連載 | #48 ポップなまとめ記事をつくってみた

ホロライブ、オリジナル楽曲レビュー 星街すいせい、角巻わため、森カリオペら31選

白銀ノエル「ほめのび」

銀髪でおっとりとした外見、配信でも緩いトークで魅了する白銀ノエルさん。

お世辞にも彼女の歌は上手いとは言えない。だが、彼女のオリジナル曲「ほめのび」で描かれる暖かで優しいメッセージは、白銀ノエルさんの本心という意味合いを超え、バーチャルタレントを含めた配信者の本音を歌ったかのようでもある。

大空スバルさんが雑談配信中に「『ほめのび』を聞いて泣いた」と告白したのも頷ける。心を支える歌なのだ。

常闇トワ「Palette」

鍵盤の音色から入り、厚みあるギターや美しいストリングスが加わっていくドラマティックなスローナンバー「Palette」。それをホロライブではほとんどいない、低音域の太めな声質を活かしてパワフルに歌い上げていく4期生・常闇トワさん。

80年代のハードロックバンドが生み出してきたパワーバラードの系譜が、日本の邦楽ロック史やアニソンなどを通過し、こういった形で表現されているのは感慨深いところだ。

その歌声とサウンドは海外にも通用し、日本のプロゲーミングチーム・SCARZ EUに所属するクロアチア出身のFPSプレイヤー・rprさんが配信中に流していたことも。

獅白ぼたん「Lioness’ Pride」

パソコン知識などに長けており、ホロライブ内の学力テストも高得点をマーク、5期生のまとめ役であり、FPSゲームのガチ勢として人気を集める獅白ぼたんさん。

彼女のソロ曲「Lioness’ Pride」を制作したのはKONAMIが制作する音ゲーにも多くの楽曲を提供してきたトラックメイカー・かめりあさん。彼らしいEDMのハードなサウンドに落ち着いた感触の獅白さんのボーカルが乗る。

行き過ぎたコメントや意見などをしっかりと聞き受け、バシっと返答することも多い彼女。「ぐうたらした性格のホワイトライオン」とは公式での説明だが、フレーバーテキストとは反する彼女が持つ芯の強さやカッコよさを、この曲はさらに引き立ててくれる。

尾丸ポルカ「エヴァーブルー」

遠くに聞こえるサーカスの音が一気に崩れていき、次の瞬間には暗くなった渋谷の街中やマンションの中に尾丸ポルカさんがたたずむ。海外で人気を博すポエトリーラッパーの春ねむりさんによる「エヴァーブルー」は、彼女自身やホロライブのイメージ/アイドルという志向性からは真逆をいくように、孤独や寂しさを抱えた自意識をポツポツと歌っていく。

喜怒哀楽の起伏が激しくテンションの乱高下でリスナーやメンバーをも驚かせてくれるエンターテイナーであり、いつもは笑顔をふりまいている彼女が、真顔でこちらを見つめているのみというMVも含め、シリアスさに訴えていくのもまた彼女の一面を教えてくれるようでもある。

桃鈴ねね「Lunch with me」

「オーディションは4回落ちた。でも何度でも書類を送った。簡単に諦めちゃダメあるよ」と語ったように、精神力の強さならば先輩にも負けないであろう桃鈴ねねさん。

2ndシングル「Lunch with me」の作詞・作曲をつとめたのはヒゲドライバーさん。彼がチップチューンの名手ということもあり、アップテンポな電子音たっぷりの楽曲を想像してしまいがちだが、耳にも優しい音色に溢れたミドルテンポのテクノポップに仕上がっている。平日12時より昼食を取りながら雑談をしている不定期な配信枠があり、そちらをイメージした楽曲に仕上がっている。

Moona Hoshinova(ムーナ・ホシノヴァ)「愛の小さな歌」

HololiveID(ホロライブインドネシア)の1期生としてデビューし、YouTubeチャンネル登録者数100万人まで目前に迫っているMoona Hoshinova(ムーナ・ホシノヴァ)さん。インドネシア語と英語を操り、日本語も目下習得中。普段は落ち着いた物腰かつ内気な性格ながら、ID・EN・JPと他言語・他国のメンバーともよく絡み、特に兎田ぺこらさんとの仲の良さは特筆すべきところだ。

彼女のオリジナル曲「愛の小さな歌」はバラードナンバー。ピアノの伴奏とうっすらと被さるストリングスに伸びやかなボーカル。あまりにドストレートすぎてどこかのアニメ作品でEDテーマに起用されるのか? と勘違いしそうになる。

勉強中の日本語で歌うこともあり、スローかつ言葉数を少なめにしようという意図があるのだろうか。邦楽にトライする勇気だけでも素晴らしい。

Pavolia Reine(ヴォリア・レイネ)「Gate Open: START!」

Moonaさんから8ヶ月後の2020年12月6日にデビューしたHololiveIDの2期生・Pavolia Reine(ヴォリア・レイネ)さん。先日にはNIJISANJI IDのSiska Leontyneさんと事務所の壁を越え共に配信するなど、彼女もまたコラボによってファンを増やしている最中にある。

