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「早川書房 秋のKindleビッグセール」が、12月1日(金)まで開催されています。
この記事ではセールの対象から国内作家によるおすすめの作品をピックアップ。購入の参考にどうぞ活用ください。海外作家編はこちら。
世界中で横行する虐殺を止めるため奔走する主人公の軍人が、虐殺器官を利用して世界を暗転させんとする謎の人物を追っていくストーリー。そのなかで主人公の価値観が徐々に変質していく……。
アルコール等は忌避され、人類の大半が公共のため生きる世界に息苦しさを覚えた3人の少女が起こす事件。そして最悪のテロ──ユートピアの臨界点を大胆に構想した傑作です。『虐殺器官』の精神的後継作でもあるため、併せてどうぞ。
修学旅行中の学生たちを襲った未知の現象と、意表を突くアイデアでグイグイと読ませる「ひかりより速く、ゆるやかに」は読後感が最高。
伊藤計劃さんによる『ハーモニー』へのトリビュートとして秀逸な「美亜羽へ贈る拳銃」は、かの傑作を再読に向かわせる誘引力があります。SFって楽しいなと思わせる、近年を代表するSF短編集です。必読。
表題作は、故人の姿を精巧に再現する技術が発展した近未来。その技術力を買われた主人公が、バーチャルアイドルとして大人気だった“中の人”に、不思議な依頼を頼まれる物語です。先日『世にも奇妙な物語』でドラマ化されました。
オタク文化を奇想に次ぐ奇想で解体し、ぐっちゃぐちゃにして、何かすごいものに仕立て上げたと言いますか。「その発想はなかった!」の連続と、独特のハイテンポな文体で読ませます。グロ注意な点だけお気をつけを。
この2作はあわせて読むことで完成します。2作それぞれで少しずつ異なっていくキャラクターたちの人生は、読者によって好みが分かれるでしょう。しかしどちらの結末も知っているからこそ、見えてくるものがあるのです。
主役は『君を愛したひとりの僕へ』のキーマンになった少女。“幸せとは何か”をテーマにしており、前作では描かれなかった、あったかもしれない人生に心が温かくなります。
普通に幸せに暮らしていたら色々あって平民落ち! それはそれで平穏に暮らしていたのに、また色々あって政略結婚を迫られる……! そしてこれが序の口という主人公の数奇な人生。大河ドラマよろしく。激動の人生がテンポよく描かれます。
ある朝、目が覚めると耳からヒモが垂れていた少年。見に覚えのない弟子が次々に訪ねてくる寿司屋の大将。タイムスリップしてきた女子高生に恋してしまった武士。脈絡なく描かれるふしぎな日々。オススメです。
この世界設定だからこそのトリック、地獄の使者である天使。奇抜な設定で読者の興味を引きつつ、孤島・密室という王道のクローズドサークル。普段ミステリを読まない人にもおすすめしたい作品です。
ボーイミーツガール的逃亡劇であり、テレポート能力を駆使した異能バトルであり、宇宙の構造に踏み込むSFでもある本作。主人公と少女の小さな世界と、宇宙という大きなスケールの世界を混在させた意欲作になっています。
百合SFの旗手・宮澤伊織さんによる『そいねドリーマー』は、人々の睡眠を阻害する睡獣を夢の中で撃退し、現実では夢とは違う人生を生きる少女たちの物語です。
一般的に夢の中は何でもできるポップな世界として描かれますが、寝汗びっしょりになるホラーな夢もあるわけで。ポップな夢に一匙の恐怖を加え、そして最後は爽やかな読後感。キャラもかわいい。ぜひ!
凄惨な戦争の姿を描いた本作の舞台は、第二次大戦・独ソ戦の渦中。主人公はドイツ軍に母親を殺害された少女。復讐に燃える彼女は銃を持ち戦場に赴きます。他にない、ソ連の女性兵士に焦点を当てた物語としても注目を集めました。
上巻は、虐殺・拷問の恐怖政治で悪名を轟かせるカンボジアのポルポト政権時代をベースに、ファンタジー要素も取り入れた内容。下巻はSF色強め。激動の時代を生き、分かたれた2人の主人公の運命が交差。愛と憎しみのラストが衝撃。
「早川書房 秋のKindleビッグセール」が、12月1日(金)まで開催されています。
この記事ではセールの対象から国内作家によるおすすめの作品をピックアップ。購入の参考にどうぞ活用ください。海外作家編はこちら。
目次
伊藤計劃『虐殺器官』
セールのたびに推しています。やはり外せない伊藤計劃さんの作品。『虐殺器官』はデビュー作にしてその名を知らしめた代表作。人の中に眠る虐殺を司る器官、虐殺器官を巡る物語です。世界中で横行する虐殺を止めるため奔走する主人公の軍人が、虐殺器官を利用して世界を暗転させんとする謎の人物を追っていくストーリー。そのなかで主人公の価値観が徐々に変質していく……。
伊藤計劃『ハーモニー』
過去の世界的な大戦を反省し、超高度な福祉厚生社会を確立。病が消え、不慮の事故か老衰でしか人類が死ななくなった時代を描く『ハーモニー』。アルコール等は忌避され、人類の大半が公共のため生きる世界に息苦しさを覚えた3人の少女が起こす事件。そして最悪のテロ──ユートピアの臨界点を大胆に構想した傑作です。『虐殺器官』の精神的後継作でもあるため、併せてどうぞ。
伴名練『なめらかな世界と、その敵』
いくつもの平行世界を渡り歩く少女たちの青春を描いた表題作を含めて、全6篇を収録した短編集です。修学旅行中の学生たちを襲った未知の現象と、意表を突くアイデアでグイグイと読ませる「ひかりより速く、ゆるやかに」は読後感が最高。
伊藤計劃さんによる『ハーモニー』へのトリビュートとして秀逸な「美亜羽へ贈る拳銃」は、かの傑作を再読に向かわせる誘引力があります。SFって楽しいなと思わせる、近年を代表するSF短編集です。必読。
柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』
『走馬灯のセトリは考えておいて』は、柴田勝家さんによる全7篇を収録した短編集です。表題作は、故人の姿を精巧に再現する技術が発展した近未来。その技術力を買われた主人公が、バーチャルアイドルとして大人気だった“中の人”に、不思議な依頼を頼まれる物語です。先日『世にも奇妙な物語』でドラマ化されました。
草野原々『最後にして最初のアイドル』
それぞれアイドル、ソーシャルゲーム、声優をモチーフにした全3篇を収録した作品集『最後にして最初のアイドル』。オタク文化を奇想に次ぐ奇想で解体し、ぐっちゃぐちゃにして、何かすごいものに仕立て上げたと言いますか。「その発想はなかった!」の連続と、独特のハイテンポな文体で読ませます。グロ注意な点だけお気をつけを。
乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』
平行世界の存在が実証された世界を舞台に、異なる日常を歩んでいくキャラクターたちを描いた『僕が愛したすべての君へ』と『君を愛したひとりの僕へ』。この2作はあわせて読むことで完成します。2作それぞれで少しずつ異なっていくキャラクターたちの人生は、読者によって好みが分かれるでしょう。しかしどちらの結末も知っているからこそ、見えてくるものがあるのです。
乙野四方字『僕が君の名前を呼ぶから』
『僕が愛したすべての君へ』と『君を愛したひとりの僕へ』のスピンオフ作品『僕が君の名前を呼ぶから』もセール中。前2作とはまた異なる人生が描かれています。主役は『君を愛したひとりの僕へ』のキーマンになった少女。“幸せとは何か”をテーマにしており、前作では描かれなかった、あったかもしれない人生に心が温かくなります。
かみはら『転生令嬢と数奇な人生を』
現代の日本人女性が、異世界の王国に暮らす中流貴族の次女に転生。早川書房が誇る異世界転生ファンタジーが『転生令嬢と数奇な人生を』です。シリーズ全6巻中5巻まで半額。普通に幸せに暮らしていたら色々あって平民落ち! それはそれで平穏に暮らしていたのに、また色々あって政略結婚を迫られる……! そしてこれが序の口という主人公の数奇な人生。大河ドラマよろしく。激動の人生がテンポよく描かれます。
宮崎夏次系『と、ある日のすごくふしぎ』
漫画家・宮崎夏次系さんの短編集『と、ある日のすごくふしぎ』。とある日のすごくふしぎな出来事が、淡々と続きます。例えば。ある朝、目が覚めると耳からヒモが垂れていた少年。見に覚えのない弟子が次々に訪ねてくる寿司屋の大将。タイムスリップしてきた女子高生に恋してしまった武士。脈絡なく描かれるふしぎな日々。オススメです。
斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』
2人以上殺せば、天使によって地獄に送られるという世界で、ありえない連続殺人事件が発生する『楽園とは探偵の不在なり』。犯人はどのようにして地獄に落ちず、殺人を犯しているのか?この世界設定だからこそのトリック、地獄の使者である天使。奇抜な設定で読者の興味を引きつつ、孤島・密室という王道のクローズドサークル。普段ミステリを読まない人にもおすすめしたい作品です。
人間六度『スター・シェイカー』
人類がテレポート能力に目覚めた近未来が舞台の『スター・シェイカー』。不慮の事故がきっかけで能力を失ってしまった主人公が、麻薬密売組織から逃亡した少女と出会い、逃亡生活をともにする物語です。ボーイミーツガール的逃亡劇であり、テレポート能力を駆使した異能バトルであり、宇宙の構造に踏み込むSFでもある本作。主人公と少女の小さな世界と、宇宙という大きなスケールの世界を混在させた意欲作になっています。
宮澤伊織『そいねドリーマー』
キャッチコピーは「女子高生ふたりの添い寝が世界を救う」。百合SFの旗手・宮澤伊織さんによる『そいねドリーマー』は、人々の睡眠を阻害する睡獣を夢の中で撃退し、現実では夢とは違う人生を生きる少女たちの物語です。
一般的に夢の中は何でもできるポップな世界として描かれますが、寝汗びっしょりになるホラーな夢もあるわけで。ポップな夢に一匙の恐怖を加え、そして最後は爽やかな読後感。キャラもかわいい。ぜひ!
逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』
10月刊行の新作『歌われなかった海賊へ』(セール対象外)も話題。逢坂冬馬さんのデビュー作が『同志少女よ、敵を撃て』です。アガサ・クリスティー賞大賞と本屋大賞を受賞した作品でもあります。凄惨な戦争の姿を描いた本作の舞台は、第二次大戦・独ソ戦の渦中。主人公はドイツ軍に母親を殺害された少女。復讐に燃える彼女は銃を持ち戦場に赴きます。他にない、ソ連の女性兵士に焦点を当てた物語としても注目を集めました。
小川哲『ゲームの王国』
2022年6月刊行の『地図と拳』で直木賞を受賞した小川哲さんのSF巨編『ゲームの王国』。上下巻で時間軸とテイストをがらりと変える試みがなされています。上巻は、虐殺・拷問の恐怖政治で悪名を轟かせるカンボジアのポルポト政権時代をベースに、ファンタジー要素も取り入れた内容。下巻はSF色強め。激動の時代を生き、分かたれた2人の主人公の運命が交差。愛と憎しみのラストが衝撃。
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