映画『デジモン02』で“ものをつくる”空気になった瞬間
緒方恵美 こういう可愛らしい声のキャラクターを「やってください」って言われればできる人はたくさんいるんですよ。でも、魂まで生まれたてみたいなピュアさを出せる人は本当に少ない。そんな釘宮さんだからこそ、ウッコモンという生まれたてのキャラクターを演じるのにピッタリだと思いました。
私は長いこと「14歳のピュアな気持ちだけは死んでも確保しないといけない」と思って頑張ってましたけど、釘宮さんはそれ以下のピュアさを保ち続けてるじゃないですか。その秘訣を知りたいですよ。
釘宮理恵 本当に何も考えずに、柔らかい心で素直に生きていきたいなと思っているだけなんですけどね。
──それを現代社会で貫けるのは素晴らしいと思います。逆に釘宮さんは共演して感じた緒方さんの魅力はどのような部分にありますか？
釘宮理恵 緒方さんは、収録前の段階から監督とルイというキャラクターをどこまで深めていくかという話をされていたんです。
そのように真摯に向き合っている姿を見た時、素直に演じれば良いという姿勢だった自分はふわふわしすぎていたのではないかと気づかされて、気合いを入れ直したところがありました。
釘宮理恵 カッコよかったですよ！ 監督やスタッフさんたちも緒方さんからの質問を受けて、表現をどこまで深めるかの話を長い時間かけて議論されていて。おかげで、しっかりと意見が通じ合った状態で収録に臨むことができました。
あのやり取りがあったからこそ一つにまとまった気がしましたし、“ものをつくる”空気になったと感じられました。
緒方恵美 そうやって空気がまとまると良い作品ができる。TVシリーズだったら時間をかけて徐々につくり上げることもできるんですが、映画の場合はそういう話をする関係をつくっていく時間もないので、あえて踏み込んだり、TVシリーズの時とは違うアプローチをしたりしてみてっていう工夫をすることがあります。
私を使ってくれる方々に、踏み込んだ深い作品を作りたいと思ってくれる監督が多いからな気もするんだけど（笑）。
緒方恵美 うん。田口監督は見た目はすごい柔らかくて穏やかなのでみんな勘違いするんですけど、本当はすごく攻め攻めな監督なんですよ（笑）。
だから私もバチバチにやらせていただけて（笑）。映画『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』もそんな監督がつくるからこそのこだわりが込められた作品になっていると思います。
【画像】『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』場面カット ©本郷あきよし・東映アニメーション・東映
作品情報
デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING
- 公開日
- 10月27日（金）公開
- キャスト
- 片山福十郎（本宮大輔役） 野田順子（ブイモン役）
- ランズベリー・アーサー（一乗寺賢役） 高橋直純（ワームモン役）
- 朝井彩加（井ノ上京役） 遠近孝一（ホークモン役）
- 山谷祥生（火田伊織役） 浦和めぐみ（アルマジモン役）
- 榎木淳弥（高石タケル役） 松本美和（パタモン役）
- M・A・O（八神ヒカリ役） 徳光由禾（テイルモン役）
- 緒方恵美（大和田ルイ役） 釘宮理恵（ウッコモン役）
- スタッフ
- 原案：本郷あきよし
- 監督：田口智久
- 脚本：大和屋 暁
- キャラクターデザイン：中鶴勝祥
- デジモンキャラクターデザイン：渡辺けんじ
- アニメーションキャラクターデザイン：立川聖治
- 音楽：富貴晴美
- スーパーバイザー：関 弘美
- アニメーション制作：ゆめ太カンパニー
- 製作：東映アニメーション・東映
【ストーリー】
お台場とデジタルワールドを行き来した冒険の日々から10年が過ぎた2012年。
それぞれの道を歩き出しつつも、本宮大輔ら選ばれし子どもたちとパートナーデジモンは変わらぬ絆で結ばれていた。そんなある日、突如巨大なデジタマが東京タワー上空に出現し、世界中へメッセージが発信される。「みんなにともだちを。世界中すべてのひとにデジモンを」世界がその動向を注目する中、大輔たちの前に「世界ではじめてデジモンとパートナー関係を結んだ人間だ」と話す謎に包まれた青年・大和田ルイが現れる。選ばれし子ども誕生の裏側には、幼いルイのたった一つの願いが隠されていた…
過去そして現在、全てが繋がった時、デジモン史上最大の危機が訪れる。果たして大輔たち02チームが選んだ道とは？
今再び、大人になった選ばれし子どもたちが出動する！
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