金色に縁取られた深みのある黒い正方形に平行、直角が織りなす科学的な数字模様。見ていると吸い込まれそうな美しさを放ってます。
これは漆芸作家の池田晃将さんの作品。実はこの作品、3Dプリンターなどに機械でつくったものではなく、日本の伝統技術「漆」を使って手でつくられたものなのです。
一体どのようにしてこのような作品を生み出しているのでしょうか? 気になったKAI-YOU編集部は池田さんにお話をうかがいました。
池田晃将さんの作品をもっとみる
金沢美術工芸大学、同大学院で漆や木工について学んんだのち、現在は金沢にある伝統工芸の継承発展と文化振興を図るための工芸の総合機関「卯辰山工芸工房」に所属しています。
サブカルチャーからも大きな影響を受けているという作品は、漆や工芸という枠組みを超えて現代の不確定な表情を投影しています。
一般的には貝の厚みが0.2ミリですが、池田さんの作品では0.08ミリほどの厚さのものを使用。限りなく薄くすることで貼る塗面の黒を透かせ、彩色だけを際だせることで、繊細で落ち着いた輝きを放つことを可能にしています。
仕上げは「呂色仕上げ」という技法で4、5回ほど漆を塗り重ね模様を丁寧に露出させてから研磨し、最終的には砥石の粉、さらにはチタンの粉を使って手で磨き上げて完成させます。池田 晃将 漆 Terumasa Ikeda Introduction of Urushi work
数字の箱などはピースを何千個と用意し、その中から色の綺麗なものだけを貼っており、美しさを凝縮したような全体感が出るのが池田さん作品の大きな特徴。
これらの貝のピースは研ぎ出す際に消失するかしないかの限界の薄さなのでかなりの技術を要するらしく、国内には池田さんより薄い貝を使う作家はほとんどいないそうです。 制作には漆が乾くのに10時間以上、30ほどの工程を踏むので小さい箱でも3ヶ月近くかかるのだとか。
そんなに時間がかかる作品をいくつも生み出していることを考えると、その繊細すぎる職人技に脱帽してしまいます。
会期は10月2日(水)から8日(火)まで。池田さん自身、5年半ぶりの個展でさらに東京での個展は今回が初となります。
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これは漆芸作家の池田晃将さんの作品。実はこの作品、3Dプリンターなどに機械でつくったものではなく、日本の伝統技術「漆」を使って手でつくられたものなのです。
一体どのようにしてこのような作品を生み出しているのでしょうか? 気になったKAI-YOU編集部は池田さんにお話をうかがいました。
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伝統工芸を現代風なテイストで再現する池田晃将
池田晃将さんは千葉県出身の美術作家。金沢美術工芸大学、同大学院で漆や木工について学んんだのち、現在は金沢にある伝統工芸の継承発展と文化振興を図るための工芸の総合機関「卯辰山工芸工房」に所属しています。
サブカルチャーからも大きな影響を受けているという作品は、漆や工芸という枠組みを超えて現代の不確定な表情を投影しています。
池田さんの作品ができるまでの課程
池田さんの作品は檜などの木製の素材に漆を塗布し、そこに夜光貝などの光沢のある貝を薄く、平たく研磨し貼り付ける「薄貝技法」と呼ばれる技法でつくられています。一般的には貝の厚みが0.2ミリですが、池田さんの作品では0.08ミリほどの厚さのものを使用。限りなく薄くすることで貼る塗面の黒を透かせ、彩色だけを際だせることで、繊細で落ち着いた輝きを放つことを可能にしています。
仕上げは「呂色仕上げ」という技法で4、5回ほど漆を塗り重ね模様を丁寧に露出させてから研磨し、最終的には砥石の粉、さらにはチタンの粉を使って手で磨き上げて完成させます。
これらの貝のピースは研ぎ出す際に消失するかしないかの限界の薄さなのでかなりの技術を要するらしく、国内には池田さんより薄い貝を使う作家はほとんどいないそうです。 制作には漆が乾くのに10時間以上、30ほどの工程を踏むので小さい箱でも3ヶ月近くかかるのだとか。
そんなに時間がかかる作品をいくつも生み出していることを考えると、その繊細すぎる職人技に脱帽してしまいます。
東京で初の個展も
そんな池田さんの作品が楽しむことができる個展『電光装飾ーCyber Effectー池田晃将漆芸展』が日本橋髙島屋6階美術工芸サロンにて開催されます。会期は10月2日(水)から8日(火)まで。池田さん自身、5年半ぶりの個展でさらに東京での個展は今回が初となります。
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目を見張るアート作品
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