総合格闘技イベント「RIZIN.51」が、9月28日(日)に愛知県名古屋市のIGアリーナで開催された。
大晦日RIZINの足音が聞こえはじめてくる中、「RIZIN.51」は年末の対戦カードを占う上でも注目必至の試合がラインナップ。
目玉であるメインカードは、ライト級タイトルマッチとしてホベルト・サトシ・ソウザ選手 vs. 堀江圭功選手が行われる。サブメインは、盛り上がりを見せるフェザー級のタイトルマッチとして、ラジャブアリ・シェイドゥラエフ選手とビクター・コレスニック選手が激突した。
「RIZIN.51」対戦カード ©︎RIZIN FF
シェイドゥラエフ選手は今回の試合後、大晦日に朝倉未来選手との対決を示唆しており、そういった意味でも勝負の行方が注目だ。
ほかにも、異例の大会形式が話題を呼んだ“フライ級GP総選挙”ことフライ級トーナメントの2ndラウンド(準決勝)や、バンタム級のタイトル戦線を左右しそうな佐藤将光選手 vs. ダニー・サバテロ選手、ヘビー級トーナメント決勝戦となるマレク・サモチュク選手 vs. アレクサンダー・ソルダトキン選手など、全14試合が組まれた。
この記事では「RIZIN.51」の全試合の結果をリアルタイム速報でレポートする。
目次
- 1. 第1試合:大和哲也● vs. ◯奥山貴大
- 2. 第2試合:金田一孝介● vs. ◯チャートゥ・バンビロール
- 3. 第3試合:冨澤大智◯ vs. ●平本丈
- 4. 第4試合:鈴木博昭◯ vs. ●ファン・イェーロウ
- 5. 第5試合:矢地祐介◯ vs. ●芳賀ビラル海
- 6. 第6試合:高木凌◯ vs. ●三宅輝砂
- 7. 第7試合:梅野源治◯ vs. ●芦澤竜誠
- 8. 第8試合:佐藤将光● vs. ◯ダニー・サバテロ
- 9. 第9試合:ヘビー級トーナメント決勝 マレク・サモチュク● vs. ◯アレクサンダー・ソルダトキン
- 10. 第10試合:フライ級トーナメント2回戦 リザーブマッチ 伊藤裕樹● vs. ◯山本アーセン
- 11. 第11試合:フライ級トーナメント2回戦 元谷友貴◯ vs. ●神龍誠
- 12. 第12試合:フライ級トーナメント2回戦 扇久保博正◯ vs. ●アリベク・ガジャマトフ
- 13. 第13試合:フェザー級タイトルマッチ ラジャブアリ・シェイドゥラエフ◯ vs. ●ビクター・コレスニック
- 14. 第14試合:ライト級タイトルマッチ ホベルト・サトシ・ソウザ◯ vs. ●堀江圭功
第1試合:大和哲也● vs. ◯奥山貴大
大和哲也 vs. 奥山貴大
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)※フェザー級
結果:大和哲也● vs. ◯奥山貴大 ※1R一本勝利
第1試合は共に地元・愛知出身の二人。第6代K-1 WORLD GPスーパーライト級王者にして日本人初のWBCムエタイ世界同級王者であるベテラン・大和選手が、プロデビュー20周年の年にMMAに挑戦。対するは、国内シュートボクシングのウェルター級トップ戦線で活躍する奥山選手だ。奥山選手にとっては、MMA2連敗中の中での再起戦となる。
1R目。互いにローキックで距離感を探る展開。ストライカー同士の対決らしい幕開けに。奥山選手がテイクダウンに成功すると、サイドポジションからグラウンドの展開。肘を落としていく。マウントポジションからパウンドを浴びせながら、腕十字を狙う奥山選手。大和選手は防戦一方。一度解除するもすぐさま奥山選手が上をとりグラウンドの展開に。
攻防から巧みに大和選手の腕を取るとフィニッシュ。奥山選手がMMA経験値の違いを見せつけ、1R4分10秒アームバーで一本勝利を飾った。
第2試合:金田一孝介● vs. ◯チャートゥ・バンビロール
金田一孝介 vs. チャートゥ・バンビロール
RIZIN MMAルール:5分3R(100.0kg)※ヘビー級
結果:金田一孝介● vs. ◯チャートゥ・バンビロール ※判定3-0
