在感を強めていった。2022年12月には「ぶいすぽっ!」全体のYouTubeチャンネル登録者数合計が500万人に到達。
現在、ホロライブ・にじさんじに次ぎ、3番目にYouTubeチャンネル登録者数が多いVTuber/バーチャルタレントグループとなっている。
特徴として挙げられるのは、FPSを中心にe-Sportsやゲームの面白さ・良さを広げていくことを掲げているグループである、ということ。オリジナル曲「for Victory!」アニメMV
所属している17人は総じてゲームスキルが高く、または非常に熱意のあるメンバーが揃っており、それゆえに配信も盛り上がる。
また本人の性格・人格面がダイレクトに配信内であらわれることが多く、ルックスこそアニメキャラクター然としているものの、実際の彼女たちはとても人間味あふれる「その人らしさ」を全面に押し出している。
今回は「ぶいすぽっ!」所属メンバーの特徴とともに、彼女たちの魅力が感じられる配信をピックアップして紹介していこう。 文:くさのこー 編集:Yugaming
※記事中の画像は全て公式サイトより
※現在までに多くの配信・動画がアーカイブされているため、どの配信がピックアップされてもご理解・ご了承いただきたい。
実際に配信を見てみると、自他ともに認める出不精かつ汚部屋女子な一面や、自身のとんでもない経歴や生活感についても赤裸々に話してみるなど、「どこかにいそうで、どこにもいない」浮世離れした一面を持っており、多くのファンから注目されている。【APEX】こうやさい【ぶいすぽ/一ノ瀬うるは】
「ぶいすぽっ!」所属のメンバーが強烈な個性を持っているとVTuberファンに知らしめたのは、2021年8月に開催されたオンライン大会「VTuber最協決定戦 Ver.APEX LEGENDS Season3」の後夜祭で行われた、にじさんじ・葛葉さんとのやり合いだろう。
「VTuber×FPS」と言われれば間違いなく名前が上がる2人だが、意外にも共演は数回ほどしかない。そのファーストコンタクトとなったのが、この後夜祭だ。
「うるはさんが葛葉を弱いと話していた」という誤情報から苦手意識を持っていた葛葉さん、誤解を解きたい一ノ瀬さんという構図はなぜかコントへと変化。
現在ななしいんく(旧774inc.)に所属している日ノ隈らんさんがしびれを切らして「正々堂々と1vs1で決めろ!」と発破をかけ、ついにはバトルへと発展した。【APEX LEGENDS】コミュ障バトル【日ノ隈らん / 一ノ瀬うるは/葛葉】
一連の流れは、昔ながらの両者のファンはもちろん、e-Sports/ストリーマーシーンでも人気の高い2人の白熱した(?)初共演ということもあり、「のせクズ事件」として多くのファンに知られることになった。
その後2人は「第2回 Crazy Raccoon Cup Valorant(CRカップ Valorant)」で共闘。チームを準優勝に押し上げ、それぞれ事務所を背負う存在へと成長した。
「ぶいすぽっ!という箱の凶暴性が垣間見える」という名言は彼女たちと仲の良いNeo-Porte所属の白雪レイドさんが発した言葉。彼ともっとも仲の良い「ぶいすぽっ!」メンバーである一ノ瀬うるはさんが奥底に秘めた凶暴性は、葛葉さんとの1vs1対決ではっきりと理解できるだろう。
先に紹介した一ノ瀬うるはさんとは、ブイアパ所属のころから『Apex Legends』を通しての”戦友”とも言える絆をもち、または漫才を繰り広げる名コンビとしてファンに知られている。
彼女が考案したユーザーID「BIG_〇〇〇_STAR」は小森さん、一ノ瀬さんに白雪レイドさんの3名のファンらが数多く使用し、俗に「BIG族」という愛称として知られるようになった。
そんな彼女の名シーン・名場面を選ぼうとすると、彼女自身の手で生み出したゲームプレイよりも、彼女を応援するファンとのやりとりを思いつくファンが多いだろう。
明るく朗らかとした彼女の性格やマンガ・アニメ・ゲームに強い嗜好性を持った趣味、なにより人懐っこくトークしつづける彼女の魅力に惹きつけられ、徐々にリスナーはその数を増やしていった。
