格闘技イベント「BreakingDown(ブレイキングダウン)」に出場予定だった選手の一人が、くも膜下出血と診断されていたことが明らかになった。
12月15日、大会に出場予定だった竜さんが自身のSNSを更新。「くも膜下出血で脳内に出血が発見されて、状態はよくないです」と投稿。なお、翌日には「症状も安定し、改善に向かっている」と報告している。
竜さんは、大会前日の12月13日に行われた会見で、相手選手から不意打ちのビンタを受け倒れて失神。後頭部が床に打ち付けられたことなどを鑑みて、翌日の試合は中止となっていた。
ビンタで失神、その後復帰も症状悪化で病院へ
竜さんは、12月14日にさいたまスーパーアリーナのコミュティアリーナで開催された「BreakingDown 18」に出場予定だった。大会公式による選手紹介などでは、キックボクシング歴5年と紹介されている。
大会前日の13日、前日計量に参加した竜さんはフェイスオフ(対決する両者が向き合った状態で顔を近づける行為)時に、対戦相手である江口響さん(格闘技歴3年/地下格闘技8戦7勝/BreakingDown1戦1勝)から不意打ちでビンタを見舞われた。
「BreakingDown 18」で対戦予定だった江口響さんと竜さん/画像はYouTubeから
すると、竜さんは後に倒れ後頭部を強打。そのまま動かなくなり、司会が医療チームを呼び込むなど会場は一時騒然となった。
翌日の大会で竜さんは、開幕前に登場して無事を報告。次回大会への出場を意気込むと共に、SNSで「減量後という特殊な状態での張り手行為が、想像以上に危険である」として、今後の大会運営や選手同士の振る舞いについて提言を行っていた。
しかし、その投稿から約12時間後、病院で点滴を受けているとみられる写真と共に、症状が悪化して緊急で運ばれたことを報告(※現在その投稿は削除済み)。その1時間後には、前述したくも膜下出血について投稿していた。
大会3日後にくも膜下出血が判明──竜が経緯を報告
竜さんは12月16日(火)にもSNSを更新。「今回の件について、事実としてお伝えします」として、経緯を報告した。
それによると、「大会当日、医療スタッフの判断でCT検査を受けていましたが、その時点では大きな異常は確認されませんでした。その後、移動のために飛行機に搭乗したことで体調が悪化し、強い頭痛が続いたため、大会から3日後に再度検査を受けた結果、くも膜下出血が判明しました」と、くも膜下出血発覚までの経緯をコメント。
その上で、「現在は医師・医療スタッフの管理のもとで治療を受けており、症状も安定し、改善に向かっていることが確認できています」と現状を報告。
最後は、「BreakingDown」への感謝を述べながら、復帰戦での勝利を誓っている。
「試合が行われなかったことは本当に悔しいですが、選手の命と安全を最優先に判断してくれたブレイキングダウンに感謝しています。そして俺の気持ちは変わりません。名古屋大会では、江口をKOして無念を晴らします。必ず万全な状態でリングに戻り、結果で応援してくれた皆さんに恩返しします」
朝倉未来による格闘技イベント「BreakingDown」
「BreakingDown」は、総合格闘家/YouTuberの朝倉未来さんがCEOをつとめるBreakingDown株式会社が運営する格闘技イベント。
イベント名には、格闘技や格闘家のありきたりなイメージを“壊し続ける”という意味が込められている。格闘技未経験の喧嘩自慢やSNSで影響力を持つインフルエンサーなど、バラエティに富んだ面々が出場する。
オーディションの模様や本戦の一部などは、チャンネル登録者数352万人の朝倉未来さんのYouTubeチャンネルで公開。出場希望者がオーディション時に繰り広げる暴力/乱闘騒ぎや言い争いなどが人気となっている。
一方で、出場した選手が犯罪で複数人逮捕されるといった問題もあり、批判を集めていた。
なお、今回の行為を巡っては、総合格闘家の青木真也さんをはじめ、格闘技関係者からも批判の声が上がっている。
同じく総合格闘家の平本蓮さんもXで、「くも膜下出血は格闘家やボクサーならドクターストップで引退しなきゃいけない重症」として、「出場選手が勝手に起こした事故で運営の人は関係ないのかもしれないけど当たり前に連帯責任だと思う 流石に興行終了では」などと投稿し、大会の運営側への批判を展開している。
また、竜さんのくも膜下出血発覚前に行われた大会終了後の囲み取材で、朝倉未来さんも苦言を呈していた(外部リンク)。
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