連載 | #44 KAI-YOU SALE & REVIEW

『ザリガニの鳴くところ』『デューン』等ハヤカワ50%OFFセール 海外名作SF19選

『ザリガニの鳴くところ』『デューン』等ハヤカワ50%OFFセール 海外名作SF19選
『ザリガニの鳴くところ』『デューン』等ハヤカワ50%OFFセール 海外名作SF19選
Kindleストアで12月29日(木)まで、早川書房の書籍1600点を対象にした、50%オフの大型セールが開催中です。

この記事では、映画も公開中の『ザリガニの鳴くところ』、初のセールとなった話題作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』、映像化も活発な『三体』など、海外の作家によるオススメ作品をご紹介。

なお、初のセールとなった『同志少女よ、敵を撃て』など、国内の作家によるオススメ24作品も紹介しています。

目次

『ザリガニの鳴くところ』

11月18日から日本でも実写映画が公開されている『ザリガニの鳴くところ』は、世界で累計1500万部以上が刊行された大ヒットミステリー。

ノースカロライナ州のとある湿地帯で孤独に過ごす少女と、彼女が容疑者となる変死事件の顛末が描かれています。予想だにしない展開と、読み進めるごとに明らかになっていくタイトルの意味。必見です。

『アルジャーノンに花束を〔新版〕』

知的障害を持つ心優しい青年が、IQ185の知能を手に入れ新たな人生を歩むも、同時に知りたくなかった事実を知っていき、孤独を抱えるようになってしまう本作。

幼児並みの知能しかない主人公の心情が、物語が進む──IQ185を手に入れて自分を取り巻く世界を認識していく──ことによって変化する文体の仕掛けも見事。名作中の名作です。

『わたしたちが光の速さで進めないなら』

タイトルが印象的な本作は、柔らかな感性で描かれた、読後感爽やかな短編が集められた韓国発のSF作品集です。

各編の登場人物や舞台背景から透けて見える、現実の差別やマイノリティへの無理解に対する問題提起も特徴的。SFではありますが、一貫して人間と社会の関わりを描いており、著者の深い洞察がうかがえます。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

映画『オデッセイ』の原作者による『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。なぜか宇宙船に1人だけという状態で目覚め、記憶も定かではない主人公が、極限下で地球を救うためのミッションに挑むSFエンタメです。

なるべく前情報なしで読むことをオススメしたい1作ですが、映画『オデッセイ』の原作『火星の人』(セール中は上下巻で700円!)と併せて読むとさらに楽しめます。

『三体』

著者の劉慈欣さんは、本作『三体』でSF界の名誉・ヒューゴー賞の長篇部門をアジア人で初受賞。広大な宇宙の神秘と娯楽性を両立させた傑作です。

異星人を探すためにつくられた極秘の基地からはじまる壮大な物語が世界中で大ヒット。Netflix版の実写ドラマが2023年に配信されることも決定。完結後もプロジェクトが動き続けています。

『円 劉慈欣短篇集』

『三体』の著者・劉慈欣さんによる短編集がこちら。『三体』3部作で炸裂していた自由自在の想像力が、それぞれの短編でも光っています。

星雲賞受賞作の「円」やデビュー短篇の「鯨歌」のほか、シャボン玉が好きな少女の軌跡を描いた「円円のシャボン玉」など、『三体』のような硬派な物語からテンポの良い快作まで13編を収録。

『幼年期の終り』

人類と異星人とのファースト・コンタクトを描いた、20世紀を代表する名作中の名作『幼年期の終り』は、巨匠アーサー・C・クラークさんの代表作です。

突如現れた巨大な宇宙船団。その超常的な力に慄く人類が、異星人との緩やかな交流を経て知る彼らの秘密、その後の歩み。圧倒的な存在を前にした人々が取る数々の選択が、結末のカタルシスに結実します。

『一九八四年』

全体主義的な近未来のディストピアをテーマにし、今も昔も多くの文学や音楽に影響を与え続けている『一九八四年』は、言わずとしれた近代文学の傑作。

現状の監視社会と独裁に疑問を持つ主人公が、反政府組織に参加して活動するなかで抱く葛藤や疑問は、現実の歴史や社会のそれと不気味なほどに似通っているのです。

『華氏451度』

書物の大半が禁書扱いになり、次々と燃やされていく世界が舞台の『華氏451度』。受け手がコントロールできないメディア、TVやラジオばかりが氾濫する世界に起きる歪みを描いています。

