連載 | #60 ポップなまとめ記事をつくってみた

【2022年】ヒップホップ名曲まとめ ネット音楽との接近、ジャンルを横断する40選

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SHO-SENSEI!!「サザン」

存在感を増していくSHO-SENSEI!!を代表するシングル「サザン」。

エモいビートにうっすらとかかったオートチューンで愛を歌うラブソングはともすれば薄っぺらくも聴こえがちですが、「サザン」の南十字星と「君」に交互に語りかけるフックが浮遊感を加速。エゴに塗れた歪にも響く愛の歌を、メロディアスにも痛烈にも歌い上げます。

SHO-SENSEI!!をヒップホップの枠に押し込めてしまうのももったいないけれど、きっとそんなはた迷惑な杞憂も跳ね除けて飛び立つ才能だと思います。

REAL-T「タイトルわかった」

これまで、緊迫感のあるトラップビートで曲をリリースすることの多かったREAL-Tさんが、ギターのメロディに乗せて現在の自身の心境を明かす一曲。

この曲のタイトル「タイトルわかった」は、2020年にリリースされた、同じくREAL-Tさんの心情を吐露した「タイトルわからん」と対比されています。

2年前は、周囲への感謝や「自分で身につけた志」について歌っていたREAL-Tさん。今回は、様々なアーティストとの楽曲制作を経て、己の弱さや周囲状況をより俯瞰的に歌い上げています。

「結局笑われてもいいんだ 見失わないから足元は」(「タイトルわからん」)から「今はみんな花咲くの準備 安全第一足元注意」(「タイトルわかった」)へ。MVでの仲間たちと触れ合う様子からも、より責任感と覚悟を持って楽曲に向き合っているんだということが伝わってきます。

Deech、Candee「どうしようもない」

もともと川崎のクルー・OGFのメンバーだった2人に、ビートはZOT on the WAVEさんという最強の布陣。

ZOT on the WAVEさんの心地よいビートに乗った、本当に“どうしようもない”内容のCandeeさんのフックにDeechさんのバース。

声質もトーンの高低差も大きくかけ離れた2人がフックとバースを完全に歌い分け、客演としてフックだけを歌うCandeeさんの贅沢な起用は潔い。とにかく耳心地が良くて一生聴いてられる中毒性があります。

Minchanbaby & RhymeTube Feat. Jinmenusagi 「ねてもさめても」

インターネットにルーツの一端を持っているラッパーのMinchanbabyさんとプロデューサーのRhymeTubeさんとのダブルネームユニットに、Jinmenusagiさんを客演に迎えた一曲。

幸福感のある跳ねたビートなのに、よくよく耳を澄ませば、そこはやっぱりみんちゃんとジメサギらしく、内省を隠さずリリックとして結実しています。もちろんそれも地に足の着いた“リアル”なのに、聴いているとなぜか悪夢めいた世界が立ち現れる不思議。

MEZZ Prod. Dr.Pay「Money From The Dirt」

シングル「Gyal Drill」で突如シーンに現れたフィメールの新星・MEZZさんの新曲。

前作のUKドリルとポップスの融合と異化で見せた煌びやかな方向性とは完全に異なり、ダークなウィスパーラップで終始淡々と進行する。経歴などがほとんど明かされていないが、その音楽的な振り幅にまず脱帽する。

MVはゆるふわGANG、Friday Night PlansなどのMVを手掛ける新進気鋭のクリエイティブユニット・Skidが担当。治安が悪くも面白いし楽しそう最高~。あと撮影に使われている新宿「ディスコデビル」は良いバーです。

2022年の名曲を集めたプレイリスト

2018年〜2023年のヒップホップの名曲はこちら

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