会場は、現代美術家/ポップアーティスト・村上隆さんが率いるアートカンパニー・カイカイキキによるギャラリー「Hidari Zingaro」。
新作のペインティングだけでなく、寺田克也さん初となる立体作品も展示される。
初の立体作品も手がける寺田克也
漫画家・イラストレーターとして国内外で人気を誇っている寺田克也さん。漫画『西遊奇伝・大猿王』にはじまり、ゲーム『バーチャファイター2』のキャラクターデザイン、特撮ドラマ『仮面ライダーW』のクリーチャーデザイン、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の巨大妖怪のデザインなど、圧倒的な画力と鬼気迫る独創性から支持を集めている。
そのオリジナリティの源は、高校時代に出会った、フランス語圏のコミック“バンド・デシネ”というのは広く知られている。
バンド・デシネから影響を受けた線描のスタイルは、寺田克也さんの想像力に唯一無二の形を与えている。たとえ一枚の絵であっても、見る者の中にストーリーが紡ぎ出されるような世界観の奥行きがある。 本展では、「ラクガキング」「ペインターの鬼」という異名のある寺田克也さんのペインティングに加え、線描で生み出されたキャラクターたちが立体作品となって並ぶ。
3Dで表現されてもなお、細密な線の世界を通底して感じられるような作品に仕上がっているという。
寺田克也と村上隆からのコメント
開催にあたって、寺田克也さんと、Hidari Zingaroを手がける村上隆さんからコメントも寄せられている。寺田克也さんコメント
ほぼ日本のマンガはキャラクターで動く。
そのキャラクター造型が醸す世界観がストーリーを作り出し、自在のサイズで画角を切り取るコマに展開していく。
この時コマを構成する枠線は重要で、コマの繋がりに時間軸を与えマンガに時間の流れをもたらす。生まれた時間軸は物語の流れのタイミングを作り否応無く物語はどこかに向かって動かざるを得ない。そして一度始まったマンガは、未完であろうとも本質的に完結を目指す事に運命づけられている。
こういうマンガの持つ運動を一枚の絵でするという事を意識的にやりたいと思っている。オレの肩書きは「マンガ家」なので。
©️Katsuya Terada村上隆さんコメント
寺田克也さんの弊社での2度目の個展をやって頂きます。今回は、前回に比べて、より脱イラスト的な文脈を攻めて頂いています。ペインティングや彫刻作品、特に彫刻作品においては、この6年間の間の時間の経過を表していると思います。粘土で作ったという事もありますが、エッジブラシによって、寺田さんが毎日のようにエクササイズしている立体の造形に関する報告は、ソーシャルメディアで、よく投稿されているので皆さんの目にも目新しくも無いでしょうが、今回は、ブロンズにするという事で、よりアートにおける流通の仕方に興味を持たれているという事が、白眉なのではないかと思います。そんな寺田さんの心境の変化、作風の変化などを、今回、じっくり見て頂ければと思います。
立体もえぐいな寺田克也さん
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個展情報
寺田克也個展「Monster Head Girl」
- 会期
- 2021年9月4日(土)から2021年9月17日(金)
- 場所
- Hidari Zingaro
- 住所
- 〒 164-0001 東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ3F
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