作中で本を燃やす仕事に従事する主人公が、目の前で灰となっていく本に意識を向けることで動き出す物語はスリリングかつ示唆的。情報社会に慣らされている読者の意表を突く鋭い筆致にはドキッとさせられます。

『スノウ・クラッシュ』

昨今のバズワード「メタバース」を最初に使ったことで知られる本作は、1992年に刊行されたSF作品。いま着々と築かれるメタバースの可能性、変わりゆく国家のあり方を早くから予見していました。

主人公は、凄腕のハッカーでピザの配達人と少しユニークな設定。オンライン上にある仮想世界が成立した未来のアメリカを舞台に、スノウ・クラッシュと呼ばれる謎のドラッグを巡る陰謀が世界を揺るがします。

「氷と炎の歌」シリーズ

「氷と炎の歌」シリーズは、圧巻の映像美で世界を驚かせたドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作。世界の中心を司る鉄の玉座を巡る凄惨な争いが描かれています。

今回は物語のはじまりとなる『七王国の玉座』がセール中。国家間の複雑な背景と思惑入り乱れる登場人物たちのドラマ、そして異形の怪物と、様々なストーリーが群像劇で描かれています。

『ウィッチャー』

言わずとしれた人気ゲーム「ウィッチャー」シリーズの原作として名高い本作。ポーランドから世界に広まった、ファンタジー作品のベストセラーです。

諸国を旅して異形のモンスターを退治するウィッチャーが、大陸の各国を巻き込む戦乱のなかで活躍する様が壮大なスケールで描かれています。

『デューン 砂の惑星』〔新訳版〕

2021年公開の映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の原作。フランク・ハーバートさんによる壮大な物語にしてSFの古典です。

過酷な環境にある砂の惑星・アラキス。そこでのみ生産される神秘のスパイスを巡る各種族の宇宙規模の競争と、そこに深く関わってくる巨大生物・砂虫など、ハードSFらしいつくり込まれた世界観が凄まじい。

『ジュラシック・パーク』

スティーブン・スピルバーグ監督による実写映画化で、世界的な知名度を得たエンタメ大作『ジュラシック・パーク』。その原作となる小説です。

上巻で伏線を張り嵐の前の静けさを演出。下巻で伏線を回収しつつ、恐竜たちが引き起こすパニックをこれでもかと描く構成になっています。

『夏への扉』〔新版〕

傑作猫SF『夏への扉』は、海外SF入門としてもオススメ。主人公のダンと猫のピートが織りなすロマン溢れる物語は、他のSF作品にはない軽やかさが魅力の一つ。猫好きは迷わず読むべし。

幸せの絶頂から不幸への転落。失意の底にあった主人公が、失ったものを取り戻すためタイムトラベルに挑むという王道のストーリーです。タイムトラベルものを確立した古典的名作をぜひ。

『あなたの人生の物語』

本作は、映画『メッセージ』の原作となった表題作「あなたの人生の物語」を含む8編を収録した短編集です。

アメリカ出身のSF作家であるテッド・チャンさんの名を知らしめた短編集でもあり、読めばどれもハードSFの秀作。読み応え抜群です。

『息吹』

『息吹』は、テッド・チャンさんによる作品集です。発売当時は『あなたの人生の物語』から17年ぶりの新作ということもあり、まさに待望の刊行でした。

未来のAI、タイムトラベル、パラレルワールド、自由意志への洞察など、テーマがはっきりと別れており、特に表題作「息吹」は圧巻です。

『母なる夜』

第二次世界大戦中、ナチスの職員とアメリカのスパイという2つの顔を併せ持った主人公が、背反する立場に後年苦悩する『母なる夜』。

一方では戦争犯罪者として多方面から恨まれ、もう一方では勝利に貢献したスパイ。異なる自己に引き裂かれる人間の悲哀、逃れられない悲劇を通して生き方を問うてくる読後の余韻が秀逸です。

『スローターハウス5』

アメリカ文学界の鬼才カート・ヴォネガットさんによるタイムトラベル作品『スローターハウス5』。

時に未知との遭遇を果たし、結婚し、捕虜になり……様々な時間軸を旅する主人公の奇妙な体験が無作為に描かれるなかで、哲学的な問いが徐々に浮かび上がってきます。
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