OpenAI開発の動画生成AI「Sora」やGoogleの動画生成AI「Veo 3」の登場により、にわかにYouTube上でブームとなりつつある「AI系YouTuber」。
昨今、ポップカルチャー界で一大トレンドとなった怪談/ホラー系コンテンツにも、その波が押し寄せています。
たとえば、生成AIを用いて制作された怪奇創作を投稿するYouTubeチャンネル「この映像は正常です。」もその一つ。
5月13日の動画投稿開始から約3ヶ月あまりで、チャンネル登録者数は2.8万人を記録。最も再生されている動画の再生数は40万回再生を突破するなど、新鋭チャンネルとしては驚異の伸びを見せています。
AIアートが醸し出す不自然さ/奇妙さをホラーに活用
「この映像は正常です。」が投稿しているのは、リミナル・スペース(誰もいないのビルの廊下や閉店後のショッピングモールなど、現実と非現実の境界にあるような空間)やアナログホラー(VHSなどのアナログ画質のホラー映像)など。
近年の怪談/ホラー系コンテンツのトレンドを踏襲した映像作品です。
以前から性能や品質が向上したとはいえ、まだまだ完璧とは言い難い、AIで生成された映像特有の不自然さ/奇妙さ、不気味さ/不穏さを、ホラー映像に活用。
また、あえてアナログ画質に落とすことで、動画生成AIのクオリティ面での限界をカバーするなど、工夫が凝らされています。
ホラーコンテンツにも生成AIブームが到来?
こういった生成AIと怪談/ホラーを組み合わせた怪奇創作チャンネルは、「この映像は正常です。」だけではありません。
先行例として「遷移圏見聞録」(2023年投稿開始、現在登録者19万人)や「STRANGE LOVE」(2024年投稿開始、現在登録者19万人)なども挙げられます。
その在り方の是非はいまだ議論が続いてはいますが、圧倒的に作業時間や制作コストが短縮されることには違いない生成AI。
ホラー界に限らず、近い将来、生成AIで制作された動画がYouTubeを席巻する時代が来るかもしれません。
少なくとも、このまま動画生成AIの進化や普及が進むのであれば、このムーブメントはまだまだ続きそうです。

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