PANCRASEライト級1位にまで登り詰めた実力者であり、近年はBreaking Downでの活躍も記憶に新しい金田一選手にとっては、プロ14年間無敗36歳で迎える地元での念願のRIZINデビュー戦。相手は、セネガル相撲をバックボーンに2025年にDEEPでプロMMAデビューしたばかりの21歳・バンビロール選手。エドポロキング選手のスパーリングパートナーでもある。
1R目。身長193cmのバンビロール選手と178cmの金田一選手のリーチ差は23cm。小刻みにステップでリズムを掴もうとするバンビロール選手。破壊力のありそうな打撃も互いに当たらず。するとバンビロール選手がパワーを活かして100kgの金田一選手を持ち上げて叩きつける。すぐさま立ち上がる金田一選手。バンビロール選手はバックを取ってロープ際でパンチを当てていく。上からバンビロール選手は肘の連打。終盤、バンビロール選手に頭突きの反則行為で注意。再開後は静かなまま終了した。
2R目。フェイントから好機をうかがう両者。組みついてコーナーに金田一選手を追い詰めるバンビロール選手。コーナーでスタンドからグラウンドへ、マウントポジションからパウンドを落としていく。優位な体制ながらバンビロール選手も手数が減少。ブレイク。スタミナの消耗がうかがえる。スタンドで再開後右膝をあてるバンビロール選手。コーナー際で脇を刺そうとする金田一選手だがハマらない。両者攻め手に欠ける中で最終ラウンドへ。
3R目。金田一選手がタックルを仕掛けるも逆にバンビロール選手が踏みとどまって、金田一選手がクロスガードの状態に。しかし動きが少なくブレイク。バンビロール選手が再びテイクダウン。その後の展開がなく再びブレイク。立ち技での攻防にはならず、コーナー際でバンビロール選手が膝を当てる展開。金田一選手としてはリーチ差の影響もあり攻め手がないか。膠着状態のまま終了。手数で上回った印象か、判定3-0でバンビロール選手がRIZINデビュー戦を勝利で飾った。
第3試合:冨澤大智◯ vs. ●平本丈
冨澤大智 vs. 平本丈
RIZIN MMAルール:5分3R(57.0kg)※フライ級
結果:冨澤大智◯ vs. ●平本丈 ※判定2-1
BreakingDownでの活躍を経てRIZINでも活躍する27歳・冨澤選手にとっては、5月の「RIZIN漢祭り」で山本アーセン選手の敗戦後の復帰戦。相手は平本蓮選手の弟としても知られ、同じく「RIZIN漢祭り」で田丸辰選手を破った22歳の平本丈選手。冨澤選手はRIZIN3戦1勝、平本選手は2戦2勝。共にRIZINでの経験値と勝利を積み上げたいところだ。
1R目。平本選手が右フックをヒットさせるとシングルレッグのタックル。コーナー際でバックを取ると、スタンドの状態で四の字。首を締め上げる。グランドになっても離さずあわや一本勝利かと思った瞬間、冨澤選手が根性で解除。再びコーナー際で後ろから平本選手が押さえつける。離れ際に冨澤選手のパンチがヒットするも直前にローブローの反則でブレイク。再開後、ハイとミドルのキックを放つ平本選手。冨澤選手も左フックを放つ。冨澤選手の圧力が増す。
2R目。右のジャブやストレートを放つ冨澤選手。平本選手も前蹴りやローキックで対抗。スタンドで打撃の攻防。平本選手の左のハイキックがヒット。上下に散らす攻撃も冨澤選手も怯まない。距離が近づく両者の攻防。冨澤選手のローがややダメージを与えたか。平本選手がぐらつく。タックルもテイクダウンもない打撃戦、冨澤選手のプレッシャーが上回った印象で最終ラウンドへ。
3R目。平本選手がローキックを入れつつ距離を詰める。互いに鋭いパンチが交錯する展開。スタンドでの攻防から平本選手がコーナー際でテイクダウン。しかし冨澤選手が回避しパンチを顔面に当てる。流血する平本選手。互いにスタンドでの殴り合いに。冨澤選手は笑顔も。ジャブの打ち合い。互いに打たれ強さを感じさせる。会場はこの日一番の盛り上がりに。オープンな展開で最後まで互いに打ち合った試合は判定へ。被弾させた数で上回った印象の冨澤選手が、2-1のスプリット判定で勝利した。
