3月22日から25日に開催された「AnimeJapan 2018」の日テレブースでは、「金曜ロードSHOW!×スタジオ地図」のプロデューサー特別対談が実現した。
「金曜ロードSHOW!」からはターニャこと谷生プロデューサー、スタジオ地図からは齋藤優一郎プロデューサーが登壇。
「金曜ロードSHOW!」といえば、スタジオジブリ作品をはじめ、アニメーション映画作品の放送も多い枠。『サマーウォーズ』など細田守監督の作品も放送されており、2017年8月には放送と連動した特設サイト「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!! ボタン」をオープンして話題を呼んだ。 ブースでは、それぞれが思い描くプロデューサー像や、新作『未来のミライ』の公開を控える細田守監督の人物像についても語られた。
取材・文:エドワード長谷 編集:恩田雄多
「作家に寄り添い、作品を一番良い形でつくり、その作品を一番良い形で世の中に送り出し、そして観続けてもらい、可能であれば内容的、経済的評価をいただいて、それをつくり手に戻し、また新しい作品という次のチャレンジにつなげていく。そのサイクルをつくるのがプロデューサーの仕事」
そう語る齋藤さんは、細田監督と15年にわたり映画をつくり続けている。
ターニャさんは2000年に日本テレビに入社。当初は報道記者としていろいろな現場を駆け回り、2012年に現在の部署に異動。以来「金曜ロードSHOW!」を担当し、TVを通じて映画の素晴らしさを届けている。 齋藤さんはターニャさんについてこう語った。
「ターニャさんは情熱に満ちあふれている方なので、作家がすごく刺激を受けるんです」
ターニャさんは自他ともに認める映画好きで、その知識と報道経験などで鍛えたトークスキルからさまざまなプロデューサーと仲がいいようだ。 例えばスタジオジブリの鈴木敏夫さんからは小冊子『熱風』で企画の執筆を依頼されたり、細田監督とも、一度インタビューをはじめると盛り上がりすぎて2〜3時間、話が止まらなくなったりするとのこと。
作家のことを第一に考えている齋藤さんにとって、熱量を持って会話ができるターニャさんは、作家にとても刺激を与える人物として見ているようだった。
齋藤さんによると、細田監督と15年間仕事をしてきた中でまったく変わらないことがあるという。
「細田監督は“人”そのものに興味があり、その人のピュアさ、何かに挑戦していく姿にすごく惹きつけられる人。同様に監督自身も、主体的に、そして覚悟を持って新しいことにチャレンジをして、突き進んでいる。その姿は『時をかける少女』のときからずっと変わらない」『時をかける少女』予告篇
常に新しいことを追い求め続ける細田監督。齋藤さんは、そんな監督の姿勢に魅力を感じているようだ。
一方、ターニャさんは細田監督を「とても優しい、テディベアのような人」と表現。その優しさは作品からも感じられる「目線」にあるという。 細田監督の作品には、「時空を行き来する未来の人」や「狼と人とのハーフ」など、一般的な人と異なる存在が多く登場する。ターニャさんいわく、そうした「異形なモノに対する監督の目線が非常に優しく、作品からも優しさが感じられる」そうだ。「サマーウォーズ」劇場用予告
ターニャさんは過去、この“異形な存在”への優しい目線について細田監督に直接聞いてみたところ、返ってきたのは「人と違うことが面白い。そこに物語がある」という言葉。「普通の人では目の届きにくいところに注目して、物語を生み出していくのが細田監督の魅力」と話していた。
齋藤さんによると、細田監督の映画のつくり方は、自分の身近で起きていることからインスピレーションを得ることが多いという。
「自分の家族の中で起こっている喜びや問題意識は、世界中の家族においても起こっている。だから自分の家族の問題を解決することは、世界中の家族の問題を解決することにつながるんじゃないか。アニメーションという表現で映画をつくって、その喜びや問題意識を、世界中の人たちと共有したい、考えたいと思ってつくっている」と齋藤さんは語っていた。未来のミライ 予告
すでに絵コンテ等の資料を目にしているというターニャさんは、これまでの作品でも語られた「家族」や「親子」をさらに超えたテーマを感じたという。
「細田監督の描く作品は家族や親子の物語と言われますが、今回はより大きなテーマを感じる。人生ってこうやってつながっていくんだな、人間ってこうやって生きてきたんだな……という、ものすごい大きなテーマを提示している作品だと思う」と期待を込めて話していた。 最後に齋藤さんは、子供と大人が一緒に楽しめる本作の作品性に自信を見せた。
「本作は4歳の男の子が主人公。4歳の子どもが見ている世界や未来というもってどんなものなのか?それはきっともの凄く生命力やバイタリティにあふれているに違いない世界、それをみんなで体感し、追体験させてくれる映画になるんじゃないかと思っています」
(C)2018 スタジオ地図
「金曜ロードSHOW!」からはターニャこと谷生プロデューサー、スタジオ地図からは齋藤優一郎プロデューサーが登壇。
