画像生成AIによる模倣からイラストを守るサービス「emamori」リリース

画像生成AIによる模倣からイラストを守るサービス「emamori」リリース
画像生成AIによる模倣からイラストを守るサービス「emamori」リリース

「emamori」

SnackTime株式会社が、AIによる画風の模倣を防ぐサービス「emamori」を正式リリースした。

emamoriは、イラストに特殊な電子透かし・ノイズを挿入し、AIが正確なデータを学習できないようにすることで、模倣イラストの生成を阻止するサービスだ。

Webサイトにイラストをアップロードするだけで、保護加工が施されたイラストデータを作成できる。

特殊な電子透かしでイラストを保護する「emamori」

emamoriでは、上海交通大学の研究チームが開発したMist v2と呼ばれる保護技術を使用。また、Mist v2だけでなく、emamori独自の処理も施している。

emamoriの保護処理を施すことで、Stable Diffusionのような画像生成AIに、特定のイラストレーターのイラストを追加学習させるファイン・チューニングの手法を妨げることができるとしている。

リリースに合わせて公開されたnoteでは、emamoriの技術を利用した比較画像が公開。

処理前イラスト/画像は「emamori」検証記事より

処理後イラスト/画像は「emamori」検証記事より

保護処理後のイラストには、わずかにノイズが掛けられていることが確認できる。

保護処理後のイラストを学習させたAIで画像を生成すると、画像全体にノイズが激しく出現するようになっている。

生成されたイラスト/画像は「emamori」検証記事より

emamoriでは、正式リリースに先駆けて300名限定の招待制でベータテスト版を数ヶ月運用。テストの段階で2000枚を超えるイラストを保護しているという。

自衛を図るクリエイターが多く存在する国内イラストシーン

AI学習対策の保護加工ツールとしては、これまでにもアメリカ・シカゴ大学の学術研究グループが開発した「Glaze」などが発表されてきた。 「emamori」では、開発の背景として「日本の著作権法では、許諾を得ずに著作物をAI学習に利用することが可能とみなされており、日本は世界から見ても『学習天国』と言われることもあります」と日本の画像生成AIを巡る状況を指摘。

「既存のイラスト投稿サイトやXでイラストを非公開・削除する動きが一時期広がったり、Xのプロフィールに『AI学習禁止』の文言を記載し、自衛を図るクリエイターも多く見られる」状況を鑑み、クリエイターが安心してイラストを世の中に公開できるよう、emamoriを開発したと説明している。

emamoriでは正式リリースに伴い招待制を撤廃。基本無料で利用でき、Mist上位モデルやサイト内の追加機能を利用できる有料プランが用意されている。
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