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朝倉未来が語る、強くなるために必要な「挑戦」の意義

朝倉未来が語る、強くなるために必要な「挑戦」の意義
YouTubeを媒介に盛り上がりを見せ、つい先日にはLDHがライブイベントと試合を融合させた新しいエンターテインメントを展開するなど、近年さらにポップになりつつあるMMA(総合格闘技)

その中でも、国内最大手であるRIZINのトップ選手で、YouTuber、企業家としても成功し、日本の格闘技界の顔となった朝倉未来さん。

二度の敗戦を超え、ファイターとしての成長を求めさらなる挑戦として海外視察に向かおうとする朝倉さんによる、最近の格闘技動向、自らの「強さ」に関する思考の分析、そして挑戦しようとする若者たちへのエールを、KAI-YOUに特別寄稿してもらいました。

取材・撮影・編集:村上裕一

目次

自分よりも強いやつに会いに行け

この3月に『強者の流儀』の文庫版を出したんですけど、そこの書き下ろしで「今僕が本当にやりたいのは海外に行くこと」だ、と書きました。外の世界を見てみたい、とずっと思っていたんで。海外に行くのは、格闘家を引退したあとに来る、人生の第二ステージでやるつもりだったことです。僕は30歳までに引退するつもりだったので、次のステージが来るのももう間近のことだなと思っていました。 でも、コロナウィルスが世界中に蔓延してしまったので、海外に行くのも難しいし、海外の人が日本に来ることも難しくなっちゃった。鎖国みたいなもんですね。それがこの度大幅に緩和されたので、僕は5月の頭から海外を視察することに決めました

最初の目的地はハワイです。ハワイは自由の象徴だと思っていて、YouTubeを始めたときからここには行きたいと思っていました。僕がYouTubeを始めたのは、影響力を得たり金を稼いだりして、自由を手に入れたかったからです。それこそハワイくらいには仲間と一緒にいつでも自由に行けるような人間になりたい。そういうことで、今回そのちょっとした夢が叶います。

みなさんが知っているかわからないですけど、ここにはUFCの元フェザー級王者でもあるマックス・ホロウェイが住んでるんですよ。だから、可能だったらぜひ肌を合わせてみたいですね。ハワイに行って、そこで自分と同じ階級で世界最高のファイターと手合わせできるんだったら、一石二鳥です。

ハワイの後はラスベガスに行く予定です。ここにはすでに弟の海が行っているんで、丁度いいので相乗りします。もともとアメリカは移住したい場所の一つでもあったんで、どうせ海外に行くならぜひ見ておきたかったんですよね。アメリカのジムで練習することができたら、世界の格闘技のレベルを体験できるので、自分の現在のレベルがよりはっきり把握することができるかなと。だからそれはやってみたかったですね。

僕の海外経験は、ROAD FCに参戦したときに韓国で試合をしたことだけなんですよ。これまでは日本という小さな島国の中だけにいたでしょう。今回の渡航は短期間になるけれど、けっこう大きな挑戦になると思うんですよね。それこそ、アメリカのメガジムだったら、どこに行ってもUFCのランカークラスがゴロゴロしているから、層の厚さも感じられるだろうし、そもそも今の僕よりずっと強い選手に会えるというのがめちゃめちゃ楽しみですね。

海が「あまりにも環境が良すぎて帰りたくない」と言ってたんですけど、僕もそんな感じになりかねないですね。そうしたら、僕の人生にまた大きな分岐点が訪れることになるのかもしれない

強さは「肩書き」ではない

UFCは総合格闘技の世界最高の舞台なので、できることなら一度は立ってみたいんですよ。もちろん今の自分よりも強い選手ばかりだろうけど、UFCファイターだから全く次元の違う存在だ、とは思っていないです。同じ人間ですからね。そもそも、「UFCだから凄い」のではなく、強いやつが強いというのが僕の考えです。

それこそ、先日Bellatorでタイトルを争ったAJ・マッキーパトリシオ・"ピットブル"・フレイレは、UFCでもトップレベルだと思いますし、UFCフェザー級の現王者であるヴォルカノフスキーとピットブルが対戦したら、ピットブルが勝つ可能性だってある。それから、先日の「RIZIN.35」でベルトを防衛したホベルト・サトシ・ソウザも凄い強さを発揮していて、これまたUFCのトップと戦っても勝ってしまうかもしれない。

僕はと言えば、それこそ先日のUFCフェザー級タイトルマッチで、アレクサンダー・ヴォルカノフスキーと挑戦者のジョン・チャンソン(通称コリアンゾンビ)が戦った試合を見て、「打撃のスピードだけで言えば自分も負けていないな」と思いました。だから自分が絶対に勝てる、とは言わないですけどね、でも自分が全く太刀打ちできないとも思わない。だからこそ、その感触を確かめるためにも、マックス・ホロウェイのようなファイターと手合わせしてみたいんです。

もちろん手合わせしてみたら、「自分が全てを格闘技に費やしたとしても絶対に追いつけない化け物だ」と実感してしまうかもしれない。でも、逆に自分が強いやつの強さを吸収して、トップファイターたちを追い越すことができると改めて思うかもしれない。「朝倉未来こそ世界と戦えるファイターだ」と期待してくれている人たちもいるし、僕自身、自分にはそういうポテンシャルがあると思っています

こういう話をしていると、豊橋から東京に出てきたばかりの頃を思い出しますね。それまでは、同じレベルの練習相手は弟しかいなかったから、二人だけで練習していました。それが、東京の道場に行ったら、どこに行っても僕たちより強い人たちがいて、そこに二人で揉まれました。 でも、そこで揉まれているうちに、技術や経験を吸収し、周りの人たちよりも強くなりました。周りが強いからこそ、自分ももっと強くなれる。だから、今回の海外視察によって、僕はさらに成長するきっかけが掴めると確信しています。

その意味では、この海外視察は”朝倉未来第2章”とも言うべき、新しい物語の始まりかもしれません。格闘家を引退してから世界に行くのではなく、格闘家としてより強くなるために世界へ出る。そんな風にもともと考えていたわけではなかったから、この先どうなるかわからなけれど、僕もとてもワクワクしています。

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