第4試合:鈴木博昭◯ vs. ●ファン・イェーロウ
鈴木博昭 vs. ファン・イェーロウ
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)※フェザー級
結果:鈴木博昭◯ vs. ●ファン・イェーロウ ※判定2-1
“怪物くん”の異名を持つベテランのストライカー・鈴木選手は、2024年7月以降、RIZINでは3連敗を喫していたが、2025年6月の「RIZIN LANDMARK 11」で山本空良選手に勝利。40代にして進化を続ける姿を、連勝という形で見せつけたい。対する25歳のイェーロウ選手は、2019年に中国YFU(武林籠中対)でプロデビュー、同団体フェザー級王座も獲得している実力者だ。
1R目。序盤から激しい打撃の攻防で幕開け。膝と左右のフックで追い込むイェーロウ選手。鈴木選手もディフェンス力を活かしてビッグヒットはもらわない。カウンターを狙うような鈴木選手が左フック。後半に入るとイェーロウ選手が首を掴みかかるも解除。徐々に両者の攻撃が散発的になったタイミングで終了。
2R目。開始早々イェーロウ選手の蹴りがローブロー判定で一時中断。再開。立て続けにローキックを放つ鈴木選手、イェーロウ選手は上段のパンチや膝蹴りで対抗する。イェーロウ選手の左足が赤みを帯びていく。互いに近い距離での攻防で、ローキックを中心にヒット。時折飛び込みながらの肘やタックルで局面を打開しようとするイェーロウ選手。しかし、コーナー際で鈴木選手がボディの連打を浴びせる。鈴木選手ペースで3Rへ。
3R目。イェーロウ選手の左足はふんばりが効かないか。鈴木選手は身長に打撃を打ち分けている印象。インローの3連打をくらうイェーロウ選手。主導権は鈴木選手が握る。一瞬打ち合いの展開もすぐにトーンダウン。鈴木選手にとっては避けたい展開。イェーロウ選手も膝蹴りやジャブで巻き返しを狙う。ラスト10秒でイェーロウ選手が膝蹴りの連打を繰り出すも、両者疲れの見える展開で終了。大部分でペースを握った鈴木選手が2-1スプリット判定で勝利した。
第5試合:矢地祐介◯ vs. ●芳賀ビラル海
矢地祐介 vs. 芳賀ビラル海
RIZIN MMAルール:5分3R(71.0kg)※ライト級
結果:矢地祐介◯ vs. ●芳賀ビラル海 ※2R一本勝利
2024年大晦日、“桜庭ジュニア”こと桜庭大世選手のMMAデビュー戦で敗北を喫した35歳・矢地選手。ストライキング技術にグラウンドを融合させ勝ち星を重ねてきた経験値を活かしたい。芳賀選手はGRACHAN第5代ライト級チャンピオンの28歳。15歳で日本拳法をはじめ、2019年には総合選手権大会準優勝(現在RIZINフェザー級の木村柊也選手に決勝で敗北)など優秀な成績を修めてきた。
1R目。タックルから組みにいく矢地選手。しかし逆に芳賀選手が投げてテイクダウン。サイドポジションでグラウンドの展開に。コーナーから立とうとする矢地選手。立ち上がって逆に芳賀選手のコーナーに追い詰める。両者組んだ状態で攻撃を出し合う展開もブレイク。スタンドでの四つ組みの状態でのレスリングが続く。
2R目。激しいパンチを攻防から矢地選手が四つ組み。バックを取って四の字でクラッチしながら倒れ込む。芳賀選手は抜け出せない。そのまま巧みに首を締め上げにかかるとタップ。2R2分10秒、リアネイキッドチョークで矢地選手が一本勝利。“崖っぷち”を囁かれていた矢地選手が、ファイターとしての意地と経験値の違いを見せつけた。
第6試合:高木凌◯ vs. ●三宅輝砂
高木凌 vs. 三宅輝砂
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)※フェザー級
結果:高木凌◯ vs. ●三宅輝砂 ※判定3-0
