「個人の想いを強く反映しないと成立しない」
──『雨を告げる漂流団地』はこれまでの石田監督作品とはかなり毛色が異なるように感じました。「空想の世界と現実世界を交えつつ、少年少女の機敏な感情を疾走感とともに描く」点はそのままなのですが、子どもたちの明るいひと夏の冒険というよりも、団地との関係性を巡るビターな物語となっています。石田祐康 最初の絵(海に浮かぶ団地)を描いたときから、設定的にビターになるとは思っていました。というより、企画当初のストーリーはもっと暗かったんですよ。
航祐は子どもっぽい気持ちで、団地から引っ越してきた今の家に反抗心を持っている。夏芽は団地に住んでいたとき、一緒に住んでいたお父さんとのかけがえのない記憶があるんです。
そして2人は団地に乗り込んでいく。団地も2人に執着があって離したくないと、2人に団地での大事な記憶を見せて囲い込もうとする……もうその時点で暗いじゃないで...
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