「漫画村」運営者に19億円の賠償請求 KADOKAWA、集英社、小学館が提訴

「漫画村」運営者に19億円の賠償請求 KADOKAWA、集英社、小学館が提訴
「漫画村」運営者に19億円の賠償請求 KADOKAWA、集英社、小学館が提訴

KADOKAWAグループが発表したリリース/画像はKADOKAWAグループ公式サイトから

KADOKAWAが、集英社小学館の2社と共に、海賊版サイト・漫画村の運営者に対する提訴を7月28日に行ったと発表した。

3社が漫画村の運営者に対して、19億2960万2532円の賠償を求めたものとなる。

『僕だけがいない街』『キングダム』『ドロヘドロ』などの損害額を求める

KADOKAWA、集英社、小学館による今回の提訴は、漫画村の公開時に生じたと推計される莫大な損害の一部の賠償を求めるもの。

KADOKAWAの『僕だけがいない街』『ケロロ軍曹』、集英社の『ONE PIECE』『キングダム』、小学館の『ケンガンアシュラ』『ドロヘドロ』など、3社の出版物17作品が被ったと推計された19億2960万2532円が賠償額となる。

【損害賠償請求における17作品と請求金額】

■KADOKAWA:4億5083万9961円
オーバーロード
ケロロ軍曹
賢者の孫
盾の勇者の成り上がり
トリニティセブン 7人の魔書使い
ヒナまつり
僕だけがいない街
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~

■集英社:4億7692万3161円
キングダム
ONE PIECE

■小学館:10億183万9410円
黄金のラフ~草太のスタンス~
カノジョは嘘を愛しすぎてる
からくりサーカス
ケンガンアシュラ
黄昏流星群
ドロヘドロ
YAWARA! KADOKAWAの発表より

損害の算定にあたっては、当該期間における漫画村へのアクセス総数や、閲覧されたと仮定したコミックスの巻数などから算出されている。

【「漫画村」を通じて生じた3社17作品に係る損害算定】
(1)「漫画村」の2017年6月から2018年4月までのサイトアクセス総数は5億3,781万であったと推計される。
(2)アクセスした利用者が1アクセスで漫画コミックス1巻を閲覧したと仮定すると、当該期間で5億3,781万巻分の閲覧があった。
(3)「漫画村」には最大で7万2,577巻が掲載されていたことから、1巻あたりの平均閲覧数は7,410と推計される(5億3,781万巻分の閲覧÷7万2,577巻=7,410)。
(4)「漫画村」へ掲載されていた請求対象作品の各巻に、平均閲覧数である7,410と各巻の販売価額を乗じて全て足し合わせ、作品ごとに損害を算定した。
(5)(4)で求めた作品ごとの損害額を17作品全てで計算した上で足し合わせ、総額を算出した。 KADOKAWAの発表より

2018年に社会問題化、今なお影響を与える漫画村

漫画村は、2016年から2018年にかけて、違法アップロードにより著作権を無視して出版物を掲載していた海賊版サイト。現在は閉鎖されている。

2019年7月に運営者が拘束され、その後、共犯者複数名と共に逮捕・起訴されていた。運営者は2021年6月に有罪判決を受けて、懲役3年、罰金1000万円、追徴金約6257万円が言い渡されている。 無断で掲載した出版物をもとに膨大なアクセス数を稼ぎ、広告収入を得ていたとされ、サイトが公開されていた当時社会問題化した漫画村だが、現在もその余波は収まっていない。

同様の手法で著作物を違法アップロードする海賊版サイトが今も乱立しており、2021年の1年間での被害額は、約1兆19億円と試算されている。

しかし出版社側もただ手をこまねいているだけではなく、7月19日にはNHKの報道番組『クローズアップ現代』で、同様のサイト「漫画BANK」の摘発を巡って、対策の最前線に立つ組織に密着した特集が放送されたばかり。海賊版サイト撲滅に向けての動きは今も進んでいる。


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