漆芸作家・池田晃将(いけだてるまさ)さんの個展「池田晃将の螺鈿」が、9月5日(金)から21日(日)まで、東京のギャラリー・銀座一穂堂で開催される。
池田晃将さんといえば、奈良時代から存在する螺鈿(らでん)という装飾技法に現代科学技術を取り入れ、数字をデザインした作品で知られる作家だ。
個展の会場では過去最大スケールの新作を初公開。開発期間7年を要したというミクロの螺鈿技術を駆使した最新作を展示する。
サイバー漆工芸で“未来の遺物”を生み出す池田晃将
池田晃将さんは、1987年千葉県生まれの工藝美術家。漆器にアワビなどの貝殻の真珠層を貼り付ける螺鈿という装飾技法に、レーザー加工や超音波振動といった現代科学技術を応用して、革新的な表現を生み出している。
作品のデザインにおいて、昔ながらの花鳥風月の意匠に代わり、誰もが理解できる「数字」という記号を螺鈿に用いているのが特徴だ。
池田晃将さんの作品
池田晃将さんの作品
集積回路やピクセルなどを、極小の貝片にカットして組み込み、「デジタルと自然」「有機と無機」が交差する唯一無二の表現を確立。
その作品は茶器、香合、小箱といった工芸の形式を取りながら、数字やデジタル信号、半導体のような人工的な幾何模様が螺鈿として輝く。
映画『マトリックス』をはじめとしたSF作品にも通じるサイバー感漂うデザインは、手のひらに乗る“未来の遺物”とも称され、KAI-YOUでもこれまでたびたび紹介してきた。
池田晃将、同時期開催「Tokyo Gendai」にも出展
池田晃将さんの作品は、9月12日(金)から14日(日)までパシフィコ横浜で開催される国際的アートフェア「Tokyo Gendai」でもIppodo Gallery Tokyoのブースでも展示。
同イベントで池田晃将さんは、銀座一穂堂所属の代表作家として、個展では見ることのできない新作を展示。国内外で注目を集める池田晃将の活動を、個展とアートフェア両方で知ることができる。
なお、ギャラリーの銀座一穂堂では、個展開催およびアートフェア出展に先駆けて、池田晃将さんの作品集を発売。すでにギャラリーの公式サイトで発売中だ。
『池田晃将 作品集』/画像は銀座一穂堂公式サイトより
収録作品数は初期作品から2025年発表の最新作まで約200点。240ページに及ぶ見応えのある作品集となっている。価格は発刊記念特典付きが45000円(税込)、特典なしが35000円(税込)。

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イベント情報
池田晃将の螺鈿
- 会期
- 2025年9月5日(金)〜9月21日(日)
- 営業時間
- 11:00〜18:00(月曜休廊) ※事前予約不要
- 会場
- 銀座一穂堂(〒104-0061 東京都中央区銀座1-8-17 伊勢伊ビル3F)
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