作家・森見登美彦さんの小説をアニメ化して8月に公開される映画『ペンギン・ハイウェイ』。手がけるのは20代中心の新鋭クリエイターによって設立されたスタジオコロリドだ。
原作は『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』で知られるベストセラー作家の青春ファンタジー。それだけにキャストはもちろん制作スタジオにも注目が集まっている。
そうした中で、3月25日の「AnimeJapan 2018」のツインエンジンブースでは、監督の石田祐康さんとキャラクターデザインを担当した新井陽次郎さんによるトークイベントが実施された。
まだまだ情報が少ない映画『ペンギン・ハイウェイ』の制作状況やこだわり、さらにアニメファンなら気になるスタジオコロリドという存在についても語られた。
フジテレビ・ノイタミナ枠の10週年アニメーションのほか、監督として『陽なたのアオシグレ』(2013年)で劇場作品デビューを果たしている。「陽なたのアオシグレ」予告編
新井さんは1989年、埼玉県出身。2008年にスタジオジブリに入社、その後2012年にスタジオコロリドへ所属。
初めて監督した短編映画『台風のノルダ』(2015年)が文化庁メディア芸術祭で新人賞を受賞したほか、多くの企業CMも手がけている。「台風のノルダ」予告
映画『ペンギン・ハイウェイ』 特報
石田さんとしてもかなりお気に入りの映像らしく、「編集の仕方や音楽の付け方がすごく良い、何度も見返している」とコメント。新井さんも「(制作した東宝の人に)とても良い感じに仕上げていただいて、盛り上げてもらっている」と続けた。
作品自体に話が及ぶと、石田さんは「いままでのスタジオコロリド作品は、絵としてもやんわりというか、まろやかなテイストだった。でも、初の長編ということもあって、リアルに描くべきところはきちんと描くとか、気を引き締めたり考えたりしている部分はある」と、従来の作品からの変化に言及。 「例えば背景美術は、担当された方が密度高く、品良く、情感豊かに描いていただいて、ちょっと恐れ多いくらい」と、長編ならではの意識の違いを語った。
前述の通り、スタジオコロリドは劇場の短編のほか、マクドナルドやマルコメ、YKK、『パズル&ドラゴンズ』など、CMやPR映像などを手がけており、TVシリーズをほとんど制作していない。マルコメ 【WEB限定】料亭の味 たっぷりお徳 母と息子篇
とはいえ、「短編やCMで積み重ねてきたものを、長編を制作するにあたってもう一段階引き上げた」という。
新井さんも「そのつもりです」と同意しつつ、「(アニメスタジオとしては)ちょっと特殊だと思う。だから締めるところは締める、というのはもちろんだけど、自主制作っぽさというか、どこか荒削りなテイストは残しておきたい。そこに僕らとしての価値がある気がする」と、スタジオの特徴も同時に打ち出していく意向を明かした。
「アオヤマ君はちょっとひねくれものというか、生意気な少年で、友達だったらちょっとうっとおしく感じてしまうかも(笑)。実際、子供の頃の同級生に歯医者の息子がいて、難しいことをいっぱいしゃべったりして…」(新井さん) 一方、お姉さんについては「原作のイラストをかなり参考にさせてもらった」と語りつつ、「黒髪のストレートが結構難しくて、監督からも(いろいろ)言われて苦労した」という。 すると石田さんが「人によってお姉さん像は違うけど、男たるものお姉さんにはこだわりがある」と力強い一言。
新井さんも「SNSではボブで描かれているファンの方もいたけど、やはり原作のイメージがあると思ったので」と、石田さんの語る“お姉さんへのこだわり”の存在を肯定した。
石田さんいわく「アオヤマ君は道具にこだわる少年だろうと。原作でもノートをとるのがライフワークのように描かれているので、何を書いているのかとか、本編の見どころのひとつとして注目してもらいたい」という。
イベントでは映画『ペンギン・ハイウェイ』の話題のほかに、スタジオコロリドそのものに迫る場面も。 「スタジオ探訪」と題した企画では、最寄り駅である豪徳寺からスタジオまでの道のりを映像で公開。制作風景なども紹介された。
原作は『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』で知られるベストセラー作家の青春ファンタジー。それだけにキャストはもちろん制作スタジオにも注目が集まっている。
そうした中で、3月25日の「AnimeJapan 2018」のツインエンジンブースでは、監督の石田祐康さんとキャラクターデザインを担当した新井陽次郎さんによるトークイベントが実施された。
