「POP YOURS 2025」レポート 故JJJが生前構想していた演出を可能な限り実現

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KAI-YOU編集部_ストリートカルチャー部門
「POP YOURS 2025」レポート 故JJJが生前構想していた演出を可能な限り実現
「POP YOURS 2025」レポート 故JJJが生前構想していた演出を可能な限り実現

今回が「POP YOURS」初出演となった唾奇さん/撮影:Yukitaka Amemiya

日本最大級のヒップホップフェス「POP YOURS 2025」が、5月24日・25日の2日間に渡り、千葉・幕張メッセで開催された。

Jinmenusagiさん、JP THE WAVYさん、kZmさん、LANAさん、SEEDAさん、Watsonさん、Jin Doggさん、PUNPEEさん、唾奇さんらヒップホップアーティストたち総勢45組が幕張に集結。

DAY1のヘッドライナーは¥ellow Bucksさん、DAY2のヘッドライナーは故・JJJさんがつとめた。

2020年代のポップカルチャーとしてのヒップホップ」をテーマにスタートし、4回目を迎えた「POP YOURS」。果たして今回はどんなパフォーマンスが繰り広げられたのだろうか。オフィシャルレポートを見ていこう。

文・宮崎敬太

【写真】「POP YOURS 2025」フォトレポート

Jinmenusagi、Charluが「POP YOURS 」初登場

ヒップホップフェス「POP YOURS 2025」(主催:(株)スペースシャワーネットワーク)が、5月24、25日に千葉・幕張メッセ 展示ホール9-11で開催された。

2022年からスタートした「POP YOURS」は、BAD HOPの解散発表をはじめ、TohjiさんやLEXさんの独創的なステージなど、近年の日本のヒップホップシーンにさまざまな話題と大きな影響を与えてきた。

4回目となる今回は¥ellow BucksさんとJJJさんをヘッドライナーに据えて開催発表。昨年に続き、全出演者が明らかになる前にチケットがソールドアウトした。

「POP YOURS 2025」キービジュアル

来場者数は2日間合計で約35000人。YouTubeでは無料生配信され、視聴回数は合計約180万回にのぼった。

DAY1のオープニングDJはDJ YUTO。午前10時半から爆音のヒップホップで1万人以上が合唱する光景はもはや「POP YOURS」の風物詩。

そんな朝にぴったりのアーティストといえば、それはSEEDA。満タンのバイブスで「Daydreaming pt.2」などを歌った。

JinmenusagiさんとCharluさんは意外にも今回が初登場。抜群のライブスキルで観客のバイブスを沸騰させた。

Jinmenusagiさん/撮影:Ray Otabe

STACK THE PINKさん、ziproom️TOKYO世界さん、TeteさんがNEW COMER SHOT LIVEをかましたのち、赤い髪をスパイキーヘアのようにアレンジした7さんが「言った feat. MIKADO」などを歌った。

ダンサーを従えたeydenさんはパフォーマンスの端々からヒップホップカルチャーへの愛を滲ませた。

新曲を中心にセットリストを組んだFuji Taitoさん、実力と思い切りの良さで一気に人気アーティストの仲間入りしたKaneeeさん、美しい声とスムースなフロウが特徴の3Houseさんと続いていく。

kZmが残す名言「デカフェスの主役はお前ら」

凄まじい衝動を放ったのはKMさんだ。「力をくれ」(LEX)などのKMリエディット曲をマイクで激しく煽りながらプレイしたほか、彼がプロデュースした昨年のアンセム「Champions」にKaneeeさん、Kohjiyaさん、Yvng Patraさんを呼んで場内のエネルギーを爆発させた。

続くkZmさんは「デカフェスの主役はお前ら」と名言を残し、「DOSHABURI」「Teenage Vibe」などで幕張メッセを揺らした。JP THE WAVYさんは武器であるダンスにフォーカスし3曲も新曲を歌った。

JP THE WAVYさん/撮影:Daiki Miura

BIMさんはトレンドのサウンド感ではなく、オーセンティックなスタイルのヒップホップで「POP YOURS」にのぞんだ。だが客演のPUNPEEさんや、DJ ZAIさんの超絶スクラッチを要所に挟むことで、自分のスタイルは変えず、同時に観客もしっかり楽しませるライブを披露。そしてバンガー「DNA」には人気者のKohjiyaさんも加わって幕張をぶち上げた。

ANARCHYさんは観客と対話しながらポジティブなバイブスを交換し、IOさんはギターとキーボードをフィーチャーして自身の持つ哀愁と言葉の力をさらに際立たせていた。

PUNPEEさん、Kohjiyaさん、BIMさん/撮影:Taito Konishi

プライベートな祝い事が話題になったBenjazzyさんは「POP YOURS」で変わらぬラップ巧者ぶりをアピールした。

Watsonは持ち前の声の良さとワードチョイスのセンスで今年も際立っていた。大合唱の「阿波弁」に加え、Benjazzyさんと制作した新曲「Fashion Week」も歌った。

令和のギャルをレペゼンするLANAさんのスタイルはまさに“Street Princess”。かわいさとかっこよさを同時に表現するパフォーマンスや演出は今年も圧巻。「No.5 Remix」にはVingoも駆けつけた。

¥ellow Bucks「本当に好きなことなら、続けていればいつか必ずチャンスは来る」

DAY 1のヘッドライナーを務めるのは¥ellow Bucksさん。2年前のリベンジの機会で 「Yessir」や「My Resort pt.2」をはじめ、「Big Shit Trouble feat. eyden」などキラーチューン満載のセットリストに観客は絶叫し続けた。だが何よりも印象的だったのは¥ellow BucksさんがDJをしたパート。

「力をくれ」(LEX)、「Miss Luxury」(YZERR)といった自身の参加曲をプレイし、それにあわせてセキュリティのように屈強なダンサーと、妖艶なゴーゴーダンサーたちがそこかしこで絡み合うパフォーマンスを披露したのだ。

¥ellow Bucksさん/撮影:Ray Otabe

その様子は人気ゲーム『Grand Theft Auto』に出てくるナイトクラブ。猥雑で危険だが同時に魅力あふれる世界。

ゴーゴーダンサーのセクシーなダンスが「POP YOURS」の看板である超巨大LEDに大写しになった場面は、あまりにも刺激的で痛快なエンターテインメントで、¥ellow Bucksさんのバックグラウンドを垣間見られる体験だった。

¥ellow Bucksさん/撮影:Taio Konishi

最後に自身の波瀾万丈なキャリアを踏まえ、「本当に好きなことなら、続けていればいつか必ずチャンスは来る」とポジティブなメッセージをファンに伝えてDAY2にバトンを繋いだ。

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KAI-YOUでは「POP YOURS 2025」出演アーティストたちのインタビューも掲載中

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