イラストコミュニケーションサービス・pixivが、AI生成コンテンツを巡る問題に関して声明を発表した。
現在多くの問い合わせが届いているという以下3点への対応について、その詳細が記載されている。
これに対する対応は、利用規約とガイドラインの改定となる。
具体的には、クリエイターの画風を模倣した作品を繰り返し投稿する行為などを禁止項目として追加。さらに取り締まりが強化されるという。この対応は5月2日に発表されたもので、5月中に改定が行われる。 また、新しい監視システムの追加導入を準備しているとのことで、AI生成技術の悪用のほか、「他人の活動をおびやかす行為、児童ポルノ、盗作など、pixiv利用上の問題がより発見しやすく」なるという。
これについては現在までにも様々な対策が行われていることを明かし、クローリングの検知など、現状の取り組みが技術的にも説明する記事が、オウンドメディア・pixiv insideで公開された(外部リンク)。
また、すでに導入されているフィルタリング機能(外部リンク)の認知度を上げるための施策も行うという。
賛否両論の画像生成AIをクリエイターを助けるツールとして捉え、AI技術との共存の道を模索してきた。 ところが2023年に入り、画像生成AIを活用したイラスト出力の方法論がまとまりはじめると、上記のような悪質な問題が頻出し、pixivユーザーからも被害を訴える声が挙がった。
翻ってAI技術との共存の道を模索するというpixivの姿勢が、一部のイラストレーターや関係者から問題視されることとなり、SNS上で批判の声が上がるように。
直近では著名なイラストレーターもpixiv上で公開していた作品を非公開にするなど、いわゆる抗議行動が以前にもまして散見されるようになっていた。 5月2日に声明を発表していたpixivが、1週間後の5月9日に改めて声明を発表したことには、この抗議行動も影響したと思われる。
画像生成AIにまつわる技術や環境、そして問題意識が刻一刻と変化を続ける中で、国内で最大級ともいえるクリエイター/ユーザーを抱えるpixivがどう動いていくのか。画像生成AIの在り方を考える上でも注目したい。
現在多くの問い合わせが届いているという以下3点への対応について、その詳細が記載されている。
また、関連サービスのpixivFANBOXについても対応が検討されており、こちらは近日中に発表されるようだ。問題① 特定のクリエイターが不利益を被ること
問題② プログラムなどで、クリエイターの作品が不当に収集されること
問題③ AI生成作品を見たくないユーザーにも、AI生成作品が多く表示されることpixiv公式サイト「AI生成に関わる問題と、対応についてご報告」から
pixiv、新しい監視システムを追加導入
pixivが発表した問題の1つ目「特定のクリエイターが不利益を被ること」は、画像生成AIによってクリエイターの画風が模倣され、なりすまし被害を受ける、あるいは無断でクリエイターの名前が使われることでの不利益を指している。これに対する対応は、利用規約とガイドラインの改定となる。
具体的には、クリエイターの画風を模倣した作品を繰り返し投稿する行為などを禁止項目として追加。さらに取り締まりが強化されるという。この対応は5月2日に発表されたもので、5月中に改定が行われる。 また、新しい監視システムの追加導入を準備しているとのことで、AI生成技術の悪用のほか、「他人の活動をおびやかす行為、児童ポルノ、盗作など、pixiv利用上の問題がより発見しやすく」なるという。
クローリングの検知など対応策の詳細を説明
問題の2つ目「プログラムなどで、クリエイターの作品が不当に収集されること」は、画像生成AIが画風を模倣する“学習元”となるイラストが、不当な目的のために大量に収集されることを指す。これについては現在までにも様々な対策が行われていることを明かし、クローリングの検知など、現状の取り組みが技術的にも説明する記事が、オウンドメディア・pixiv insideで公開された(外部リンク)。
大量投稿への対策を強化、フィルタリング機能の認知度向上策も
問題の3つ目「AI生成作品を見たくないユーザーにも、AI生成作品が多く表示されること」については、AI生成作品の大量投稿への対策を強化すると予告。また、すでに導入されているフィルタリング機能(外部リンク)の認知度を上げるための施策も行うという。
pixivのAI生成技術との共存の道は拓けるのか
pixivは、「Stable Diffusion」「Midjourney」「NovelAI Diffusion」などの画像生成AIが勃興した2022年から、AI生成技術に対する方針を発表。賛否両論の画像生成AIをクリエイターを助けるツールとして捉え、AI技術との共存の道を模索してきた。 ところが2023年に入り、画像生成AIを活用したイラスト出力の方法論がまとまりはじめると、上記のような悪質な問題が頻出し、pixivユーザーからも被害を訴える声が挙がった。
翻ってAI技術との共存の道を模索するというpixivの姿勢が、一部のイラストレーターや関係者から問題視されることとなり、SNS上で批判の声が上がるように。
直近では著名なイラストレーターもpixiv上で公開していた作品を非公開にするなど、いわゆる抗議行動が以前にもまして散見されるようになっていた。 5月2日に声明を発表していたpixivが、1週間後の5月9日に改めて声明を発表したことには、この抗議行動も影響したと思われる。
画像生成AIにまつわる技術や環境、そして問題意識が刻一刻と変化を続ける中で、国内で最大級ともいえるクリエイター/ユーザーを抱えるpixivがどう動いていくのか。画像生成AIの在り方を考える上でも注目したい。
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