なにか不都合なことがあれば大声を出してパッション強めにゴリ押したり、同じボケを何度もつづける天丼、ちょっとした話題から「いやいや……あんさん、そんなまさか……」とフリをして自ら拾い、それに乗じてリスナーもツッコミを入れる。【ニチアサ】知っているか、一週間は意外と早い【小森めと / 774inc. 】
どんな話題でもとっかかりを見つけて広げていく小森さんと、ヒネったコメントを投げかけるリスナーとのやりとりは、お笑い芸人同士の掛け合いのよう。日曜朝に雑談配信をする企画枠「ニチアサ」は、彼女とリスナーにより掛け合いが特に盛り上がりを見せる枠だ。
好きなアニメキャラクターの話題で、「リヴァイって異常にカッコよくない?」「ハイキューってみんな(カッコ)いいんだよ?でも及川さんかな?」とコメントに答えていると、
そのお返しとばかりに、コメント欄に溢れたのはひとりの女性の名前
コロナ禍で生活様式がドラスティックに変化する中、YouTubeでの長時間配信やTikTokのショート動画などがユース世代を中心に刺さったのだ。
ネットカルチャーに親しみのある人々の心を打つ才能に溢れるVTuberは、いまや一定の層に向けて訴求できるインフルエンサーへと成長。企業広告やタイアップに起用されるほどの“タレント”(才能)を有した「バーチャルタレント」となっている。
そんななか、運営会社の上場も話題を呼んだ“企業勢”の筆頭であるにじさんじ・ホロライブ以外で、明確に支持層を広げているプロジェクトがある。「次世代Virtual eSports プロジェクト」を掲げる「ぶいすぽっ!」だ。
Virtual eSports Project「ぶいすぽっ!」とは?
「ぶいすぽっ!」は、2020年7月7日に名称が決定したVTuber/e-Sportsプロジェクト。運営はバーチャルエンターテイメント社。現在までに17名のメンバーが在籍している。2018年10月20日に配信デビューした花芽すみれさん、花芽なずなさんをきっかけにし、2019年には小雀ととさん、一ノ瀬うるはさんがデビュー。彼女たちによって結成された「Lupinus Virtual Games」に始まり、その後徐々にメンバーが増加していくなかで現体制へとシフトチェンジしていった。
現在、ホロライブ・にじさんじに次ぎ、3番目にYouTubeチャンネル登録者数が多いVTuber/バーチャルタレントグループとなっている。
特徴として挙げられるのは、FPSを中心にe-Sportsやゲームの面白さ・良さを広げていくことを掲げているグループである、ということ。
また本人の性格・人格面がダイレクトに配信内であらわれることが多く、ルックスこそアニメキャラクター然としているものの、実際の彼女たちはとても人間味あふれる「その人らしさ」を全面に押し出している。
今回は「ぶいすぽっ!」所属メンバーの特徴とともに、彼女たちの魅力が感じられる配信をピックアップして紹介していこう。 文:くさのこー 編集:Yugaming
※記事中の画像は全て公式サイトより
※現在までに多くの配信・動画がアーカイブされているため、どの配信がピックアップされてもご理解・ご了承いただきたい。
目次
- 1. Virtual eSports Project「ぶいすぽっ!」とは?
- 2. 一ノ瀬うるは、葛葉との1on1で牙を剥く
- 3. 小森めととリスナーの芸人のような掛け合い
- 4. 胡桃のあ、HIKAKINをチャンピオンに導く
- 5. 英リサ、大型企画の『Fall Guys』で意外な才を発揮
- 6. FPS強者・花芽すみれ『VALORANT』珍プレイで笑いを届ける
- 7. 橘ひなの、「笑ってはいけない」名場面集で大爆笑
- 8. 白波らむねの見事な“イモータル”達成と明るい未来
- 9. ぶいすぽっ!セクシー担当・八雲べにが垣間見せる素の表情
- 10. 僕らは藍沢エマに清楚の夢を見るか?
- 11. 大木の枝に佇む小鳥のような小雀とと
- 12. 記念すべきイベントの裏で猫汰つなが見せたもの
- 13. 「複数人疑惑」「AI疑惑」紫宮るながそう言われる理由とは?
