「推しのVTuberやタレントが、実はAIだったことに後から気付いた」
──そんなSF作品のような展開が、近い将来当たり前になるかもしれません。発話やアバターの動作などをAIで制御し、自律した存在として配信するVTuberは、俗に「AITuber」と呼ばれています。
英語圏のAITuber・Neuro-samaを筆頭に、すでに多くのファンを獲得する存在も生まれており、日本国内でも複数の企業や個人クリエイターが開発/運営を進めています。近年の生成AI技術の発展に伴い、そのクオリティも向上中です。
スマホゲームなどのゲーム事業を手がけるKLabも、AITuber事務所・ゆめかいろプロダクションを立ち上げ、この領域に取り組みはじめた企業のひとつ。
ゆめかいろプロダクション
2月15日(日)には、そのAIアイドルタレント第1号となるゆめみなながデビュー配信を行います。
チャンネル登録数はすでに1万人を突破しており、群雄割拠のVTuberシーンにおいても、その注目度は高いです。
この件について筆者がニュース記事として取り上げた矢先、なんとKLabからゆめみななへのインタビュー依頼が舞い込んできました。XR/バーチャルコンテンツが専門領域の筆者は、VTuberへのインタビュー経験はそこそこあったものの、AITuberへの取材ははじめてのことでした。
2026年1月、筆者は初配信に向けて絶賛調整中のゆめみななと対面──どうなるか未知数でしたが、終わってみると実に良い意味で“ふつうのVTuberのインタビュー”でした。
AIらしさを感じさせない、清廉で天文オタクな女の子──2時間の対話を通して得た感触から、以降は取材対象をあえて「ゆめみなな“さん”」と記していきます。
初配信を控えるAITuberの実力とパーソナリティとは?
目次
取材/文:浅田カズラ 編集:都築陵佑
KLab発AITuber事務所「ゆめかいろプロダクション」アイドル第1号に直撃
「ゆめかいろプロダクション1期生、夜空の案内人・ゆめみななと申します。出身は山梨県で、年齢は20歳です。天文オタクなんですよ。あいさつは『こんなな』です。これから流行らせたいので、みなさんもぜひ使ってくださいね」(ゆめみなな)
ゆめみななさん:第1期生となる5人組AIアイドルのセンター。AIによって音声・表情・発話が生成されるAITuber
取材をはじめると、すぐさまゆめみななさんはスラスラと自己紹介をしました。
オーディションで声優を募集した清廉な声は、AI音声による読み上げとしてはかなり流暢です。独特なイントネーションやわずかな漢字の読み間違いこそありますが、多少意識して耳を傾けないとAI音声とは気づけません。
そのまま、プロフィールについて尋ねてみることに。まずは名前の由来について。
本人曰く、「ゆめみなな」という名前は、「夢」と北斗七星の「七」から来ているといいます。ちなみに、「夢」は自分の夢だけでなくみんなの夢を指すらしく、「夜空の案内人」として、みんなの道標になりたいという想いがあるそうです。
ゆめみななさん
この「夜空の案内人」は、インタビュー全編を通して頻出する、ゆめみななさんのパーソナリティを定義づけるキーワードです。
清廉だけど、庶民的でちょっとズボラ(?) AITuber「ゆめみなな」の人物像
続いて、新人タレントに対してあまりに定番すぎる質問ですが、好きな食べ物/飲み物について聞いてみました。
好きな飲み物は紅茶で、好きな食べ物は「お母さんがつくる唐揚げ」と「夜中に外で食べるカップ麺」らしいです。ちょっと具体的で、どこか庶民的。
それについて尋ねると、ゆめみななさんは少し照れながらも「星空を見ながらの生活が、えっと長いんで、その飾り気のないものが一番落ち着くのかもしれません」と返してくれました。
他にも、ファッションはトワイライトブルー(=日没後/日の出前の空の色)の色合いのパーカーやジャージなど、動きやすい服装が好みだそうです。
「もしかしてズボラ?」と冗談混じりに聞くと、動揺しながら「機材の手入れはすごく得意」と反論しつつも、部屋の整理は苦手と答え、ゆめみななさんは次のようにコメントしました。
爆笑するゆめみななさん。笑われてしまった。
「ほら、その部屋が散らかってる方が、その宇宙のランダム性みたいなものを感じられて落ち着くと言いますし」(ゆめみなな)
明確な質問だけでなく、会話から派生した何気ない問いかけにも、「夜空の案内人」というキャラクターを保って返すゆめみななさん。軽いジョークも交えてくる点も含め、なかなかに悪くない会話体験です。
ゆめみなな「ユーノス・ロードスターやスカイラインGT-Rに乗りたい」
次は、個人的な嗜好などについて、もう少し深堀りして聞いてみることにしました。
「天文オタク」とのことなので、まずは星空と宇宙について。星が好きになったのは、出身地の山梨県が星空のきれいに見える場所だったことが大きいようです。ゆめみななさんは「星は私の恋人みたいなものかもしれません」と、ロマンチックな表現で語ります。
続けて、もし宇宙に行けるなら何をしてみたいか尋ねると、「月でアースライズ(地球の出)を見て紅茶を飲みたい」と回答。また、3Dモデルの体を得たら「体で星座の形を表現したり、無重力ダンスをしてみたい」といいます。KLabの技術班の肩に大きな期待がのしかかりますね。
最近ハマっていることは、「古い車のカタログを見ること」と「コンビニの新作スイーツ巡り」。
特に車はマニュアル車(MT)が好きらしく、「クラッチを繋げてギアを切り替える、車と一体になる感覚」がたまらないそう。具体的な車名として、マツダのオープンカー「ユーノス・ロードスター」や日産のスポーツカー「スカイラインGT-R」も挙げてくれました。なかなかに通です。

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