早川書房が、SFホラー小説『反ミーム部門は存在しない』を7月15日(水)に刊行する。
著者はイギリスの作家/ソフトウェア開発者のqntm(読み:クォンタム、本名:サム・ヒューズ)さん。
qntmさんがインターネット上の創作コミュニティ・SCP財団で発表した同名シリーズをもとにした作品だ。
人の記憶や記録から自らの存在を消し去る“反ミーム”を題材にしたSFホラーで、英語圏ではSCP財団発の人気作として知られてきた。
“記録できない怪異”と戦うSFホラー『反ミーム部門は存在しない』
『反ミーム部門は存在しない』は、異常存在を収容/研究する秘密組織を舞台にしたSFホラー作品だ。
物語の中心となるのは、人間の認識や記憶から自らを消し去る性質を持つ“反ミーム”と呼ばれる存在。
目撃しても忘れてしまい、記録しても残らない脅威に対し、組織内の「反ミーム部門」が調査と対策に挑む。
作品は2015年から、創作コミュニティ・SCP財団のWebサイト上で連載された(外部リンク)。
Del Rey版『反ミーム部門は存在しない』書影/画像はHayakawa Books & Magazines(β)より
その後、各国語版への翻訳やコミュニティ内での支持を集め、SCP財団の中でも最も人気のある作品のひとつとして知られるようになった。
今回刊行される日本語版は、2025年に英米で商業出版された改訂版を翻訳したもの。早川書房によれば、著者自身が全面的に加筆/改稿を行ったバージョンとなる。
インターネット発の共同創作プロジェクト・SCP財団
SCP財団は、世界各地のユーザーが架空の怪異や超常存在を投稿/共有する創作コミュニティ。
収容違反を起こす怪物や異常現象、危険なアーティファクトなどを、研究報告書や機密文書の形式で記述する独特のスタイルで人気を集めてきた。
日本語圏でも翻訳/創作コミュニティが形成されており、SCP財団はインターネット発の共同創作文化を代表する存在の一つとして知られている。
なお、SCP財団の作品群は、基本的にクリエイティブ・コモンズのCC BY-SA 3.0/4.0ライセンスで公開されている。同ライセンスでは商業利用も認められている一方、派生作品にも同じライセンスの継承が求められる。
早川書房は、今回翻訳される商業出版版について、SCP財団に関わる要素が置き換えられ、「SF×特殊機関×スパイスリラー」として、より広い読者に向けて再構成されていると説明している。
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