俳優のキアヌ・リーブスさんと、英国のSF/ファンタジー作家であるチャイナ・ミエヴェルさんの共著による小説『再誕の書』(原題:The Book of Elsewhere)が、河出書房新社より2025年11月中旬に刊行される。
キアヌ・リーブスさんにとって初の小説となる本作は、自身が手がけたコミックシリーズ『BRZRKR(バーサーカー)』の世界観を、チャイナ・ミエヴェルさんが小説として再構築した壮大なダーク・ファンタジー。
翻訳は安野玲さんと内田昌之さんが担当。価格は4,290円(税込)。
キアヌが原作を担当したアメリカンコミックス『BRZRKR』
まずは『再誕の書』の原点となる『BRZRKR』から紹介しよう。
『BRZRKR』は、キアヌ・リーブスさんとマット・キントさんによるコミックシリーズ。Boom! Studiosから2021年に刊行され、約60万部を記録したヒット作だ。
主人公の「B」は不老不死の戦士として、何千年にもわたり戦争と暴力の中で生き続けてきた人物。たった一つの願いである「死」を交換条件に、危険すぎて普通の人間にはつとまらないアメリカ政府の極秘任務に挑む。
なお『BRZRKR』は、Netflixによる実写映画化と、キアヌ・リーブスさん自身が「B」の声を演じるアニメシリーズの企画も進行中とも報じられている(外部リンク)。
古代の力と現代の戦争、不死の超越者を描く壮大な物語『再誕の書』
この『BRZRKR』の世界を拡張する形で生まれたのが、今回の小説『再誕の書』だ。
『再誕の書』書影
物語の中心にあるのは、“不死者”ウヌテ(Unute)と、彼の秘密を解き明かそうと試みる特殊機関「ユニット」。
古代の力と現代の戦争、そして不死の超越者を描く壮大な物語として、原著の刊行の際には『ニューヨーク・タイムズ』などが書評を掲載している。
キアヌ・リーブスさんも刊行に際してコメントを公開。「私は『BRZRKR』の世界を非常に愛しているので、もっと探究したいと思い、そのための最良の方法のひとつが、小説だと思った」と執筆のきっかけを語っている。
アーサー・C・クラーク賞3度受賞作家、約12年ぶりの長編でキアヌとタッグ
そんな『再誕の書』を、キアヌ・リーブスさんとのタッグで執筆したのが、イギリスのSF/ファンタジー作家であるチャイナ・ミエヴェルさん。
『都市と都市』『クラーケン』など著書で知られ、ヒューゴー賞など世界的な文学賞を数々受賞。加えて、“イギリスで最も名誉あるSF賞”といわれるアーサー・C・クラーク賞を3度受賞するという史上初の記録を達成。幻想文学の鬼才と呼ばれている。
今回の共作は、チャイナ・ミエヴェルさんにとっても約12年ぶりの長編発表となる。

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