「金曜ロードSHOW!」といえば、スタジオジブリ作品をはじめ、アニメーション映画作品の放送も多い枠。『サマーウォーズ』など細田守監督の作品も放送されており、2017年8月には放送と連動した特設サイト「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!! ボタン」をオープンして話題を呼んだ。 ブースでは、それぞれが思い描くプロデューサー像や、新作『未来のミライ』の公開を控える細田守監督の人物像についても語られた。
取材・文:エドワード長谷 編集:恩田雄多
細田守監督とも関わり深いプロデューサー同士
冒頭、プロデューサーの定義は人それぞれだという齋藤さん。「作家に寄り添い、作品を一番良い形でつくり、その作品を一番良い形で世の中に送り出し、そして観続けてもらい、可能であれば内容的、経済的評価をいただいて、それをつくり手に戻し、また新しい作品という次のチャレンジにつなげていく。そのサイクルをつくるのがプロデューサーの仕事」
そう語る齋藤さんは、細田監督と15年にわたり映画をつくり続けている。
ターニャさんは2000年に日本テレビに入社。当初は報道記者としていろいろな現場を駆け回り、2012年に現在の部署に異動。以来「金曜ロードSHOW!」を担当し、TVを通じて映画の素晴らしさを届けている。 齋藤さんはターニャさんについてこう語った。
「ターニャさんは情熱に満ちあふれている方なので、作家がすごく刺激を受けるんです」
ターニャさんは自他ともに認める映画好きで、その知識と報道経験などで鍛えたトークスキルからさまざまなプロデューサーと仲がいいようだ。 例えばスタジオジブリの鈴木敏夫さんからは小冊子『熱風』で企画の執筆を依頼されたり、細田監督とも、一度インタビューをはじめると盛り上がりすぎて2〜3時間、話が止まらなくなったりするとのこと。
作家のことを第一に考えている齋藤さんにとって、熱量を持って会話ができるターニャさんは、作家にとても刺激を与える人物として見ているようだった。
テディベアのような人、細田守監督とは?
続いて、お互いに関わりの深い細田監督の話題へ。齋藤さんによると、細田監督と15年間仕事をしてきた中でまったく変わらないことがあるという。
「細田監督は“人”そのものに興味があり、その人のピュアさ、何かに挑戦していく姿にすごく惹きつけられる人。同様に監督自身も、主体的に、そして覚悟を持って新しいことにチャレンジをして、突き進んでいる。その姿は『時をかける少女』のときからずっと変わらない」
一方、ターニャさんは細田監督を「とても優しい、テディベアのような人」と表現。その優しさは作品からも感じられる「目線」にあるという。 細田監督の作品には、「時空を行き来する未来の人」や「狼と人とのハーフ」など、一般的な人と異なる存在が多く登場する。ターニャさんいわく、そうした「異形なモノに対する監督の目線が非常に優しく、作品からも優しさが感じられる」そうだ。
『未来のミライ』は家族を超えたテーマがある
細田監督といえば、最新作『未来のミライ』が7月20日(金)から公開。『バケモノの子』以来、3年ぶりとなる新作には大きな注目が集まっている。 前述した細田監督の魅力は、当然『未来のミライ』でも感じることができる。齋藤さんによると、細田監督の映画のつくり方は、自分の身近で起きていることからインスピレーションを得ることが多いという。
「自分の家族の中で起こっている喜びや問題意識は、世界中の家族においても起こっている。だから自分の家族の問題を解決することは、世界中の家族の問題を解決することにつながるんじゃないか。アニメーションという表現で映画をつくって、その喜びや問題意識を、世界中の人たちと共有したい、考えたいと思ってつくっている」と齋藤さんは語っていた。
「細田監督の描く作品は家族や親子の物語と言われますが、今回はより大きなテーマを感じる。人生ってこうやってつながっていくんだな、人間ってこうやって生きてきたんだな……という、ものすごい大きなテーマを提示している作品だと思う」と期待を込めて話していた。 最後に齋藤さんは、子供と大人が一緒に楽しめる本作の作品性に自信を見せた。
「本作は4歳の男の子が主人公。4歳の子どもが見ている世界や未来というもってどんなものなのか?それはきっともの凄く生命力やバイタリティにあふれているに違いない世界、それをみんなで体感し、追体験させてくれる映画になるんじゃないかと思っています」
(C)2018 スタジオ地図
会場で語られた人気作の現状
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作品情報
未来のミライ
- 監督・脚本・原作
- 細田守
- 作画監督
- 青山浩行、秦綾子
- 美術監督
- 大森崇、髙松洋平
- プロデューサー
- 齋藤優一郎
- 企画・製作
- アニメーション映画制作会社 スタジオ地図
- 公開
- 2018年7月20日(金)
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