DLsiteがAI生成作品の取扱いを一時停止 国内主要サービスのAI規制相次ぐ

DLsiteがAI生成作品の取扱いを一時停止 国内主要サービスのAI規制相次ぐ
DLsiteがAI生成作品の取扱いを一時停止 国内主要サービスのAI規制相次ぐ

大手ダウンロードショップ「DLsite」

株式会社エイシスが運営する同人誌や同人ゲームなどの大手ダウンロードショップ「DLsite」が、「AI生成作品」の販売を一時的に停止することを5月11日に発表した。

取扱い停止となる作品は、形式が漫画、CGイラスト、動画、素材集のうちいずれかに該当するAI生成作品。

「AI一部利用」の作品及び、作品形式がノベル、ゲームの作品については販売が継続される。しかし、AI技術の依存度が高い作品と判断された場合はその限りではない。

また、同社が運営するクリエイター支援サイト「Ci-en」でもAI生成コンテンツの投稿制限が発表された。

批判が高まるAI生成画像と、各社の対応

AI生成画像及びイラストを巡っては、特定クリエイターの絵柄を学習させたモデルを用いた「なりすまし」等の悪用や、大量投稿によるプラットフォームや作家への影響等から、国内のクリエイターやファンから批判が相次いでいた。

5月10日にはピクシブ社が運営する「pixivFANBOX」でのAI生成作品の取り扱い禁止の意向が示され、虎の穴社が運営する「ファンティア」でも一時停止。 警告や非公開化等の審査の見直しと、利用規約やガイドラインの改定が行われる旨が告げられている。

AI生成画像で経済活動を行うAI絵師やAIグラビアアイドルの存在

2022年8月から9月にかけて、大きな話題となった「Stable Diffusion」や「Midjourney」といった画像生成AI。

クリエイターの創作活動を助ける革新的な技術として期待される一方で、権利侵害のリスクを孕んでいること、画像生成スピードの圧倒的な効率から、既存作家に不利益をもたらすリスクも懸念されていた。

関連団体から法整備を求める声が挙げられるほか、倫理的な扱い方を巡っての議論は行われてはいるものの、行政や企業間の対応は追いついていないのが現状だ。 一方でネット上では画像生成AIに関する技術的な知見や情報がすでに多く共有されており、2023年現在ではより高いレベルで、より平易に画像を生み出すことが可能となっている。

その中で登場したのが「AI絵師」や「AIグラビアアイドル」「AIコスプレイヤー」と呼ばれる存在だ。 彼らは画像生成AIで出力した画像を用い、SNSでファンコミュニティを形成。そこからマーケットプレイスやファンコミュニティサービスへと送客することで、AI生成画像による経済活動を成立させている。

しかし今回の発表により、国内主要プラットフォームでのAI生成画像の販売や経済活動は実質的に禁止に。今後は規制の少ない海外プラットフォームや、よりアンダーグラウンドなWebサービスへと移行が進むと考えられる。

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1件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:6868)

まあ当たり前の対応
誰の作品を学習させてるか分からないのに金取ろうとしてるAIユーザーが異常
中には分かった上で(自分で学習させたり)やってるゴミもいる
ユーザーが悪いのは知ってるが、こんな感じで広がってくならAI発展しなくていい

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