「THE HOPE 2023」レポート 世代を跨いだヒップホップの現在と熱狂

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「THE HOPE 2023」レポート 世代を跨いだヒップホップの現在と熱狂
「THE HOPE 2023」レポート 世代を跨いだヒップホップの現在と熱狂

ヘッドライナーをつとめた舐達麻のBADSAIKUSHさん photo by Yusuke Baba(Beyond the Lenz)

国内最大級の野外ヒップホップフェス「THE HOPE 2023」が、9月23日に東京都・江東区青海のお台場で開催された。

「THE HOPE 2023」にはヘッドライナーのBAD HOPちゃんみなさん、PUNPEEさん、¥ellow Bucksさん、舐達麻を筆頭に、50組以上のアーティストたちが出演。

30000枚のチケットは開催日を前に完売し、オーディエンスのボルテージでお台場は熱狂の渦に包まれた。

今回はその勢いを記したオフィシャルレポートをお届けする。

文:渡辺志保

目次

国内最大級のヒップホップ・フェス

photo by Daiki Miura

今年は開催場所をお台場に位置する野外の特設会場へと移し、二度目の開催となった「THE HOPE」。開催日を前に約30,000枚のチケットが完売し、文字通り日本最大級のヒップホップ・フェスに日本各地から大勢のオーディエンス、そしてアーティストらが集結した。

photo by Daiki Miura

エントランスを抜けると真っ白い「THE HOPE」のモニュメントが観客を迎え入れ、ステージと向かい合うエリアには、Bリーグのチームであるアルバルク東京のバスケットボール・コートや、フードトラックが並ぶ。

そしてその奥に設置されているのは、巨大なラジカセを模した豪華なDJブース。贅沢なサウンドシステムに囲まれ、総勢21組もの人気DJらが広場を揺らした。さらに場内にはTOMI-Eさんや鬼頭さんらによるグラフティアートも展示され、去年よりもさらに大規模なヒップホップ・フェスとして幕を開けた。

開場間も無くDJ NORIOさん、DJ KANJIさんの二人が開幕と同時にオーディエンスを温めると、事前に開催されたオーディションの勝者、横浜出身のCarzさんが登場。また、同オーディションの準グランプリであるLinkHoodTeitoさんの2組もDJステージでライブを披露し、フレッシュなエネルギーで観客を沸かせた。

その後、正午ちょうどに前面のスクリーンにTHE HOPEの映像が映し出され、いよいよ本編がスタートする。すでに前方のブロックはオーディエンスでパンパンの状態で、eydenさん、CYBER RUIさん、Bonberoさんらが登場し、アツいスタートを切った。

続いて、自らマイクを握り人気プロデューサーのXanseiさんが登場。

サプライズで、Leon Fanourakisさん、SANTAWORLDVIEWさんらも加わり「俺らは猿」をパフォーム。途中でMIYACHIさんが加わり「CHU-HI」に繋ぎ、最後はJUBEEさんとPALEDUSKさんも加わり、アグレッシブな新曲を披露。徐々に会場の一体感が強まっていく中、次いでOnly Uさんが登場し「Stranger」を躍動感いっぱいに歌う。

ralphさんも「Get Back」や「DOSHABURI (remix)」を立て続けにラップし、緩急つけたフロウでオーディエンスを巧みにコントロールしていく。間髪入れずにHideyoshiさんが現れると、再びLeon Fanourakisさんとralphさんを招き入れて「JITSURYOKU」を三人揃った状態で披露し、一気にオーディエンスを沸かせた。

世代を超えるステージの繋ぎ

D.Oさん photo by Yusuke Oishi (MARCOMONK)

転換を経て、次いで登場したのは漢 a.k.a GAMIさん。「デンジャラスなヤツが来るからな」と言い残した後にD.Oが現れた。それぞれ、OG(先輩)らしいメッセージを伝え、ステージからは威厳と経験が滲み出た。

バトンを継ぐようにしてRed Eyeさんが現れると、会場が一気に揺れ始める。世代を繋ぐようにして、その次はANARCHYさんのパフォーマンスへ。名プロデューサー、スタティック・セレクターさんのプロデュースによる新曲を披露し、そこにはなんとC.O.S.Aさんを呼び込み、予想外のコラボ・ステージを実現させた。

Watsonさん photo by Masanori Naruse

温まってきた客席をさらに焚き付けるのはWatsonさん。いくつものパンチラインを繰り出しながら、堂々とスピットし、さらにオーディエンスのエネルギーを引き出していく。

シークレット・ゲストとして登場したのは、KOWICHIさん、Candeeさん、Merry DeloさんらSELF MADEの面々。クルーの強みを活かしながら次々とマイクリレーを交わしていき、「TEIHEN」でオーディエンスを最高潮に沸かせた。

その後すぐ、ステージ上の DJブースにはYUTO&Dope Onigiriの姿が。NARIMIMIさん、RK Bene Babyさん、Choppa Caponeさん、Watsonさん、eydenさんらが次々と現れ、フロアを騒がせている話題曲を次々とラップしていく。

LANAさん photo by Masanori Naruse

勢いを止めぬまま、続いてはLANAさんの出番が。すでに大きなバズを生み出している彼女だが、「Turn It Up」から「L7 Blues」まで、タイトな持ち時間の中にぎゅっとLANAさんのエッセンスを詰め込んだ充実のパフォーマンスで魅了した。

灰色の雲が移動し、空に晴れ間が見える頃にステージへ現れたのはDADAさん。エネルギーいっぱいのステージをこなし、Watsonさんとの「Satsutaba」を披露したあと、「Highschool Dropout」で出番を締めた。

ダンサーを引き連れて安定のパフォーマンスで魅せたのはJP THE WAVYさん。「Wavebody」で登場し、MCを挟みながら「Cho Wavy De Gomenne」、「Neo Gal Wop」と満遍なく人気曲を繰り出していく。

Tohjiさん photo by cherry chill will.

青空が見える頃、続いてTohjiさんがステージ上に現れる。客席のボルテージが一気に上がり、”Mall Boys”のコール&レスポンスの後にはGummy Boyさんも加わり、さらにその熱気は高まっていく。

「Goku Vibes」のイントロが流れ、Tohjiさんの隣にはDJ CHARIさんの姿が。その後、DJ CHARIさんの掛け声と共に次々とゲスト・アーティストが登場し、Hideyoshiさん、Only Uさん、(sic)boyさん、Leon Fanourakisさん、MIYACHIさん、ゆるふわギャング、LANAさん、DADAさんまでが登場して新作EP『INNER WORLD』の楽曲を惜しみなくステージで再現してみせた。

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