批評家/映画史研究者の渡邉大輔さんが、新刊『セカイ系入門』(星海社新書)を9月18日(水)に刊行する。
著者にとって6冊目の単著にして、初の新書。そして初のサブカルチャー評論書となる。
「セカイ系」四半世紀以上の歴史と批評的可能性を整理
「セカイ系」とは、社会や共同体の描写を省略し、個人と“セカイ”が直接的につながる/関係するような物語の系譜を指す批評用語だ。
『新世紀エヴァンゲリオン』など、特に1990年代後半以降のアニメや小説の類型を指す際に使われることが多い。
本書は二部構成。第1部では「セカイ系」誕生から現在に至る四半世紀の歴史を整理し、第2部では文芸批評・映画批評・文化批評の視点から、「セカイ系」の可能性を多角的に検討する。
著者の渡邉大輔さん自身が特に推すのは、第6章「『推し』=崇高論」。
近年の“推し文化”を、セカイ系の地平に重ね合わせる試みが展開されているようだ。
渡邉大輔、デビューから20年越しのテーマに挑む新書
渡邉大輔さんは1982年生まれ。跡見学園女子大学文学部准教授、日本大学芸術学部非常勤講師。
専門は日本映画史や映像文化論。これまでの著書に『イメージの進行形──ソーシャル時代の映画と映像文化』『明るい映画、暗い映画』『ジブリの戦後』などがある。映画やアニメを横断して批評し、文化庁メディア芸術祭の選考委員もつとめる。
評論家としてのデビューを果たした2005年、批評家・東浩紀さん編集のメールマガジン『波状言論』に投稿された「〈セカイ〉認識の方法へ」という評論でも、すでに「セカイ系」を主題に執筆を行っている。
今回の新著について「大学のゼミでセカイ系に対する学生の理解が混乱しているので書いた」と自身のXでコメントしている。

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