VTuber事務所・ホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社が8月12日、生成AIを使用した所属タレントのファンアートの取り扱いに関する方針を明かした。
同日、カバー社は6月26日に実施した株主総会の質疑応答の内容を公式サイトで公開。
その中で、「AI製ファンアートへの対応を一本化するべきではないか」との質問に回答する形で「生成AIの活用と悪用は分けて考えており、違法なものについては法的措置も含めて対応する」との見解を披露した。
ホロライブ所属VTuberがAIイラストへの対応を迫られる現在
倫理的・法的・社会的観点から賛否両論を呼ぶ生成AIを巡って、ホロライブでは2022年、所属タレントの夏色まつりさんらが「AIイラストはファンアートとか自作発言はしないようにお願いします」などとXに投稿。
2025年2月にも大神ミオさんが、「サムネイルにAIイラストを使用しないという方針がある」と説明し、自身の配信のサムネイルに使用したファンアートの差し替え対応を実施。
対して、ファンアートの作者が画像生成AIの使用を否定したことから物議を呼び、結果として大神ミオさんが「100%AIイラストだと確定する情報はない状態で早計に対応を進めてしまった」と謝罪する事態になった。
直近でも8月2日、風真いろはさんが、YouTubeでのライブ配信でサムネイルにAIイラストを利用しているとの指摘を受け、差し替え対応をする事態に。
風真いろはさんはその後、「AI生成を使用したイラストに関しましては必ずその旨を表記して投稿いただくか、風真いろはのイラストタグを付けずに投稿していただくなどのご配慮のほどよろしくお願いいたします」とXに投稿(外部リンク)。
このように各タレントそれぞれが、個別に対応を迫られる状況となっている。
カバー社「生成AIの活用と悪用は分けて考える」
株主総会では、そうした状況を念頭に「競合他社のように事務所としてAI製ファンアートへの対応を一本化するべきではないか」との質問が行われた。
この質問に対し、カバー社は「AIの活用という観点においては、AIに対する理解を深めながら動向を注視し、慎重に検討を進めております。また、生成AIの活用と悪用は分けて考えており、違法なものについては法的措置も含めて対応する方針です」との見解を披露した。
なお、他社の事例として、Brave group傘下のバーチャルエンターテイメントが運営するVTuberグループ・ぶいすぽっ!が6月、ぶいすぽっ!のAIイラストに関して注意喚起を実施(外部リンク)。
こちらでは「AIイラストを投稿する際には『ファンアートタグ』を使うことは控える」「AIイラストを投稿する際は『#AIイラスト』のハッシュタグを必須で使う」という2つを遵守するよう求めている。

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