CLIP STUDIO PAINT、画像生成AI機能の実装中止へ「気持ちに寄り添えなかった」

CLIP STUDIO PAINT、画像生成AI機能の実装中止へ「気持ちに寄り添えなかった」
CLIP STUDIO PAINT、画像生成AI機能の実装中止へ「気持ちに寄り添えなかった」

CLIP STUDIO PAINT

CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント/通称・クリスタ)を開発・運営するセルシスは12月2日、試験実装される予定だった機能「画像生成AIパレット」の搭載中止を発表した。

クリスタはイラスト・漫画制作などに使用されるアプリケーション。11月29日に画像生成AIによる作画補助機能「画像生成AIパレット」の試験導入が発表されていた。

告知以降、ユーザーから多数の批判を集めたことを受け、セルシスは「皆様にご不安・ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません」と謝罪した。

画像生成AI「Stable Diffusion」に基づく機能

搭載中止となった「画像生成AIパレット」機能
「画像生成AIパレット」は、画像生成AIモデル「Stable Diffusion」に基づく機能。12月6日(火)に公開するVer.1.13.0の無償アップデートで試験実装が予定されていた。

テキストと枚数を入力することで画像を生成。パラメータの変更によって画像を調整することができ、「画像とテキストを組み合わせた画像生成も可能」としていた。

「画像生成AIパレット」発表時、セルシスは「CLIP STUDIO PAINTは、創作活動をより身近にしたいという考えをもとに、これまでもAIを活用した機能(自動彩色、ポーズスキャナーなど)を提供してきました」と説明。

その上で「同じように、画像生成AIはクリエイターにとって創作活動をより楽しく、より身近にする可能性を秘めていると考えています」とスタンスを表明した(外部リンク)。

試験実装で「画像生成AIが創作活動と共存できるのか」模索

同発表時、画像生成AIに対して、クリエイターから様々な懸念が出ていることなどにも触れた上で、実装の目的も説明している。

「画像生成AIが創作活動とどのように共存できるのか、またセルシスはこの新しい技術にどのようにアプローチしていくべきなのか(中略)ユーザーの皆様とのコミュニケーションを通じて検討を行いたいと考えています」

「画像生成AIパレット」試験実装のTwitterでの告知に際して、セルシスは「今回の実装にあたりユーザーデータをAI学習用に一切提供しておらず、今後もユーザーの明確な同意なしにデータを収集・利用することはありません」と明言(外部リンク)。

またユーザーに対しては、「ユーザーの皆様の声と機能の利用状況をもとに、画像生成AIの創作活動への活用に関する検討をすすめ、ユーザーの皆様により便利に、安心してお使いいただける形での実装を目指してまいります」と呼びかけた(外部リンク)。

批判受けセルシス「私達は完全に認識を改めました」

しかし、今回のセルシスの発表によれば、「画像生成AIパレット」の告知以降、ユーザーから次のような意見が集まったという。

・現状の方式の画像生成AIが、著作権を侵害していなくとも、誰かの著作物を利用して画像が生成されており、その由来が不明であるアプリは使いたくない。
・アーティストの為のツールを名乗っているが、画像生成AI機能はむしろアーティストを苦境に追い込み、その活動を阻害する。
・倫理的に問題がない方法で収集されたデータを利用していないのであれば、使えない。
・CLIP STUDIO PAINTを使っただけで、画像生成AIで作ったと疑われてしまう。
・なぜ要望が多い機能の改善に取り組まずに、問題視されている機能を追加するのか理解できない。
・信用できない機能が搭載されている道具は、創作のパートナーとして受け入れられない。
・他者の権利が侵害される可能性のある画像が生成され得る機能を提供しておいて、そうならないよう自身で気をつけてほしい、というセルシスのスタンスは無責任だ。 CLIP STUDIO PAINT公式サイトより

これらの批判を重く受け止めたセルシスは、「私達は完全に認識を改めました」と方針の転換を表明。

「皆様に新しい創作の体験をしていただきたい、という想いで開発を進めてきましたが、体験していただく以前に必要な配慮が欠けていました」と反省を述べた。

加えて、「画像生成AI技術をどのように創作活動に活用できるかにとらわれ、創作の道具としてCLIP STUDIO PAINTをご利用いただいている皆様の気持ちに寄り添えなかったことを反省し、お詫びいたします」と謝罪した。

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2件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:6586)

長年かけて磨かれたアーティストの作風を模倣して、アーティストに対価を支払わず、そのトレーニングから利益を得てる泥棒は法律で規制されるべき

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:6268)

この後、中韓よりAI機能実装のお絵描きアプリがリリースされ、日本製アプリは市場から駆逐されるのでした。