僕らは藍沢エマに清楚の夢を見るか?
「ぶいすぽっ!」にはセクシー担当がいれば、清楚担当もいる。藍沢エマさんは、デビューした直後から水色と薄金色をモチーフにした可憐なビジュアルと線の細い声色が相まって、「ぶいすぽっ!清楚担当」という評価が高まっていた。
「(小雀)とと先輩が清楚担当だよ」と本人は謙遜するものの、配信中に漂う柔らかなムードはやはり一線を画す。
アングラかつ暴力的な表現が多いネットカルチャー、または勝ち気なムードやお笑い気質を前面に出すメンバーが多い「ぶいすぽっ!」において、彼女のような存在は逆に目立つことになった。
事務所きってのお笑い芸人である2人とともに「お淑やか・かわいらしさを前面に押し出して話す」「急に3姉妹のお嬢様になって会話し始める」といったコント芸を始めていく。
長女・英さん、次女・八雲さん、三女・エマさんという先輩後輩の構図が会話の中でも感じ取れ、まるで童話『シンデレラ』のようになってしまうのもまた面白い。
どれだけ先輩2人が清楚らしく振る舞っても、逆にどれだけ先輩が無茶ぶりをしても、エマさんの声色や言葉選びがあまりにもお嬢様すぎることで、しっかりとオチがついてしまうのもこのコラボのミソである。
デビュー当初は一番後輩ということでオドオドとしていた彼女も、デビュー1年が経過する頃にはしっかりとお笑い/漫才/コントの空気感を読むまでに成長。「ぶいすぽっ!」内でのコラボ配信では「何かあれば先輩をイジろう」「漫才をしてみよう」という姿勢が見えるようになった。
とはいえ、彼女が好きなアニメについて語っているときは、いつもとは違ったハイテンションで早口になったりヘンな笑いもみせたりと、「お嬢様」なキャラクターよりもよっぽど正統派な「オタク」なキャラクターが垣間見える。
やはり彼女には裏の顔があるはずだ、今後の配信を見守っていこう。
大木の枝に佇む小鳥のような小雀とと
いつものソロ配信ではなく、友人らと共に多人数で配信をすることを俗に「コラボ配信」と呼ぶ。せっかくのコラボであれば「いつもとはちょっと違った配信に……」と心がけるタレントが大半。ファンにしてみても、事前の発表を見れば内容やそこでのやり取りを期待し、想像してしまうのが性というもの。そうしたコラボでは、自身を含めた参加メンバーがいかにキャリアや年齢が離れ、活動ジャンルが別々だったとしても、最低限の礼儀は必要。ましてや集合時間に遅れて、コラボのはずなのにメンバーが揃わず、配信ができないなんてことはもってのほかだ。
しかし、「ぶいすぽっ!」随一の清楚・清純派として知られる小雀ととさんにとってそんなトラブルは些細なことなのかもしれない。
キャリアもシーンを飛び越えた2人とは、カジュアル大会にて共闘して以来「チームタルコフ」として何度となく配信してきた仲でもある。
ところがこの日、配信時間になっても一向に2人はあらわれない。「前に間違えたからあたしが間違えてるのかと思って焦ったぁ」「ねぇ?どうすればいい?!」とリスナーに相談する小雀さん。
「配信してなくても良いんじゃないか?」と思わなくもないが、それでは彼ら2人のファンも不安になってしまうだろう。そういったファンの空気も読み、リスナーと雑談をしながら2人を待つことに。
その後、BC立川さんは配信開始から1時間後に、ROBiNさんはそのまた1時間後に登場し、「2時間かけてチームタルコフが集合してくる」配信回となったのだ。
遅刻してきた2人の理由を聞き、小雀さんが「なるほど〜!じゃあ配信を閉じてきますね〜」と話題を思いきりぶった切って大笑いする3人。彼らのマイペースぶりや空気感、仲の良さがうかがい知れるだけではなく、突然のトラブルのなかでも小雀ととさんのマイペースでユルい雰囲気が発揮された配信であろう。
記念すべきイベントの裏で猫汰つなが見せたもの
「ぶいすぽっ!」のメンバーは全員VTuber/バーチャルタレントでありながら、らしくない部分も時に顔を覗かせる。例えば「タイトルに挙げているゲームから続けてまったく別のゲームをプレイする」といった流れは、YouTubeにVTuberシーンが定着してきた2018年頃から考えれば信じられない振る舞いだろう。
自由気ままに長々と配信をし続けるスタイルはTwitchストリーマー達のスタイル、VTuberによっては枠を取り直してしまう人が多いはずだ。
多くのファンが神田明神で「ぶいすぽっ!」初のオフラインイベントを楽しむ一方で、猫汰つなさんも11日と12日にリアルタイム接客でファンと触れ合ったばかり。初めての経験でドッと疲れていたはずだ。
先輩の神成きゅぴさんとストリーマーのdexyukuさん、Kamitoさん、ギルさんの5人で『VALORANT』を配信し始めると、彼女の長い夜が始まった。
開始から3時間半が経過した頃にKamitoさんが抜けて4人で『雀魂』をプレイ。そこに花芽なずなさんが登場して、ふたたび『VALORANT』へ。さらにその3時間後にdexyukuさんとギルさん2人が抜けて、女性陣のみでプレイ。
開始から8時間経過したあたりでなずなさんが抜け、その後30分ほど『Apex Legends』をプレイしたあとに、空澄セナさんが合流してきて『雀魂』をまたプレイして……。
こうして流れるように様々なゲームをプレイしていった猫汰つなさん。配信を終えたのは配信開始から約12時間後の午後13時頃、もちろんその時間は納涼祭り真っ最中だ。同じタイミングで他メンバーもいつも通りに配信をしていたとはいえ、彼女はとびぬけた配信時間を打ち立てたのだからとんでもない。
配信時間がちょうど10時間になった頃、再度顔合わせたなずなさんが「つな、配信時間ハンパないけど大丈夫?配信時間10時間とか書いてあるけど?」と声をかける。するとつなさんは一言。
「みんなと過ごす時間はこんなにも楽しいんだね」と返した。
楽しい時間は、長ければ長いほど良いのだ。
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