連載 | #15 東京ゲームショウ特集

k4sen × GANYMEDE代表西原大輔が語る、VTuberプロジェクト「UltraLMTM」で成し遂げる未来

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オグマフミヤ
k4sen × GANYMEDE代表西原大輔が語る、VTuberプロジェクト「UltraLMTM」で成し遂げる未来
k4sen × GANYMEDE代表西原大輔が語る、VTuberプロジェクト「UltraLMTM」で成し遂げる未来

新プロジェクト「UltraLMTM」を仕掛けるプロデューサー・k4senさん(写真左)とGANYMEDE社代表・西原大輔さん(写真右)

東京ゲームショウ2025」にて、国内外で存在感を放つeスポーツチーム・ZETA DIVISION運営のGANYMEDE社による新たな挑戦として、VTuberブランド「UltraLMTM(ウルトラリミテム)」の発足が発表された。

これまで多くのVTuberと交流してきた人気ストリーマー・k4senさんがプロデュースに参加し、ZETA DIVISION運営で培ってきたクリエイティブへのこだわりを特徴としたプロジェクトになる。

ZETA DIVISIONという一大ブランドを築き上げたGANYMEDEによるVTuberプロジェクトということで期待感は高いが、業界においては明らかな後発──広義の配信者として領域が近いとはいえ、GANYMEDEにとっても未知の挑戦となる。

今回はプロジェクトの発起人であるk4senさんとGANYMEDE代表・西原大輔さんにインタビューを実施。

新プロジェクトに関する意気込みを語ってくれた、k4senさん(写真左)と西原大輔さん(写真右)

なぜ今、VTuberに挑戦することになったのか? 「UltraLMTM」プロジェクトが構想する未来を語ってもらった。

取材・文:オグマフミヤ 編集:小林優介 写真:宇佐美亮

まだまだ面白い人がいる──k4senの気づきからはじまった「UltraLMTM」

──今回のプロジェクトはどのようなきっかけではじまったのでしょうか?

k4sen 「League The k4sen(※)とか、普段の配信の中でVTuberたちと関わる中で、世の中にはまだまだ面白い人がいるんだなって思ったんですよね。

みんな自分の好きな姿で活動して、性格や人間性みたいなもので勝負している。そういう姿を見ていて純粋にすごいと思いましたし、うちでもやってみたらいいんじゃないかと考えたんです。

League The k4sen:k4senさんが主催する『League of Legends』のリーグ戦イベント。総勢48人のストリーマーやVTuberたちがチームを組み、3ヶ月かけて競い合う。

プロジェクト発足当時を振り返るk4senさん

k4sen それで一緒に飯に行った時、西原さんに「VTuberやりましょうよ!」って言ったら、最初はあんまり反応が良くなくて(笑)。

別のタイミングでもう一回声をかけたら、その時にはすごいやる気になってて「やりましょう!」って言ってくれたんですよね。

西原 もちろん以前からVTuberという文化が気にはなっていたんですけど。これだけシーンも成熟している中で、今から参入するには今ひとつきっかけがないなとも思っていたんです。

でもk4senがこれだけしつこく言ってくるってことは、一緒に盛り上げてくれるんだろうと思って挑戦してみることにしました。

彼のそういうコミュニティに対する感度のようなものは完全に信頼しているので、僕としても今ならいけるかもしれないって思えたんです。k4senの本気も伝わりましたね。

気兼ねなく話す二人の間には、確かな信頼関係がうかがえる

「UltraLMTM」がZETAの名を冠していない意味と決意

──ZETA DIVISIONというブランドとは切り離し、GANYMEDEの新規事業としてスタートするのには、どのような意図によるものなのでしょう?

西原 ZETA DIVISIONとは別に、「ZETA○○」みたいなブランドにすることも考えました。ただ、「UltraLMTM」はゲームに特化したブランドにしたいわけではなかった。ZETAの名前がつくことでゲームのイメージに引っ張られてしまうかもしれないと思ったんです。

我々自身の意思表明として、ゲーム特化ではなく、ZETAとも違うブランディングでやっていこうという考えから、まったく別の新ブランドとして立ち上げることにしました。

社を背負う代表として、新事業に込めた意図を語る西原さん

──ということは、歌や音楽系の展開も考えられているのでしょうか?

西原 音楽に挑戦したいという人がいればもちろんサポートしていきます。我々としては新しい領域になりますが、新しいことにはどんどんチャレンジしていきたいです。

GANYMEDE社としてZETA DIVISIONを運営してきたなかでも、ずっと挑戦を続けてきたのが私たちのスタイルなので。

k4sen 僕は歌うまい人が好きなので、やりたい人がいるならやってほしいですね!

──今後も第二回、第三回と募集をしていく構想はありますか?

西原 いずれは他の事務所が取り組んでいるような形や、グループのようにできたらと思っていますが、まだ未知数なところが多いのも確か。まだなんとも言えないところではあります。

ただ、最初の数年はまず「UltraLMTM」としてのカルチャーを築くことが重要だと思うので、そこをしっかりやった上でその後の展開を考えたいです。

k4senプロデューサーが掲げる「UltraLMTM」の活動方針

──k4senさんは今回のプロジェクトのプロデューサーという認識で間違いないでしょうか?

k4sen プロデューサーなんですか(笑)?

西原 プロデューサーでしょう(笑)。

k4sen ということなんで、結構しっかり入ってやりたいと思います!

プロデューサーk4sen、爆誕──

k4sen 変わったことをしようとは思ってなくて、真っ直ぐ、VTuberとして王道のスタイルでいきたいと思ってます。

どういう活動スタイルになるかはそれぞれ違うと思いますが、その人がやりたいようにやってもらいたいですし、そのうえでちゃんと生活していけるようにプロデュースしていきたいです。

──REJECTのとおこさんや天鬼ぷるるさんのように、既にVTuberとして活動していた方がチームに所属されるケースもあります。今回のプロジェクトでは、そのようなケースは想定されているのでしょうか?

k4sen そういうケースもあるとは思いますが、メインとしてはこれから新たに活動を始める人を探す方になるかなと思っています。ただ、形態は限定せずに広く募集していきたいです。

──VTuberが産業として成熟した今、VTuber事業に参入されるのには、どのような理由や勝算があるのでしょうか?

西原 VTuberという文化は、KizunaAIさんが出てきた2016年から9年経って、来年には10周年を迎えます。

そのシーンに、これから参入するのは確かに難しいと思ったんですが、逆に言えば10年も続く盤石な基盤があるということ。今後も続いていく文化だからこそ、節目を迎える今こそが、新たなスタートを切れるタイミングだとも思ったんです。

先駆者の方々がいろんなことをやられていて、既に一定の文化とコミュニティがある。我々が今までやってきたことや大切にしてきたことをうまく咀嚼して昇華できれば、新たな挑戦ができる余地があるはずだと考えています。

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挑戦を続けてきたGANYMEDE、ZETA DIVISIONとk4senさんの軌跡

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例年秋頃に開催されている国内最大のゲームの祭典「東京ゲームショウ(TOKYO GAME SHOW)」(通称・TGS)。 国内外から大手メーカー、個人開発者、周辺機器メーカー、グッズメーカー、ディベロッパー、パブリッシャーなど、ゲームに関連する企業が集結する年に一度のゲーム見本市。 TGS開催前の事前情報や注目タイトルの関連記事、会場である幕張メッセで各ブースを取材したレポートなどを公開していく。

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