文化庁が「AIと著作権に関する考え方について」と題した素案を、12月20日に文化審議会著作権分科会の法制度小委員会でまとめた。
その中で、生成AI(ジェネレーティブAI)を利用して生成されたコンテンツについて、どのような場合に著作権で保護される著作物性が発生するか、現時点での見解を示した。
プロンプトなど指示/入力が詳細な場合、(著作権の根拠となる)創作的寄与があると評価される可能性を高めるとしている。
著作権法上の従来の解釈における著作者の認定と同様、生成AIに対する指示がアイデアにとどまるような場合には、AIを利用して生成されたコンテンツ(AI生成物)に著作物性は認められないとした。 著作物性については、個々のAI生成物について個別具体的な事例に応じて判断。判断基準として4つの要素を挙げている。
1つ目として挙げられたのが、プロンプトなど生成AIに対しての指示/入力の分量や内容である。
これについては、詳細な指示は(著作権の根拠となる)創作的寄与があると評価される可能性を高めるとした一方で、たとえ長大であったとしても表現に至らない指示は、そのような判断に影響しないとの見解を示した。
2つ目には、AI生成の試行回数に言及。単純に試行回数が多いこと自体は創作的寄与の判断に影響しないが、AIによって生成されたコンテンツを確認し、繰り返し指示・入力を修正する場合には、著作物性が認められることも考えられるとした。
一方で、生成AI以外で通常創作性があると考えられてる行為であっても、その要素として選択行為があるものもあると指摘。そうした行為との関係について考慮する必要があるとした。
最後はAIが生成した後の加筆/修正について。これについては、人間が加筆/修正を加えた部分は創作的表現であり著作物性が認められるが、それ以外の部分が著作権で保護されるかの判断には影響しないとの考えだ。
なお、その際も「他のAI製品に関しては『Midjouerney』と異なる動作をする可能性がある」と、個別具体の判断であることを強調したほか、イラスト以外の部分、人間が行ったテキスト作成や編集・レイアウトについては著作権を認めている。
こうした判断に比較して、今回の素案では「詳細な指示は創作的寄与があると評価される可能性を高める」との見解が示されており、より踏み込んだ判断と言える。
なお今後、文化庁では素案などを元に、法改正の可否なども含めた議論を重ねる予定だ。
その中で、生成AI(ジェネレーティブAI)を利用して生成されたコンテンツについて、どのような場合に著作権で保護される著作物性が発生するか、現時点での見解を示した。
プロンプトなど指示/入力が詳細な場合、(著作権の根拠となる)創作的寄与があると評価される可能性を高めるとしている。
生成AIへの詳細な指示が著作権の根拠となるとの見解
素案では、生成AIに対する指示の具体性とAI生成物の著作物性との関係について、現状の見解を整理。著作権法上の従来の解釈における著作者の認定と同様、生成AIに対する指示がアイデアにとどまるような場合には、AIを利用して生成されたコンテンツ(AI生成物)に著作物性は認められないとした。 著作物性については、個々のAI生成物について個別具体的な事例に応じて判断。判断基準として4つの要素を挙げている。
1つ目として挙げられたのが、プロンプトなど生成AIに対しての指示/入力の分量や内容である。
これについては、詳細な指示は(著作権の根拠となる)創作的寄与があると評価される可能性を高めるとした一方で、たとえ長大であったとしても表現に至らない指示は、そのような判断に影響しないとの見解を示した。
2つ目には、AI生成の試行回数に言及。単純に試行回数が多いこと自体は創作的寄与の判断に影響しないが、AIによって生成されたコンテンツを確認し、繰り返し指示・入力を修正する場合には、著作物性が認められることも考えられるとした。
選択式のAIや生成後の加筆修正にも言及
3つ目に挙げられているのは、AIが複数の生成結果を表示し、それをユーザーが選択するパターンについて。単なる選択行為自体は創作的寄与の判断に影響しないとしている。一方で、生成AI以外で通常創作性があると考えられてる行為であっても、その要素として選択行為があるものもあると指摘。そうした行為との関係について考慮する必要があるとした。
最後はAIが生成した後の加筆/修正について。これについては、人間が加筆/修正を加えた部分は創作的表現であり著作物性が認められるが、それ以外の部分が著作権で保護されるかの判断には影響しないとの考えだ。
アメリカでは「著作権は認められない」との見解も
AIを利用して生成されたコンテンツについては、2023年2月にアメリカ合衆国著作権局が、画像生成AI「Midjourney」を利用した漫画内のイラストについて、著作権は認められないという見解を示している。 当時、アメリカ合衆国著作権局は「どんなイラストを生成するかユーザーが予測できない点」を指摘。なお、その際も「他のAI製品に関しては『Midjouerney』と異なる動作をする可能性がある」と、個別具体の判断であることを強調したほか、イラスト以外の部分、人間が行ったテキスト作成や編集・レイアウトについては著作権を認めている。
こうした判断に比較して、今回の素案では「詳細な指示は創作的寄与があると評価される可能性を高める」との見解が示されており、より踏み込んだ判断と言える。
なお今後、文化庁では素案などを元に、法改正の可否なども含めた議論を重ねる予定だ。
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