ここでチョイスした「Gate Open: START!」はデビュー配信時で流されたオリジナル楽曲で、作曲はFarhan Sarasinさん、作詞は2人よる共作。鍵盤が跳ねるクラブミュージック風味のポップスに仕上がっている。2021年9月9日にはフルバージョンをリリース。インドネシア語・日本語の2バージョンあるが、後者を聴くともはや日本人と遜色がないレベルで驚かされる。

Ninomae Ina'nis(にのまえ いなにす)「VIOLET」

ホロライブEN(ホロライブイングリッシュ)のメンバー・Ninomae Ina'nisさん。漢字読みでは一伊那尓栖(にのまえいなにす)。ホロライブでも指折りの画力を持ち、自身の配信用だけではなく他メンバーにも絵を提供するなど、心優しい彼女の一面が感じられる。

VIOLET」は、彼女のウィスパーな声にエコーをかけて独特な響きをもたせながら、柔らかな鍵盤、細かいグリッジビート、高揚感のあるストリングス、水音も加わったエレクトロニカ寄りなサウンドに仕上がり、グっとドラマティックなオリジナル曲になった。コンポーザーはseibinさんだ。

Takanashi Kiara(小鳥遊キアラ)「HINOTORI」

ホロライブENの初期メンバーで一番の盛り上げ役といえば、小鳥遊キアラさんと言ってもいいだろう。初配信時から兎田ぺこらさんの大ファンだと告白し、彼女以外との関わりでもハイテンションなやり取りで面白くしていくのが彼女の魅力。そんな彼女の全身を見てみると、手には玩具めいた剣と盾、腰には使用禁止と書かれた変身ベルトが。

それも影響してか、2020年11月にリリースされた「HINOTORI」は往年の特撮・ヒーローものに寄せたような1曲となった。「東方Project」アレンジなどで活躍する同人音楽サークル・SYNC.ART'Sにより制作されたこの曲は、絶妙にチープな音色のシンセリードやギターサウンドすらも、特撮系ソングのオマージュに思えてしまう面白さがある。

Gawr Gura(がうる・ぐら)「REFLECT」

海外でVTuberはまだまだ「シーン」と呼べるほどにメンバーが揃っているわけではない。それが故にGawr Guraがうる・ぐら)さんの大ブレイクは大事件だった。バーチャルタレントとしては前人未到のYouTube登録者数300万人を突破、まさに歴史をつくった張本人だ。

そんな彼女のソロ曲「REFLECT」はFarhan Sarasinさんが手掛け、彼女がアトランティスの末裔であることから「ギリシャを感じさせる電子音楽」をイメージして制作したという。映画『ジョーズ』テーマ曲の有名なフレーズをオマージュするなど遊び心も入れつつ、エレクトロ/トラップ系のサウンドメイクで彼女の世界観を音楽で構築した。未開の海域を進み、数多くの大きな荒波に揉まれながら、彼女はどこまで泳ぎつづけるだろうか。

IRyS(アイリス)「HERE COMES HOPE」

ホロライブEN内の「Project:HOPE」に所属しているIRyS(アイリス)さん。2021年7月11日にデビューしたが、当初にはあまりに流暢かつ早口な日本語を喋るので、本当に英語圏の人なのか? と疑われそうになったほど。

翌日にはEP『||:Caesura of Despair』をリリース。BuzzGさんや森本貴大さんが参加した同EPにおいて、「HERE COMES HOPE」の作曲はTom-H@ckさん、作詞にはhotaruさんと音楽ユニット・MYTH & ROIDのメンバーでの制作。

ロック×エレクトロのサウンドメイクはまさにMYTH & ROID印の攻撃的なサウンドで、デビュー間もないIRySさんのボーカルがクールにハマる。ENの先輩・Mori Calliopeさんのように多くの音源を発表していくのか、活動に注目したい。

hololive IDOL PROJECT「BLUE CLAPPER (Bouquet ver.)」

2021年2月17日に開催された「hololive IDOL PROJECT 1st Live.『Bloom,』」に向けての9週連続リリース時に、1発目にリリースされたのが「BLUE CLAPPER」。「ねぽらぼ」こと雪花ラミィさん、桃鈴ねねさん、獅白ぼたんさん、尾丸ポルカさんの5期生ユニットによる楽曲としてリリースされ、hololive IDOL PROJECTとしてリリースされたアルバム『Bouquet』にも収録された。

フロアをブチアゲるようなキック&ベースが効いたシンセサウンドの中で、海と空の向こう側へ、そして未来へと先を見据えた希望に満ち溢れた歌詞を歌い上げていく。初期を支えた「Shiny Smily Story」に次いで、理想や未来に向けて突き進もうと強烈にアジテートしていく名曲になっていくだろう。

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2件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:10319)

マイネームイズエリートもないからやり直し

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:4973)

さくらみこの「サクラカゼ」がないのでやり直し