海外での日本アニメ関連の市場規模は、2011年からの約10年間で4倍にも膨れ上がり、1兆2394億円となった。みずほ銀行の産業調査レポートでも述べられているように、アニメは日本を代表するコンテンツのひとつである。
本書は、世界的ブランドとなったスタジオジブリを牽引してきた映画監督・宮崎駿さんについて論じる第一章「宮﨑駿はいかに世界の巨匠になったか」からスタート。
『パプリカ』の監督をつとめた今敏さん、『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』の新海誠さん、『サマーウォーズ』の細田守さんなど名だたるアニメ監督にスポットを当て、12章にわたって日本のアニメ作品が辿ってきた軌跡をたどる。
アニメを追い続けるジャーナリスト・数土直志
数土直志さんは、国内外のアニメに関する取材・報道・執筆の傍ら、アニメビジネスの調査・研究を行っているジャーナリスト。2002年にアニメに関する最新情報を届けるウェブサイト「アニメ!アニメ!」を設立。2016年に独立し、エンタメ・アニメ産業のビジネスニュースを届ける「アニメーションビジネス・ジャーナル」を開設した。
著書に『誰がこれからのアニメをつくるのか? 中国資本とネット配信が起こす静かな革命』(2017年刊行)がある。
同書では、中国市場や定額映像配信サービス企業・Netflix、Amazonなどの参入により、製作委員会を中心とした旧来の日本アニメ業界のビジネスモデルに変化が起きていることを指摘。15年に渡り日本のアニメシーンを見続けてきた現役のジャーナリストという視点から、日本アニメシーンを分析し、その未来を論じた。
また、KAI-YOU Premiumにも、「ソニーによるクランチロール1300億円買収から1年 日本アニメが世界で起こすインパクト」「https://premium.kai-you.net/article/541」などアニメに関するコラムを多数寄稿している。
*本書目次
はじめに
第1章 宮﨑駿はいかに世界の巨匠になったか
コラム1 世界4大映画祭とは?
第2章 高畑勲、監督から学術、教育まで「知の巨人」
第3章 なぜ今 敏は海外で人気なのか
第4章 湯浅政明 クリエイターを熱狂させるクリエイター
コラム2 アヌシー国際アニメーション映画祭とは?
第5章 細田守はグローバルスタンダードを目指す
コラム3 アカデミー賞と日本のアニメーション
第6章 新海誠はオンリーワンで輝く
コラム4 世界で一番稼いだ日本アニメは「宮﨑駿」か「新海誠」か
第7章 無冠の巨匠・富野由悠季
第8章 80年代、90年年代に大友克洋、押井守が切り拓いた道
第9章 世界のアニメ史を彩ったOVA 『銃夢』、『獣兵衛忍風帖』、『うろつき童子』
第10章 荒牧伸志、海外プロジェクトで好かれる大物監督
第11章 新世代の監督は何を引き継ぎ、どう変わっていくのか 山田尚子、伊藤智彦、石田祐康、外崎春雄、朴性厚ら
コラム5 ロッテントマトとIMDb 批評サイトの役割
終章 変わる世界 2022年以降の日本アニメを取り巻く状況 Amazon商品紹介ページより
関連商品
定価:1200円(税別)
ISBN:978-4-06-530307-8
発売日:2022年11月22日
サイズ:新書判
この記事どう思う?
0件のコメント