映画制作をはじめ複数の事業を展開する米国のWarner Bros. Discovery(ワーナー・ブラザース・ディスカバリー/以下、ワーナー社)が9月4日、画像生成AI「Midjourney」を運営するMidjourney社を相手取り、著作権侵害訴訟を提起した。
ロイター通信など複数のメディアが報じている。報道によればワーナー社は、スーパーマンやバットマンなど自社の人気キャラクターが、「Midjourney」において無断で生成されていると主張している。
ワーナー社、「Midjourney」の画像生成は「故意かつ露骨な侵害」
「Midjourney」のAIは「classic comic book superhero battle」といった一般的なプロンプトでも、DCコミックスが生み出したスーパーマンやバットマンなどワーナー作品のキャラクターに酷似した画像を生成。
「Midjourney」が生成したというバットマンやスーパーマンの画像/画像はワーナー社の訴状より
ワーナー社によれば、かつては著作権を侵害する画像からの動画生成などを防止する機能が存在したものの、8月にこの機能は削除され「改善」として宣伝されていたという。
そのため、こうした利用は「故意かつ露骨な侵害」であり、同社キャラクターの人気を利用して利用者や収益を獲得していると非難。
損害賠償や利益の返還に加え、さらなる侵害行為についての差止命令を求めている。
ディズニー、ユニバーサルも──ハリウッド大手が相次ぎAI企業に法的措置
画像生成AIを巡っては6月、ディズニーやユニバーサルも同様の訴えを「Midjourney」に対して提起。
そちらの訴訟でディズニーやユニバーサルは、「Midjourney」が様々な著作物を無断で模倣/利用し、かつ一切の制御を行っていないことを指摘。AIなどにより生成された場合でも、違法な画像や映像は著作権侵害に変わりないと主張している。
今回のワーナー社の提訴によって、ハリウッド大手が足並みを揃えてAIによる著作権侵害に対抗する構図がより鮮明になっている。

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