いま、日本ではRIZINを中心に、総合格闘技の大きなムーヴメントが巻き起こっているのは周知の通りだ。
RIZINの中でも、最も選手層が厚く、注目度の高い階級が66.0kgのフェザー級──その階級の王として君臨する男が、若干25歳の若きチャンピオン・鈴木千裕選手だ。
その竹を割ったかのような真っすぐな性格と、あまりにタフすぎる精神力──それがそのまま試合に投影されたかのような絶対的な強打を中心としたファイトによって連勝を重ね、チャンピオンベルトを巻くことになった。
そんな鈴木千裕だが、2023年6月24日に挑んだvsクレベル・コイケ選手とのタイトルマッチにおいて、手痛い敗北を経験している。いつもの圧力と強打が鳴りを潜め、後手に回ってしまった結果、クレベル選手の寝技により一本負けを喫した(ただし、クレベル選手の体重超過により公式記録はノーコンテスト)。
しかし、2024年12月31日の大晦日、再び両者は激突する。敗北を経験させられた相手といかに対峙するのか?
そしてRIZINは今、新時代へと突入している──RIZINをこれまで牽引してきた朝倉未来さん、朝倉海選手の離脱/UFC参戦や、平本蓮選手のドーピング騒動も記憶に新しい。
王者として、鈴木千裕選手は何を思うのか。取材を行った。
目次
RIZINチャンピオンとして、そしてリベンジャーとして
──まず率直に、今回のタイトルマッチに向けての意気込みを教えてください。
鈴木千裕 KO勝ちッス! とにかくKO勝ちしか考えてない。それを見せたいです。
──対戦相手はクレベル・コイケ選手ですが、2回目の対決となります。前回もタイトルがかかった一戦でしたが、クレベル選手の体重超過で、クレベル選手が一本を取る形になりましたが、結果はノーコンテストになりました。しかし、鈴木選手は敗北を認めている経緯がある。
鈴木千裕 そうですね。あれは負けです。
──一度負けた相手と試合するのって、ふつうは怖いと思うんです。鈴木選手はどんなメンタリティなのでしょうか?
鈴木千裕 楽しいっすよ! やっぱり!(笑)
──楽しい、ですか?
鈴木千裕 前回からの経験も踏まえて、彼の柔術にいかにして対抗するか──そういうことを考えたり対策するのは楽しいことなんですよ。いつもの試合とは、また違った刺激っていうか──一度は負けてしまった相手だからこそ、どう攻略しなきゃしようかなみたいな。
正直、怖いという感覚はまったくなくて(笑)。とにかくワクワクしてますね。
──前回のクレベル戦での敗戦は、鈴木選手にとってどういう意味合いを持つものだったのでしょうか?
鈴木千裕 結果的には、自分を見つめ直す良い機会だったんですよ。練習内容や環境、考え方──そういうものを全部含めて変えることのきっかけになった。今の自分は強くなっていて、そのために必要な敗戦だったんですよ。
──今回のタイトルマッチが決まるまで、鈴木選手と戦いたいと名乗りをあげる選手が多数いたと思います。クレベル選手に決まるまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか?
鈴木千裕 まず、自分としては誰と一番戦いたいかというと──最初に考えてたのはパトリシオ・ピットブルだったんですよね。
鈴木千裕 “約束”というほどのものではないけど、僕とピットブルと間で「お互いベルトをかけて戦おうぜ」っていう話があって。その時はまだ僕がベルトを持っていなかったから戦う機運ではなかったけど、今はこうしてチャンピオンになれた。
だから彼のリベンジを、まずは引き受けるべきだとは思っていたんです。
──チャンピオン同士の一戦ということで、そのカードを期待する声もありましたね。
鈴木千裕 そうですね。ピットブルもしっかりベルトを防衛していて。選手間のタイミングとしてはよかくて、やろうぜ!ってなったんすけど、ギャランティとか他のタイミングが重ならなかった。
今回は縁がなかったけど、またいつかやる機会は訪れると思います。
それに、もちろん、俺がリベンジするという意味で、クレベル選手とやりたいという気持ちも強く持っています。
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