日本のライブ配信やeスポーツ市場を調査/分析する配信技研が1月23日(金)、社内文書『競技シーンの哲学』をPDF形式で公開した。
文責は、アユハこと配信技研取締役の中村鮎葉さん。
本書では全74ページにわたって、勝利/競技/大会といった概念を改めて定義し、eスポーツ市場を前提に「競技シーン」をどのように捉えるべきかを整理。
また、盛り上がりを重視する時代において、eスポーツや競技が初級者から中間層が犠牲となる“貴族制”に向かいつつある構造を指摘し、それに対する改善案も提示している。
ゲーミングシーンの持続性や熱量を測定してきた配信技研
配信技研は、日本のゲーム配信およびライブストリーミング市場を専門に調査/分析する企業。TwitchやYouTubeなど複数の配信プラットフォームを横断的に調査し、視聴データを可視化してきた。
同時視聴者数や登録者数だけでなく、コミュニティの持続性や熱量を測る軸として「累計視聴時間(Hours Watched)」を重要視。
定期的に市場レポートを公開しており、ゲームタイトル別・配信者別の視聴ランキングや、プラットフォームごとの市場シェア推移などを提示している。
この他、ゲームメーカーや広告代理店に対しては、プロモーション効果測定やインフルエンサー選定、eスポーツ大会の視聴データ分析といった支援も行っている。
競技シーンとは「価値を共有し大会やリーグを超えたコミュニティ」
『競技シーンの哲学』は、先行して公開されていた文書『ストリーマーはどこから来て、何であり、どこへ行くのか』と対を成す一冊と位置づけられている。
本文章では、競技は単なるルールの集合ではなく、選手同士がルールに同意し、公正さを共有することで成立する営みと整理。
eスポーツ市場を主な想定対象としつつも、本書が扱う射程はデジタルゲームに留まらない。スポーツ哲学やゲーム研究の先行理論を参照しながら、フィジカルスポーツやアマチュア競技、さらには入学試験のような勝敗構造を持つ制度までを包含する形で、「競技」という営みを捉え直している。
勝利や技術といった競技内部の価値(内的な善)が蓄積・共有されることで、競技シーンは大会やリーグを超えたコミュニティとして形成されると論じている。
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