秋葉原の街に立ち、色とりどりの風景の中でも異彩を放っている青い髪のラッパー。24歳、日本とナイジェリアのハーフの3Li¥en(エリイェン)さんだ。
自らをエネルギー屋さんと称する彼女の口からは、関西弁の軽快なトークが溢れ出す。
初音ミクへの愛、秋葉原という街の引力、そしてどん底から彼女を引き揚げた元カレの哲学。ハイエナジーな楽曲の裏側にある物語を紐解く。
「秋葉原にエネルギーをぶちかましに来ております」
秋葉原と初音ミク:3Li¥enのルーツ
3Li¥enさんにとって秋葉原は、高校時代から通い詰める特別な場所だ。アニメ文化、特に初音ミクをこよなく愛する彼女にとって、この街は来るだけでワクワクするパワースポットなのだという。
「私、初音ミクが大好きなんです。髪の毛を青くしているのも、時々初音ミクをレペゼンさせていただいてるんです。ボーカロイドは日本と海外を繋げる駆け橋になる鍵だと思っています」
自身の目標についても語る3Li¥enさん
もともとヒップホップを始めた理由も、ボカロチックな要素を取り入れたハイパートラップをつくりたいという初期衝動からだった。当時は新しすぎるジャンルゆえに周囲から理解されないこともあったが、彼女は自分の好きを貫き続けてきた。
どん底からの挽回:ハイエナジーを食らった言葉
今の明るいキャラクターからは想像もつかないが、10代の頃の3Li¥enさんは荒れた生活を送っていた。家族の問題、暴力的な環境、キャバクラで働いていた時期もあった。
そんな彼女を180度変えたのが、かつて大阪で出会った元カレだった。 「人は動けば変わんで」 「結局死ぬのに、あんた何も成し遂げんくてええの?」
元カレからの言葉
哲学を学んでいた彼からの理詰めとも言える言葉に、彼女は衝撃を受ける。「ハイエナジー食らったわ」と感じた彼女は、キャバクラを辞め、夜遊びを控え、自分自身と向き合う時間をつくった。浮気が発覚して別れることにはなったが、今の彼女は「別れてくれてありがとう、全てに意味がある」と笑顔で言い切る。
「チーム友達」での覚醒とラップスタア誕生での躍進
転機は突然訪れた。日本語ラップを一度もつくったことがなかった彼女のもとに、千葉雄喜さんの「チーム友達」のGALSリミックスへの参加依頼が舞い込む。
必死でリリックを書き上げ、トップバッターとして出演し、彼女は自分の天職を確信する。
その後、「ラップスタア誕生」への出演を経て、彼女の知名度は爆発した。ゴリゴリのヒップホップと、可愛らしいハイパートラップ。その両極端なスタイルに戸惑うファンの声も、彼女は今の幸せの一部として受け止めている。
「人間、一人では生きていかれへんし、迷惑かけてなんぼ。人は何歳からでも変われるんだぞっていうのを、ヒップホップを通して伝えていきたい」
負の言葉を使わず、誰かの背中を押す応援団でありたい。ハイエナジーの源泉は、どん底を知る彼女だからこそ辿り着いた、徹底したポジティブの哲学だった。
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント