アメリカ合衆国著作権局(U.S. Copyright Office)が、画像生成AI「Midjourney」で生成したクリス・カシュタノバさんの漫画『Zarya of the Dawn』内のイラストについて、彼女に著作権は認められないという見解を2月21日に示した。
アメリカ合衆国著作権局は、「Midjourney」で生成されたイラストについて、テキストプロンプトを入力したユーザーではなく、出力したMidjourneyに“著作者たる伝統的な要素”があることは「明らか」だと指摘。
「Midjourney」がどんなイラストを生成するかユーザーが予測できない点をもって、他の創作ツールの著作権法上の扱いと異なると説明している。
なお、クリス・カシュタノバさん自身が行ったテキストや本作の編集・レイアウトについては、アメリカ合衆国著作権局は著作権を認めている。
事の発端となったのは2022年9月、クリス・カシュタノバ(Kris Kashtanova)さんが、漫画『Zarya of the Dawn』の著作権登録を申請したところから始まる。
『Zarya of the Dawn』は、画像生成AI「Midjourney」で生成されたイラストが使用された全18ページの漫画作品。テキストの作成および本作の編集はクリス・カシュタノバさん自身が行なったとしている。
申請の際にその旨が記されていなかったことから、同年10月、アメリカ合衆国著作権局はクリス・カシュタノバさんに対し、却下されるべきではない理由を示さない限り、漫画『Zarya of the Dawn』の著作権登録を取り消すと通達した。
対して同年11月、クリス・カシュタノバさんは弁護士を通じて、「『Midjourney』は単に創作支援ツールとして機能しているだけであり、自身が漫画『Zarya of the Dawn』のあらゆる側面を著作している」そして「自身がテキストの作成および本作の編集を行ったため、登録可能である」と主張した。
アメリカ合衆国著作権局は、漫画『Zarya of the Dawn』について、テキストおよび本作品の文字・視覚的要素の選択、調整、および配置の著作者はクリス・カシュタノバさんであると結論づけた。
その一方、「Midjourney」で生成されたイラストの著作者に関してはクリス・カシュタノバさんではないとし、現在の著作権登録を取り消して新たな証明書を再発行する予定としている。
なお、クリス・カシュタノバさんは、「Midjourney」で生成された画像のいくつかを、自身が編集したことを示唆しているが、アメリカ合衆国著作権局はその変更が著作権を得るほどに十分なほど創造的であると言い難いと退けている。
なお、アメリカ合衆国著作権局は、「他のAI製品に関しては『Midjouerney』と異なる動作をする可能性がある」と、あくまで個別具体の判断であることを強調している。
アメリカ合衆国著作権局は、「Midjourney」で生成されたイラストについて、テキストプロンプトを入力したユーザーではなく、出力したMidjourneyに“著作者たる伝統的な要素”があることは「明らか」だと指摘。
「Midjourney」がどんなイラストを生成するかユーザーが予測できない点をもって、他の創作ツールの著作権法上の扱いと異なると説明している。
なお、クリス・カシュタノバさん自身が行ったテキストや本作の編集・レイアウトについては、アメリカ合衆国著作権局は著作権を認めている。
画像生成AI「Midjourney」を使用した漫画の著作権登録を巡り騒動に
「Midjourney」は、Midjourney社が開発・運営するDiscord上のサービス。「テキストプロンプト」と呼ばれるAIへの命令コマンドを入力すると、その内容に応じたイラストが出力される。事の発端となったのは2022年9月、クリス・カシュタノバ(Kris Kashtanova)さんが、漫画『Zarya of the Dawn』の著作権登録を申請したところから始まる。
『Zarya of the Dawn』は、画像生成AI「Midjourney」で生成されたイラストが使用された全18ページの漫画作品。テキストの作成および本作の編集はクリス・カシュタノバさん自身が行なったとしている。
作者は「『Midjourney』は創作支援ツールに過ぎない」と主張
当初、アメリカ合衆国著作権局は『Zarya of the Dawn』の著作権登録を認めていたものの、後にクリス・カシュタノバさんのSNS上の発言(外部リンク)により、本作が「Midjourney」を使用して制作されたものであると発覚。申請の際にその旨が記されていなかったことから、同年10月、アメリカ合衆国著作権局はクリス・カシュタノバさんに対し、却下されるべきではない理由を示さない限り、漫画『Zarya of the Dawn』の著作権登録を取り消すと通達した。
対して同年11月、クリス・カシュタノバさんは弁護士を通じて、「『Midjourney』は単に創作支援ツールとして機能しているだけであり、自身が漫画『Zarya of the Dawn』のあらゆる側面を著作している」そして「自身がテキストの作成および本作の編集を行ったため、登録可能である」と主張した。
『Midjourney』生成画像の著作権は認められず 証明書再発行へ
その主張を踏まえて米時間2月21日、アメリカ合衆国著作権局が書簡(外部リンク)で明らかにしたのが今回の見解である。アメリカ合衆国著作権局は、漫画『Zarya of the Dawn』について、テキストおよび本作品の文字・視覚的要素の選択、調整、および配置の著作者はクリス・カシュタノバさんであると結論づけた。
その一方、「Midjourney」で生成されたイラストの著作者に関してはクリス・カシュタノバさんではないとし、現在の著作権登録を取り消して新たな証明書を再発行する予定としている。
なお、クリス・カシュタノバさんは、「Midjourney」で生成された画像のいくつかを、自身が編集したことを示唆しているが、アメリカ合衆国著作権局はその変更が著作権を得るほどに十分なほど創造的であると言い難いと退けている。
なお、アメリカ合衆国著作権局は、「他のAI製品に関しては『Midjouerney』と異なる動作をする可能性がある」と、あくまで個別具体の判断であることを強調している。
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:9879)
そりゃそうやろな
著作権取りたいなら、自分の手で描けばええのに