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「画像生成AIから自分のイラストを守る」学習・模倣の対策ツール「Glaze」無償公開へ

「画像生成AIから自分のイラストを守る」学習・模倣の対策ツール「Glaze」無償公開へ

画像生成AIの対策ツール「Glaze」/画像はすべてGlaze Projectの公式サイトより

米シカゴ大学の学術研究グループが、「Midjourney」「Stable Diffusion」などの画像生成AIに画風や絵柄などのアートスタイルを学習・模倣されないようにするツール「Glaze」を発表した。

「Glaze」は、アートワークへ人間の目にはほとんど見えない微小な変更を加えるツール。それによって、画像生成AIがそのアートワークを学習する際、別の画風(例えばゴッホなど)に解釈させるものだという。

同研究グループは、今後数週間のうちにMacおよびWindows向けに「Glaze」のアプリケーションを無償でリリースするとしている。

画像生成AI対策「Glaze」 プロ1000人の内9割が評価

「Glaze」はアートワークに非常に小さな変更(style cloak)を加え、画像生成AIにそのスタイルを学習・模倣させないようにする

機械学習の“侵略的な使用”からインターネットユーザーを保護することに関心がある学術研究グループ・Glaze Projectによって発表された「Glaze」。

その技術の詳細については、米・コーネル大学が運営するWebサイト・arXiv.orgに投稿された論文「GLAZE: Protecting Artists from Style Mimicry by Text-to-Image Models」(外部リンク)で紹介されている。

論文によれば、同研究グループは「Glaze」に関するユーザー調査を1,100人以上のプロのアーティストに対して実施。

その内92%が「Glaze」による対策処理が作品の価値を損なわないほど小さいと回答しており、93%は「Glaze」が画像生成AIによるアートスタイルの学習・模倣対策に有効であると評しているという。

Glazeの研究者「残念ながら、AIの模倣に対する恒久的な解決策ではない」

「もし、あなたのデジタルアート作品に、模倣を困難にする『cloak layer』を追加することができたらどうでしょう?」

Glaze Projectは、公式サイト上で前置きとして「残念ながら、『Glaze』はAIの模倣に対する恒久的な解決策ではありません」と言及。

画像生成AIに使用されている技術は急速に進化しており、現在「Glaze」に使用されている技術も、将来的には克服されうることを説明している。

その上で、「『Glaze』とその後続プロジェクトが、より長期的な(法的、規制的)取り組みが定着するまでの間、アーティストにある程度の保護を提供することを望んでいます」と、「Glaze」の研究開発および発表に至った経緯を明らかにした。

Glaze Projectは今後、継続的にツールを更新して、画像生成AIに対する堅牢性の向上を目指すとしている。

画像生成AIの是非を巡る

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