まだまだ情報が少ない映画『ペンギン・ハイウェイ』の制作状況やこだわり、さらにアニメファンなら気になるスタジオコロリドという存在についても語られた。
スタジオコロリドが擁する石田祐康と新井陽次郎
イベントは2人のプロフィール紹介からスタート。石田さんは1988年、愛知県出身。京都精華大学在学中に発表した自主制作アニメーション『フミコの告白』(2009年)が国内外のアワードを受賞。フジテレビ・ノイタミナ枠の10週年アニメーションのほか、監督として『陽なたのアオシグレ』(2013年)で劇場作品デビューを果たしている。
初めて監督した短編映画『台風のノルダ』(2015年)が文化庁メディア芸術祭で新人賞を受賞したほか、多くの企業CMも手がけている。
初の長編『ペンギン・ハイウェイ』ならではの意識の違い
略歴紹介もそこそこに、まずは公開されたばかりの映画『ペンギン・ハイウェイ』の特報映像について。作品自体に話が及ぶと、石田さんは「いままでのスタジオコロリド作品は、絵としてもやんわりというか、まろやかなテイストだった。でも、初の長編ということもあって、リアルに描くべきところはきちんと描くとか、気を引き締めたり考えたりしている部分はある」と、従来の作品からの変化に言及。 「例えば背景美術は、担当された方が密度高く、品良く、情感豊かに描いていただいて、ちょっと恐れ多いくらい」と、長編ならではの意識の違いを語った。
前述の通り、スタジオコロリドは劇場の短編のほか、マクドナルドやマルコメ、YKK、『パズル&ドラゴンズ』など、CMやPR映像などを手がけており、TVシリーズをほとんど制作していない。
新井さんも「そのつもりです」と同意しつつ、「(アニメスタジオとしては)ちょっと特殊だと思う。だから締めるところは締める、というのはもちろんだけど、自主制作っぽさというか、どこか荒削りなテイストは残しておきたい。そこに僕らとしての価値がある気がする」と、スタジオの特徴も同時に打ち出していく意向を明かした。
「男たるもの、お姉さんにはこだわりがある」
続いてキャラクターに関する話題へ。イベントでは、映画に登場するアオヤマ君とお姉さんの設定画が初公開された。 キャラクターデザインを担当した新井さんによると、アオヤマ君には複雑な思い入れがある模様。「アオヤマ君はちょっとひねくれものというか、生意気な少年で、友達だったらちょっとうっとおしく感じてしまうかも(笑)。実際、子供の頃の同級生に歯医者の息子がいて、難しいことをいっぱいしゃべったりして…」(新井さん) 一方、お姉さんについては「原作のイラストをかなり参考にさせてもらった」と語りつつ、「黒髪のストレートが結構難しくて、監督からも(いろいろ)言われて苦労した」という。 すると石田さんが「人によってお姉さん像は違うけど、男たるものお姉さんにはこだわりがある」と力強い一言。
新井さんも「SNSではボブで描かれているファンの方もいたけど、やはり原作のイメージがあると思ったので」と、石田さんの語る“お姉さんへのこだわり”の存在を肯定した。
映画『ペンギン・ハイウェイ』の見どころはノート?
キャラクターに続いて公開されたのは、ノートは筆記用具といったアオヤマ君の小物の設定画。 特報映像では、方眼のマス目に合わせてきちんとノートをとるアオヤマ君の姿が描かれている。石田さんいわく「アオヤマ君は道具にこだわる少年だろうと。原作でもノートをとるのがライフワークのように描かれているので、何を書いているのかとか、本編の見どころのひとつとして注目してもらいたい」という。
イベントでは映画『ペンギン・ハイウェイ』の話題のほかに、スタジオコロリドそのものに迫る場面も。 「スタジオ探訪」と題した企画では、最寄り駅である豪徳寺からスタジオまでの道のりを映像で公開。制作風景なども紹介された。
「AnimeJapan 2018」の見落とし、ないですか?
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作品情報
映画『ペンギン・ハイウェイ』
- キャスト
- 北香那
- 蒼井優
- 原作
- 森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫刊)
- 監督
- 石田祐康
- キャラクターデザイン
- 新井陽次郎
- 脚本
- 上田 誠(ヨーロッパ企画)
- 音楽
- 阿部海太郎
- 制作
- スタジオコロリド
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