『サマーウォーズ』とは、日本の劇場アニメーション作品。監督/原案は細田守、脚本は奥寺佐渡子、音楽は高木正勝、キャラクターデザインは貞本義行

サマーウォーズ

概要

人工知能に乗っ取られてしまったネット上の仮想世界と、その影響を受けてしまった現実世界での主人公たちの戦いを描く。

舞台は長野県上田市で、城下町の町並みや上田電鉄別所線などが描かれている。上田市には細田守の妻の実家があり、訪れた際に抱いた「日本の原風景」のイメージを投影することを考えた。

細田は「当時既に両親を亡くし自らも一人っ子だったため、妻の親類の家族の繋がりに深い感銘を受けた」と語っており、妻の親類が物語の中核をなす陣内家のモデルとなっている。作中の陣内家のモデルは真田氏である。この舞台をベースに、近未来的に高度に発達したインターネット、高度なネットワーク技術を持った人物が登場する世界と家族や田舎といった風景を対比的に描いている。

2009年8月1日の公開から4か月興行し、観客動員数は123万人を越える。また、2010年3月3日発売のBlu-ray Discは初登場5.4万枚の売上げで週間ランキング1位となる。これは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の4.9万枚を抜き、初動記録としては当時のアニメ作品歴代1位、BD総合歴代2位に当たる(当時の1位は『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』の26.1万枚)。

あらすじ

世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界OZ(オズ)。ユーザーはパソコン、携帯電話、テレビなどから自分のアバターを使い、ショッピングやゲームだけでなく、現実の納税や行政手続きなどの様々なサービスを利用できる。OZの管理権限や個人情報などは、世界一安全と言われるセキュリティによって守られていた。

ある日、高校2年生の小磯健二は、憧れの先輩篠原夏希から一緒に夏希の実家に行くという「バイト」に誘われる。実家には夏希の曽祖母陣内栄の90歳の誕生日を祝うために、26人の親族が一堂に集まり、健二はひょんなことから栄のために「夏希の婚約者のふり」をすることになった。

その夜、健二の携帯電話に「数字の羅列」が書かれた謎のメールが送られてくる。数学が得意な健二は、それを何かの問題だと思って解いてしまう。しかし、それはOZの管理権限の暗号パスであった。翌日、OZは謎の人工知能ラブマシーンに乗っ取られ、その影響はOZと密接に関係している現実世界におよび、大きな混乱を引き起こしてしまう。人々が対応に苦しむ中、栄は人脈を駆使して被害の軽減を図り、事態は収束に向かう。しかし、栄は翌朝、心臓発作(狭心症)にて死去する。

女性たちが葬儀の準備を進める中、男性陣は敵討ちや被害拡大の防止のためにラブマシーンを倒す準備を進めていた。作戦の結果、一時はラブマシーンの封じ込めに成功するが、逃げ出されキングカズマのアカウントを奪われてしまう。ラブマシーンは、奪った4億を超えるアカウントの権限を利用して、小惑星探査機「あらわし」の再突入体を世界に500か所以上ある核施設のどこかに落とそうとする。落ち込む一同だったが、健二の言葉と栄の遺言により気力を取戻し、栄に仕込まれた花札でラブマシーンへ最後の戦いを挑む。

一度は窮地に陥るものの、ラブマシーンに奪われたアカウントのほぼ全てを解放することに成功。その後、ラブマシーンは「あらわし」を陣内邸に落下させることを画策。だが健二の機転と計算能力によって「あらわし」の落下地点をずらすことに成功し、陣内家は生き残ることができ、怪我の功名で温泉の源泉まで手に入れた。

明けて栄の葬儀の日、合わせて栄の誕生日。OZ混乱を終息させた立役者であり、陣内家を救った功労者である健二と、彼への好意を認めた夏希の仲を、一族みんなが見守るのだった。

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