一撃必殺の高いパンチ力を誇る26歳の高木選手は、RIZIN2連勝後に迎えた5月の「RIZIN男祭り」で、超新星・秋元強真選手に判定負け。その後所属していたジムを抜けることを明かして迎える再起戦。対する26歳・三宅選手は、第11代フェザー級キング・オブ・パンクラシスト。PANCRASEを主戦場に勝ち星を積み重ね、地元名古屋でのRIZINデビュー戦を迎えた。
1R目。高木選手はカーフキックで先手。四つ組みからテイクダウン、立ち上がるも三宅選手がバックを取る。チョークが決まりかけるも回避。コーナーで脇を刺しながら膝を打ち込む三宅選手。高木選手は局面を打開したい。離れてスタンドの攻防へ。高木選手がジャブを交えて前に出る。打撃の展開ではやや高木選手優勢か。
2R目。スタンドの状態でコーナーで組むも離れる。三宅選手がバックブロー。高木選手がタックルもハマらない。互いにベストな距離を探り合うもやや単調な展開。高木選手がテイクダウンもすぐさまスタンドの攻防に。大きなヒットは生まれないながら、高木選手の左ジャブが当たっている印象。最終ラウンドへ。
3R目。互いに打撃を繰り出し合う。ジャブとカーフキックでペースを掴もうとする高木選手。出血での中断を挟んで、三宅選手が組み付く。離れると再びスタンドの攻防。三宅選手がタックルで四つ組みの状態になるも攻め手に欠ける。高木選手が打撃で勢いを増し返す。三宅選手は左ジャブのダメージが蓄積している印象。カウンターを狙いたいが消耗が激しいか。終了後膝をついた三宅選手。3-0判定で高木選手が勝利した。
第7試合:梅野源治◯ vs. ●芦澤竜誠
梅野源治 vs. 芦澤竜誠
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)※バンタム級
結果:梅野源治◯ vs. ●芦澤竜誠 ※判定3-0
“日本ムエタイ界の至宝”と呼ばれる国内トップのムエタイファイターである36歳の梅野選手は、MMAデビュー戦となった2024年大晦日の「 RIZIN.49」で判定勝利。2戦目の相手である30歳・芦澤選手は、K-1をバックボーンに持つ本能系ファイター。同じく2024年大晦日、DEEP二階級王者・福田龍彌選手に敗北後の復帰戦となる。
1R目。立ち技出身のMMAファイター同士の一戦。芦澤選手がラッシュでコーナーに追い詰める。梅野選手も組みついて膝蹴りを繰り出す。倒れ込んでグラウンドの攻防に。梅野選手がトップポジションから肘を落としていく。芦澤選手がブリッジから上下逆転。しかし梅野選手が三角から四の字で首を絞めにかかる。芦澤選手は膝を打ち込んでいくとここで解除。梅野選手がバックを取ると向き直り際で肘を当てる。ややふらつく芦澤選手だがその状態でパンチ繰り出していく。終了後の攻撃で、芦澤選手に注意が与えられた。
2R目。芦澤選手がノーガード気味に距離を詰める。近距離での蹴り合い、殴り合いが散発的に発生。首相撲にもっていこうとする梅野選手だが芦澤選手も手を止めない。離れ際、カウンターで梅野選手の肘がヒット。それでも前に出ることをやめない芦澤選手。大ぶりのパンチを放つもカウンターで梅野選手のミドルキックが入る。組み付く芦澤選手だが逆に梅野選手がギロチンの体制に。なんとか頭を抜く。梅野選手のミドルキック、芦澤選手のフック、互いに被弾しながら積極性は衰えない。ここでもサミング行為で芦澤選手に警告。
3R目。芦澤選手がワンツー、梅野選手が首相撲。倒れ込んだ梅野選手に芦澤選手が追い打ち。しかしロープを掴んだことでイエローカードが提示された。梅野選手が右まぶたから出血。再開後、スタンドでの攻防から芦澤選手が倒れた梅野選手を追い込むも、梅野選手がギロチンで締め上げる。しかし解除。トップポジションから芦澤選手がパウンド。梅野選手はチョークを狙う。芦澤選手が鉄槌から再びスタンドの攻防。消耗激しい両者。足をすべらせた芦澤選手に、梅野選手が上から組み付いていく。攻め止まらない両者の決着は判定へ。3-0判定で梅野選手が勝利、MMAデビューからの連勝を飾った。

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