- 14. 優しい世界には優しい手ほどきがある(兎咲ミミの場合)
- 15. ふつうなことが貴重になる?神成きゅぴの歌配信
- 16. 空澄セナはこの日「本当に汚い部屋」を知った
- 17. 如月れん主催!抜き打ちテスト企画!
- 18. 花芽なずなが音頭、願いを込めた12人の歌ってみた
一ノ瀬うるは、葛葉との1on1で牙を剥く
切れ目がちな目線、黒のロングヘアー、すこし低めの声色、どこかヤンキーめいた投げやりな口調がクールな印象を与える一ノ瀬うるはさん。実際に配信を見てみると、自他ともに認める出不精かつ汚部屋女子な一面や、自身のとんでもない経歴や生活感についても赤裸々に話してみるなど、「どこかにいそうで、どこにもいない」浮世離れした一面を持っており、多くのファンから注目されている。
「VTuber×FPS」と言われれば間違いなく名前が上がる2人だが、意外にも共演は数回ほどしかない。そのファーストコンタクトとなったのが、この後夜祭だ。
「うるはさんが葛葉を弱いと話していた」という誤情報から苦手意識を持っていた葛葉さん、誤解を解きたい一ノ瀬さんという構図はなぜかコントへと変化。
現在ななしいんく(旧774inc.)に所属している日ノ隈らんさんがしびれを切らして「正々堂々と1vs1で決めろ!」と発破をかけ、ついにはバトルへと発展した。
その後2人は「第2回 Crazy Raccoon Cup Valorant(CRカップ Valorant)」で共闘。チームを準優勝に押し上げ、それぞれ事務所を背負う存在へと成長した。
「ぶいすぽっ!という箱の凶暴性が垣間見える」という名言は彼女たちと仲の良いNeo-Porte所属の白雪レイドさんが発した言葉。彼ともっとも仲の良い「ぶいすぽっ!」メンバーである一ノ瀬うるはさんが奥底に秘めた凶暴性は、葛葉さんとの1vs1対決ではっきりと理解できるだろう。
小森めととリスナーの芸人のような掛け合い
2020年5月30日に当時774inc.の運営するブイアパで、小森めとさんはデビューを果たした。数年の活動を経たあと、2023年2月からはFPSゲームに強みを持つ「ぶいすぽっ!」へと移籍し活動している。先に紹介した一ノ瀬うるはさんとは、ブイアパ所属のころから『Apex Legends』を通しての”戦友”とも言える絆をもち、または漫才を繰り広げる名コンビとしてファンに知られている。
彼女が考案したユーザーID「BIG_〇〇〇_STAR」は小森さん、一ノ瀬さんに白雪レイドさんの3名のファンらが数多く使用し、俗に「BIG族」という愛称として知られるようになった。
そんな彼女の名シーン・名場面を選ぼうとすると、彼女自身の手で生み出したゲームプレイよりも、彼女を応援するファンとのやりとりを思いつくファンが多いだろう。
明るく朗らかとした彼女の性格やマンガ・アニメ・ゲームに強い嗜好性を持った趣味、なにより人懐っこくトークしつづける彼女の魅力に惹きつけられ、徐々にリスナーはその数を増やしていった。
なにか不都合なことがあれば大声を出してパッション強めにゴリ押したり、同じボケを何度もつづける天丼、ちょっとした話題から「いやいや……あんさん、そんなまさか……」とフリをして自ら拾い、それに乗じてリスナーもツッコミを入れる。
好きなアニメキャラクターの話題で、「リヴァイって異常にカッコよくない?」「ハイキューってみんな(カッコ)いいんだよ?でも及川さんかな?」とコメントに答えていると、
とキツめのコメントを見つけて逆ギレしてみせた。「なんかもう好みが中学生なんよね」
「は!?バカにしてんのか!?人の男の趣味をバカにすんの!お前の女の趣味をいうてみいよ!!」
そのお返しとばかりに、コメント欄に溢れたのはひとりの女性の名前
小森さんは少しノンデリカシーなコメントであっても、配信上で取り上げては面白い切り返しを次々とこなしていく。彼女の奔放なトークに対してうまく切り返していくリスナーの力も素晴らしい。両者の深い関係性は、「事務所間での移籍」という前代未聞の移籍が成功する理由にもなったはずだ。「小森めとだよ」
「えっ……?///」
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