アニメ的ダイナミックな描写と繊細な実写的動きが気持ちいい
『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』は、彼女たちのDIYを通じた日常が物語の本筋ではあるのだが、画面に目を凝らすと、何故かドローンが飛んでいる。加えて、くれい先輩が履いているスケーターやぷりん宅のAIコンシェルジュなど、どこか近未来なガジェットが登場するのだ。『電脳コイル』を思わせるそれらのSF的なギミックは、今のところ(第4話時点で)特に説明はなく、物語にも深く関与してこない。しかし、「これが何かに絡んでくるのではないか?」と予感させ、私たちの目を画面から離させないようにしてくるのだ。 また、せるふ宅で飼われているペットもイヌ・ネコに加えてブタがいるのも面白いポイントだろう。せるふのベッドで一緒に寝るほど仲が良いペットだが、なぜかせるふ宅でよく振る舞われるメニューは豚肉……!
それに怯えるブタの描写までが毎エピソード、天丼的な要素として描かれる。なお、ペットたちのコミカルな動きは、エンディングアニメーションでも楽しめるので必見だ。
特に第4話「DIYって、どこでも・いごこち・よくなるよ」では、その作画的魅力が炸裂。軽快なせるふとぷりん、ジョブ子の動きに加えて、余白を感じさせるレイアウトと演出が際限なく出されたかと思えば、終盤のせるふによる自転車カットが視聴者の度肝を抜いた。
絵が動く、そしてそこには何かの意図がある……。とにかく観ていて気持ちがいい。そんな素朴なアニメの楽しみ方を思い出させてくれる作品が、『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』なのだ。
連載
毎クールごとに膨大な量が放送されるアニメ。漫画やライトノベルを原作としたもの、もしくは原作なしのオリジナルと、そこには新たな作品・表現との出会いが待っている。 連載「アニメーションズ・ブリッジ」では、数々の作品の中から、アニメライター兼ライトノベルライターである筆者が、アニメ・ラノベ etc.を橋渡しする作品をピックアップ。 「このアニメが好きならこの原作も」、そして「こんな面白い新作もある」と、1つの作品をきっかけにまだ見ぬ名作への架け橋をつくり出していく。
2件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:6304)
オモコロばりの急な話の方向転換にステマを疑いたくなりますねこりゃ
匿名ハッコウくん(ID:6194)
? で、視聴者の度肝を抜いた自転車カットって?