KAMISTUBAKI STUDIO所属の音楽ユニット・Empty old Cityが、2ndフルアルバム『Strings in Owl』を4月22日(水)にリリースした。
5月8日(金)には、グループ史上最大規模となるSpotify O-EAST(東京・渋谷)での2ndワンマンライブの開催も控えている。
“より深化したEmpty old Cityの現在地”と銘打たれた本アルバムのリリースに際し、今回Empty old Cityへの3度目となるインタビューが実現した。
Empty old City:コンポーザー/プロデューサーのNeuron(ニューロン)さんとVoのkahoca(カホカ)さんによる音楽ユニット。まるで物語のようなストーリーと儚く美しい幻想的なメロディーと濃密なエレクトロ・サウンドとクロスオーバーする独自の世界感を持つ
楽曲を通し、強固な物語や世界観を紡ぐNeuronさん(コンポーザー/プロデューサー)とストーリーテラーの役割を担うkahocaさん(ボーカル)。
約5年半に渡る活動の中で、2人が徹底的にこだわり抜いてきた“Empty old Cityらしさ”とは何なのか。「2ndアルバムは自由に制作した」からこそ浮き彫りになった、彼らの美学に迫る。
目次
取材・文:草野虹 編集:都築陵佑、米村智水
“Empty old Cityらしさ”とは、強固な世界観と余白
──今回の『Strings in Owl』は、2025年3月にリリースされた前作『Blood in the Void』に続く2ndアルバムとなります。ご自身の中では、1stアルバムはどのように振り返られますか?
Empty old Cityの1stアルバム『Blood in the Void』/画像はKAMITSUBAKI STUDIOより
Neuron 前回のアルバムは、はじめてフルアルバムを制作することになったので、かなり意気込んでつくった作品なんです。
それまで発表してきたシングル曲は「こういう曲がEmpty old Cityらしい」といったことを考えながら制作していました。対して『Blood in the Void』の収録曲については「Empty old Cityはこういうこともやるんだ」みたいなのが立ち上がってくれればいいと思っていたんです。
そういった流れで言うと、今回のアルバム『Strings in Owl』は、「幅が広がったら広がったでいいし、統一感があればそれもよし」というスタンスで取り組みました。自由につくらせてもらったな、と。
kahoca これまでの作品は、自分の中で「Empty old Cityっぽくしなきゃ」っていう意識がずっとあったんです。
だけど、今回の『Strings in Owl』は、自分の中でいい意味でそこがちょっと薄れて。自分が表現したいものに純粋に向き合うことができるようになりましたね。
──過去のインタビューでも、お二人が“Empty old Cityらしさ”を重視されている点が印象的でした。改めて「Empty old Cityっぽさ」とは何かを言語化してもらえないでしょうか?
Neuron 強いて何か言葉を付けるのであれば、緻密に計算された強固な世界観、とかですかね。
kahoca 私は、Neuronがつくった楽曲の物語や世界観を伝える役割を担っているので、やっぱり余白を残すことですかね。歌を録るときに感情を入れすぎない、自我を出しすぎないことを一番大事にしてきました。
kahoca(カホカ):Empty old Cityのボーカル。ソロとしては、KAMITSUBAKI STUDIO とKazuhide Okaさんがタッグ組んだインディーゲームと音楽のプロジェクト「ANMC」や「アウトライン・シーサイド」などに参加。また、最新作「ガールズメイドプディング」主題歌にも参加。
kahoca それ故に、自我やアイデンティティを問うてしまうというか──「本当に私が歌う必要あるのかな」みたいに卑屈になっちゃったりすることもあって。
でも、今回『Strings in Owl』の制作を通じて、「割と自由に歌っても、Empty old Cityの枠組みから外れすぎることはないんだな」って思えました。自分が歌えばEmpty old Cityになる、という自信に繋がる作品になった気がします。
──なるほど。制作時の心境やスタンスについて、詳しく教えていただけないでしょうか。
Neuron 今回の制作は、本当に「自分たちの好きなものをつくっていく」という姿勢を貫いていました。
自分たちがいち作品を最高のものにするために、いろいろ考えてアプローチをしていく──そういう意味で好きなようにやっているつもりだったんです。
でも、今回のアルバム収録曲を振り返ってみたとき、自分たちで自由にやってるつもりでも、“見えない縛り”を課してやっていたんだという気づきがありました。
結果的に、同じ人間たちがつくった作品なのだから、僕らの掲げている美学から外に出ることはない、という答えにたどり着いたんです。
──そのラインは、今後超えていきたいところなんでしょうか?
Neuron 今のところは、その縛りを意識的に超えなくてもいいと思っています。
日々「こんな音楽が好き」「こういうアートが好き」といったものがアップデートされると、自然にその自分たちの感性……縛りの領域もちょっとずつ変わっていくはずなので。
Neuron(ニューロン):Empty old Cityのコンポーザー/プロデューサー。ユニットとしての活動に加え、外部アーティストへの楽曲提供も行う。花譜さんへ「アポカリプスより」「ホワイトブーケ」「黄金の木」、明透さんへ「illumina」、Albemuthへ「Replica」を提供。
Neuron これまでも、“Empty old Cityらしさ”みたいなのを貫こうとしても、だいたい4割くらいは毎回違うエッセンスが混ざっていたんです。そういう風に、ちょっとずつ自分たちのスタイルが移ろいでいくのが理想だと思っています。
──そういったスタンスも、Empty old Cityというユニットの核になってるのでしょうか。
Neuron だと思いますね。
この記事どう思う?
関連リンク


0件のコメント