「金曜ロードSHOW!」からはターニャこと谷生プロデューサー、スタジオ地図からは齋藤優一郎プロデューサーが登壇。
「金曜ロードSHOW!」といえば、スタジオジブリ作品をはじめ、アニメーション映画作品の放送も多い枠。『サマーウォーズ』など細田守監督の作品も放送されており、2017年8月には放送と連動した特設サイト「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!! ボタン」をオープンして話題を呼んだ。 ブースでは、それぞれが思い描くプロデューサー像や、新作『未来のミライ』の公開を控える細田守監督の人物像についても語られた。
取材・文:エドワード長谷 編集:恩田雄多
細田守監督とも関わり深いプロデューサー同士
「作家に寄り添い、作品を一番良い形でつくり、その作品を一番良い形で世の中に送り出し、そして観続けてもらい、可能であれば内容的、経済的評価をいただいて、それをつくり手に戻し、また新しい作品という次のチャレンジにつなげていく。そのサイクルをつくるのがプロデューサーの仕事」
そう語る齋藤さんは、細田監督と15年にわたり映画をつくり続けている。
ターニャさんは2000年に日本テレビに入社。当初は報道記者としていろいろな現場を駆け回り、2012年に現在の部署に異動。以来「金曜ロードSHOW!」を担当し、TVを通じて映画の素晴らしさを届けている。
ターニャさん
「ターニャさんは情熱に満ちあふれている方なので、作家がすごく刺激を受けるんです」
ターニャさんは自他ともに認める映画好きで、その知識と報道経験などで鍛えたトークスキルからさまざまなプロデューサーと仲がいいようだ。
作家のことを第一に考えている齋藤さんにとって、熱量を持って会話ができるターニャさんは、作家にとても刺激を与える人物として見ているようだった。
テディベアのような人、細田守監督とは?
続いて、お互いに関わりの深い細田監督の話題へ。齋藤さんによると、細田監督と15年間仕事をしてきた中でまったく変わらないことがあるという。
「細田監督は“人”そのものに興味があり、その人のピュアさ、何かに挑戦していく姿にすごく惹きつけられる人。同様に監督自身も、主体的に、そして覚悟を持って新しいことにチャレンジをして、突き進んでいる。その姿は『時をかける少女』のときからずっと変わらない」
一方、ターニャさんは細田監督を「とても優しい、テディベアのような人」と表現。その優しさは作品からも感じられる「目線」にあるという。
『未来のミライ』は家族を超えたテーマがある
細田監督といえば、最新作『未来のミライ』が7月20日(金)から公開。『バケモノの子』以来、3年ぶりとなる新作には大きな注目が集まっている。『未来のミライ』
齋藤さんによると、細田監督の映画のつくり方は、自分の身近で起きていることからインスピレーションを得ることが多いという。
「自分の家族の中で起こっている喜びや問題意識は、世界中の家族においても起こっている。だから自分の家族の問題を解決することは、世界中の家族の問題を解決することにつながるんじゃないか。アニメーションという表現で映画をつくって、その喜びや問題意識を、世界中の人たちと共有したい、考えたいと思ってつくっている」と齋藤さんは語っていた。
「細田監督の描く作品は家族や親子の物語と言われますが、今回はより大きなテーマを感じる。人生ってこうやってつながっていくんだな、人間ってこうやって生きてきたんだな……という、ものすごい大きなテーマを提示している作品だと思う」と期待を込めて話していた。
「本作は4歳の男の子が主人公。4歳の子どもが見ている世界や未来というもってどんなものなのか?それはきっともの凄く生命力やバイタリティにあふれているに違いない世界、それをみんなで体感し、追体験させてくれる映画になるんじゃないかと思っています」
(C)2018 スタジオ地図
会場で語られた人気作の現状
作品情報
未来のミライ
- 監督・脚本・原作
- 細田守
- 作画監督
- 青山浩行、秦綾子
- 美術監督
- 大森崇、髙松洋平
- プロデューサー
- 齋藤優一郎
- 企画・製作
- アニメーション映画制作会社 スタジオ地図
- 公開
- 2018年7月20日(金)
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