原宿の街角で、ドクロをあしらったポップな装いで立つ女性。ラッパー/シンガーソングライターとして活動するLilniina(リルニーナ)さんだ。
本名は「niina(ニーナ)」。そこに「ラッパーの人とかによくついてる」イメージのある「Lil」をくっつけたアーティスト名。その2つの単語にスペースを挟まなかったのは、「文字の見栄え」が友達とも話してかっこいいと思ったため。
この日の装いは、原宿らしくちょっと派手めに
そんな現代的な感性から生み出されるのは、「cigirl」に代表される、キュート&エモで、どこか平成レトロも感じられる楽曲。その源泉はなにか。音楽の原体験から楽曲制作の舞台裏まで、原宿の街を歩きながら紐解く。
音楽に囲まれた少女時代から、ラッパーとして歩みはじめるまで
Lilniinaさんは子どもの頃から、音楽好きな両親がかける、車の中で流れる曲から自然と音楽に触れ合ったという。
車やiPod Touchから、Lilniinaは日常的に音楽に触れていった
興味を示すと父親が喜び、iPod Touchに様々な楽曲を入れてくれたことで、SNSがなかった少女時代はひたすらに音楽にのめりこんでいった。
ヘビーメタル、エモ系ロックバンド、My Chemical Romance、Fall Out Boy……様々なバンドソングに夢中になった末に、コピーバンドを経て、気の合う人たちと本格的なバンド活動へと転向。オリジナル曲の制作を重ねていった。
その後、個人活動へ転向した折に、高校時代の友人をきっかけに、自身でビートとフックを手がけた「Daydreamer」という曲をSoundCloudに投稿。「たまに恥ずかしくて消しちゃう」と語る第一歩から、ラッパーとしてのキャリアがスタートした。
一人で全てを作ることができる楽しさを感じつつ、ラップはあまり通っていなかったLilniinaさんは、友達から知識を得ながら手探りでラッパーとしての活動を進めた。
語感、流行、物語――Lilniinaの創作スタイル
そんなLilniinaさんの制作スタイルはなかなかユニークだ。代表曲の「cigirl」は、語感先行でアドリブでメロディを乗せるところからスタートしたという。
そこから“cigarette”という単語が浮かび、そこから連想ゲーム的に「タバコ」「中毒性」「女の子への恋」とイメージが膨らんでいった。そんなスタイルを、Lilniinaさんははにかみながら「宇宙語」と呼んだ。
また、イヤホンを渡して楽曲を聞かせる演出で話題となった「_black cherry moon_」のInstagramリールは、海外の流行に敏感な名古屋の友人のアイデアだという。
Lilniinaさんによれば、「cigirl」のMVもこの友人の協力があって生まれたのだとか。
一方「ANATA」は、日本語タイトルの楽曲を作りたいという動機から「あなた」をキーワードとして選び、恋愛ソングとして制作されたという。
自身の恋愛観よりも、小説を書くようにキャラクターを決めて物語を紡いだと語る。「ラッパーなのにリアルじゃないかもしんない」と自分でも笑いつつ、そんな作り方が好きだと語った。
「聴いた人が自信を持てる“おまじない”みたいに」
Lilniinaさんの楽曲を聴く人からは、「メイクしながら聴いてるよ」「デート前に聴いてるよ」といった感想が寄せられるという。
「自分に自信が持てるおまじない的な感じで」
本人もそうした形で聴いてもらえることはうれしいようで、「自分に自信が持てるおまじない的な感じで使ってもらえたら嬉しいです」と語ってくれた。
2025年には、夢見ていたイベント「SPOOKY PUMPKIN 2025」への出演も叶えたLilniinaさんに、今後の目標について尋ねてみた。Lilniinaさんは韓国でもライブを経験したことをきっかけに、様々な国でのライブをしてみたいと考えていること、その上でジャンルにはあまりこだわず、「いい意味で何も考えずに」活動を続けていきたいと語った。
自然体だけど、聴く人の背中をたしかに押してくれるキュートでエモなラップを武器に、Lilniinaさんは次なる舞台を見つめている。
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