「早川書房 夏のKindle超ビッグセール」が、7月14日(月)までKindleストアで開催されています。
セールの対象作品はなんと3000点以上、最大で50%オフ! SFからノンフィンクション、新書まで幅広いジャンルの電子書籍がお買い求めやすくなっています。
この記事では対象作品の中から12作品をピックアップしました。簡単な紹介と共に掲載しているので、購入の参考にご活用ください。
目次
廣田龍平『ネット怪談の民俗学』
『ネット怪談の民俗学』書影/画像はAmazonより
空前のホラーブームである現在。まずはきさらぎ駅、くねくね、リミナルスペースなどのネット怪談を紐解く新書『ネット怪談の民俗学』をご紹介します。
背筋さんによるホラー小説『近畿地方のある場所について』の実写映画版の公開が8月に控えるなど、2025年の夏もホラーが見逃せません。
そんなホラーの盛り上がりを捉え直す意味でもぜひ手元に置いておきたい1冊です。
劉慈欣「三体」シリーズ
『三体』第1刊書影/画像はAmazonより
SF文学の最高峰であるヒューゴー賞の長編部門を受賞した劉慈欣(リュウ・ジキン)さんのSF小説「三体」シリーズ。
2023年10月にテンセント、2024年3月にはNetflixによって実写ドラマが配信され、アニメ化の動きも報じられるなどまだまだ盛り上がりそうな本作。この機会にぜひ。
ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』
『アルジャーノンに花束を』書影/画像はAmazonより
32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼が手術により天才に変貌し、愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実に触れる。
最近では声優・池澤春菜さんが読み上げる「Audible」版も話題になった本作、まずはKindle版でその描写に触れてみてください。
ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』
『ニューロマンサー』書影/画像はAmazonより
ウィリアム・ギブスンさんの『ニューロマンサー』も新装版の発売前にセールに登場。
電脳空間に名付けられた「マトリックス」という呼称や、ザイバツ、ヤクザなどの用語が飛び交う日本描写などが後世のサイバーパンクに大きな影響を与えました。
なお、早川書房の文芸誌『SFマガジン』2025年8月号では、ウィリアム・ギブスンさんを特集。こちらもあわせてどうぞ。
フランク・ハーバート『デューン 砂の惑星』
『デューン 砂の惑星』書影/画像はAmazonより
惑星デューンを舞台に、壮大な宇宙戦争を描くフランク・ハーバートさんのSF小説。独特な世界観は宮崎駿さんの『風の谷のナウシカ』など後の作品にも影響を与えたと言われています。
2021年と2024年にドゥニ・ヴィルヌーヴさん監督、ティモシー・シャラメさん主演で映画化され、続編制作も報道されています。
6月13日からは、同作をモチーフにしたMMORPG『Dune: Awakening』がサービス開始。ゲームの世界観を知りたい方にもおすすめです。
アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』書影/画像はAmazonより
地球上の全生命滅亡まで30年、遠く宇宙に向けて恒星間宇宙船を放つ「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が始動。過去と現在、2つの時系列で全地球規模のプロジェクトが描かれます。
こちらは映画が2026年3月に公開予定。映像化される前に文章で余韻を楽しみましょう。
トム・スタンデージ『ヴィクトリア朝時代のインターネット』
『ヴィクトリア朝時代のインターネット』書影/画像はAmazonより
とてつもない距離を即時に越えるコミュニケーションを可能にした電信(テレグラム)の発明史と、19世紀の欧米社会に与えた影響を、現代のインターネットになぞらえながら描いた名著。
歴史と世界の見え方が変わる知的興奮が味わえます。
逢坂冬馬『歌われなかった海賊へ』
『歌われなかった海賊へ』書影/画像はAmazonより
ヴィクトリア朝から時代は下って第二次大戦を舞台にした小説をご紹介。逢坂冬馬さんがナチスドイツを描いた『歌われなかった海賊へ』です。
父を処刑されて居場所をなくした少年・ヴェルナーとエーデルヴァイス海賊団を主軸に、ナチスの支配するドイツで生き、体制に反抗した少年少女たちの姿が描かれます。
カート・ヴォネガット・ジュニア『スローターハウス5』
『スローターハウス5』書影/画像はAmazonより
同じくこちらも第二次大戦、ドイツ・ドレスデンへの爆撃が大きなテーマになっているタイムトラベル小説『スローターハウス5』。
様々な時間軸を旅する主人公の混乱した体験が描かれるなかで、哲学的な問いが徐々に浮かび上がってきます。
伊藤計劃『虐殺器官』
『虐殺器官』書影/画像はAmazonより
人の奥底に眠る虐殺を司る器官の存在を描いた伊藤計劃さんの『虐殺器官』をご紹介。
2007年の作品でありながら、2025年の今になってもSNSやニュースの話題に照らし合わせて楽しめる、楽しめてしまう、セールの度にピックアップしたい作品です。
円城塔『Self-Reference ENGINE』
『Self-Reference ENGINE』書影/画像はAmazonより
伊藤計劃さんの執筆を引き継いで『屍者の帝国』を書き上げた円城塔さんのデビュー作。
煙に巻くような文体と、人間よりも賢い巨大知性体というAI、巨大知性体よりも賢い超越知性体などのモチーフになんとか食らいついていくような読書体験がたまらない。
円城塔さんにはAIをテーマにした現代的な作品も多く、その作品群に触れる最初の小説としてもおすすめです。
ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』
『蠅の王』書影/画像はAmazonより
最後に紹介するのは、ウィリアム・ゴールディングさんの『蠅の王』。
無人島に漂流した少年たちが協力して生き抜こうとするというあらすじは、ダニエル・デフォーさんの冒険小説『ロビンソン・クルーソー』を思い出させます。
……が、協力して生き抜こうとした結果は残酷で厳しいもの。筆者も10代の時に軽い気持ちで読んで衝撃を受けました。

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